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第二編第三章 護る為の決意
決意の剣劇
しおりを挟む「はっ…頑張るねぇ…おたくら」
「お前がボスだな。指揮系統は断たせて貰うぞ」
シャーレは真っ先にオルゼイトファミリー
の指揮系統であるボス・グリッジの元へと
駆け込んで行くが、其処には分厚い敵の
壁があり、青龍刀を使って薙ぎ倒す。
「おーい。届いてねぇぞ?」
「…お前達ぐらい解り易い悪党なら良かったんだがな、奴等も…」
「一人でブツブツ何言ってんだ?そろそろオネンネしなァ!!」
「迷いは消えたのだ。此の判断が正解なのか間違いなのかは解らない。だが、私は一人じゃない、仲間が居る」
シャーレは青龍刀で身体と共に円を描いて
全方位を斬り裂き、敵を薙ぎ倒しながら
決意を込めた言葉を続けて行く。
「其の仲間と共に考え拓いた道だ。其の道に何を疑問を浮かべる事があろうか!」
「…だから。何の話だっつーの」
突如として飛び出たグリッジの蹴りを
受けたシャーレは後方に吹き飛ばされる。
受け身を取って転がった先で膝を立てて
体勢を立て直すと、其処にポアラも一度
乱戦の中から抜けて息を整える。
「大丈夫?スケベ」
「いや、今心が綺麗に折られた」
「ははっ…。戻ったねシャーレ。らしくなってきた」
「君のお陰さ。ポアラ…」
ポアラには最後のシャーレの声は
届かなかったが、シャーレの背中は
より一層の頼もしさを滲み出す。
今の攻勢でざっと三十人程。
オルゼイトファミリーの戦力は削いだ。
だが、残り七十人。
「血が出ているな、ポアラ…」
「こんなの擦り傷…後ろの二人と比べたら、ねぇ?」
二人はこんな状況の中背後で
息を切らす手負いのロードとレザノフを
見て笑みが溢れてしまう。
二人はまた背中を預ける様に敵の輪の
中に突入すると猛威を振るうかの様に
大車輪の活躍を見せて行く。
「シャーレ殿にポアラ殿…笑っていませんでしたか?」
「余裕あんなあ、アイツ等。でもそうじゃなきゃよ…他人の為に身体を張れる、そんなヤツ等だから俺は好きになったんだよ」
レザノフの問いに嬉しそうに答えた
ロードを見て笑みを浮かべるレザノフ。
まるで、『貴方もでは?』と訊いている
様にも捉えられる表情を見せたレザノフの
視界の先には二人の奮戦の姿があった。
数分後、遂にはオルゼイトファミリーの
戦力を約半分に迄削っていた。
「少し、疲れて来ましたね」
「やっぱり多いね…」
疲労が見え隠れし始めた二人は敵の群勢を
前に息を切らし始める。
そんな瞬間だった。
「ノーップロブレームッ!後はミーにお任せだよ。ボーイアンドガールッ!」
四人の背後、屋敷の屋根の上から聞こえた
高らかな声に反応すると、其処から一人の
男がまるでバンジージャンプかの様に
身軽に戦線へと飛び込んで来た。
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