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司祭・ジュード。 そして。
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案内された先、重厚な造りの扉が開かれさらにその奥へと進むよう促された。
緊張を隠せない顔で、二人は歩を進める。
広くはない部屋だった。面会用なのだろうか。
シンプルなデザインだが、上等な素材が使われているだろうテーブルとソファーがあった。他の調度品も、上等そうだった。
「君たちが、カインとアベルだね? 待っていたよ。」
そう言って、真紅の隊服を着た男が言った。
ソファーから立ち上がり、両腕を広げ歓迎の意を示す。
真紅の隊服は、幹部の象徴だ。彼らが力を得るために食べた果実の色を模したと言われている。
命の炎・愛の色。至高天でも選ばれた天使にのみ身に付ける事が許された色。
「あの、あなたは…」
「ああ失礼、私は司祭のジュード。ところで君たちは、我らメサイアについてどこまで知っているのかな?」
「どこまで、って…?」
ジュードの意図が読めず、カインは言葉を詰まらせた。
「夢の中で、果物もらったらなれるんだろ?」
対照的に、アベルは迷い無く答えた。
『まあ、そういうことになるかな。』
誰か、が答えた。ジュードの代わりに。
「え?」
ここには。
カインとアベル。そして二人の正面に司祭・ジュードがいる。そしておそらく、ドアの向こうでメサイアのメンバーが待機しているに違いないが大声で叫ばない限り聞こえるはずがない。
三人の声ではない、叫び声でもない。誰の声でもない。
なのに、聞いたことがある声だった。
ジュードの後ろの空間が、歪む。
軽い目眩を覚えた。
あの時みたいだ。カインとアベルは思った。
あの夜、銀色の髪の不思議な男が消えた時と、同じ目眩。
『やあ。』
美しい男が、そこにいた。
「あっ、あんた、八年前の夜に会った…!」
アベルが驚きの声をあげた。
美しい男が、意味深な笑みを浮かべている。
緊張を隠せない顔で、二人は歩を進める。
広くはない部屋だった。面会用なのだろうか。
シンプルなデザインだが、上等な素材が使われているだろうテーブルとソファーがあった。他の調度品も、上等そうだった。
「君たちが、カインとアベルだね? 待っていたよ。」
そう言って、真紅の隊服を着た男が言った。
ソファーから立ち上がり、両腕を広げ歓迎の意を示す。
真紅の隊服は、幹部の象徴だ。彼らが力を得るために食べた果実の色を模したと言われている。
命の炎・愛の色。至高天でも選ばれた天使にのみ身に付ける事が許された色。
「あの、あなたは…」
「ああ失礼、私は司祭のジュード。ところで君たちは、我らメサイアについてどこまで知っているのかな?」
「どこまで、って…?」
ジュードの意図が読めず、カインは言葉を詰まらせた。
「夢の中で、果物もらったらなれるんだろ?」
対照的に、アベルは迷い無く答えた。
『まあ、そういうことになるかな。』
誰か、が答えた。ジュードの代わりに。
「え?」
ここには。
カインとアベル。そして二人の正面に司祭・ジュードがいる。そしておそらく、ドアの向こうでメサイアのメンバーが待機しているに違いないが大声で叫ばない限り聞こえるはずがない。
三人の声ではない、叫び声でもない。誰の声でもない。
なのに、聞いたことがある声だった。
ジュードの後ろの空間が、歪む。
軽い目眩を覚えた。
あの時みたいだ。カインとアベルは思った。
あの夜、銀色の髪の不思議な男が消えた時と、同じ目眩。
『やあ。』
美しい男が、そこにいた。
「あっ、あんた、八年前の夜に会った…!」
アベルが驚きの声をあげた。
美しい男が、意味深な笑みを浮かべている。
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