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Ⅷ VS色欲アスモデウス

45-1話 『死神』ロロナ (アリス視点)

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*注意*
Ⅷ章 VS色欲アスモデウス
は途中まで2つの視点で描かれます。
アリスパートと???パートは話数で同じ時間軸となります。
1がアリスパート
2が???パートです。

それでは、本編へどうぞ。

─────────────

レオスタンを旅立って数日、私達は順調に進んでいた。
出てくるモンスターも強くない為か皆楽に倒している。
レオーナも中々筋が良く流石は獅子王閣下の娘だと思う。
魔法は使えないらしいのだが剣さばきは流石の物だ。

「アリス様、アリア様、レオーナ様、お下がり下さいませ。」

ロロナがそう言って私達の前に立つと大鎌を取り出した。
黒い柄に赤い刃がギラリと妖しく輝く。
ロロナの武器『血濡レノ大鎌ブラッディサイズ』だ。
『死神の鎌』と言われる曰く付きの武器だ。

「上玉が4人も揃ってやがるぜ。」

岩影から現れたのはぞろぞろとざっと40人程の男達。
身なりからして盗賊だろう。

「執行者No.0『死神』ロロナがお相手致します。
死にたい方からどうぞ。」

ロロナが言った。
私達は完全に囲まれている。
端から見れば絶体絶命のピンチに見えるだろう。
だが、そんな中ロロナは不敵に笑みを浮かべている。

「何笑ってやがる。野郎共!お望み通りやっちまえ!殺すなよ!こいつらは高く売れるぜ!」

頭であろう男が言うと40人が一斉にロロナ向けて攻撃を仕掛けてくる。

「《毒ノ瘴気》」

ロロナが呟いて鎌を一振り振り回すとそこから瘴気が辺りを包む。
そして、それと共にロロナの姿が見えなくなる。
これがロロナの得意技だ。

「《血吸イノ大鎌》」

ロロナが呟くと大鎌の刃が紅く輝く。
その鎌で1度に6人の盗賊を切ると盗賊から流れた血が鎌に吸い込まれた。

「《瘴気侵食》」

ロロナが呟くと瘴気を吸い込んだ男達が次々と倒れて行く。
毒ノ瘴気はそこまで強い毒では無いため吸い込んでも普通に闘える。
しかし、その瘴気を大量に吸い込んだらアウトだ。
侵食瘴気により内部から食い荒らされる。
ロロナの得意技は瘴気により身を隠し、瘴気によりじわじわと、しかし確実に死に至らしめる。
死神の二つ名に相応しいと思う。

「《瘴気吸収》」

ロロナが呟くと瘴気が鎌に吸い込まれた。
そして、それと共にロロナの体力は完全に回復する。
ダメージは食らって居なかったから意味ないけど・・・

周りには倒れた男達39人とロロナと向かい合い対峙する頭の男ただ1人。

「あら、まだ生きていましたか。」

ロロナがそう言うのと同時に眼にも見えない速度で男の後方に回り込んで首に鎌を当てる。

「相手が悪かったですね。死神相手に勝てるとでも?」

ロロナはそう言うと男の答えを聞く前に、男が口を開きかけたその瞬間に首を切り落とした。

「チェックメイト。地獄で安らかにお眠りなさい。
・・・安らかに眠れれば、だけど。」

ロロナはそう言って鎌を仕舞うと私達の元へ戻って来た。

「お待たせ致しました。」

「相変わらずの強さ見たいね。」

「お嬢様をお守りするのも私の務めですので。
この位造作もありません。」

ロロナはそう言ってペコリとお辞儀をした。
私達はその場を後にして更に先へと進むのだった。
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