上 下
4 / 18
1 異世界転生(リスタート)

4.幼女は両親の教えと共に。

しおりを挟む
先生と出会ってから早1年。
私は5歳になった。
先生との魔法の他に私はお父様から剣を習っている。
そして、今日からはお母様からも習い事だ。

「それじゃあいつも通りまずは魔法の練習だよ。」

先生に言われた通り毎日使役詠唱の練習とルーンの練習だ。

「《ヒメの名の元に命じる。炎よ集まり全てを穿つ槍となれ!ファイアランス!》」

私が唱えると炎の槍が出来る。

「《水よ、穿て。ウォーターランス。》」

先生が圧縮詠唱で魔法を発動させると私の魔法とぶつける。
魔法で壊さない様に先生が私の魔法を消し去れる魔法で消し去るのが今の特訓になっている。

「次はルーンだよ。」

「《FIA炎よ.PIS穿て.RNS槍となり.RPD神速で。ファイアランス!》」

私が文字を指で描きながらその文字に合った詠唱を行う。
これがルーン魔法だ。
私が作り出したファイアランスを先生がウォーターランスで消し去る。

「うん、いい感じだね。
それじゃあ、もう少し練習しようか。」

私は先生と魔法の練習をして午前中を過ごす。

─────────────

午後になると今度はお父様から剣を習う。
と言っても女の子だからと習うのはたったの2時間だけだ。

「ほら、もっと踏み込んでごらん。」

お父様に言われた通り強く踏み込んで木剣でお父様の大剣に剣を打ち込む。

「そうだ。一ヶ所じゃなく色々な場所を攻めるんだ。」

お父様は私の剣を軽く受け止めながら少しずつ後ろに下がりながら言った。

「うぅ、お父様には勝てないです。」

「はっはっはっ、まだまだ娘には負けないよ。」

お父様が微笑んで言った。
うーん、でも勝ちたいよなぁ。
そうだ、ルーンを武器に使えないかな?
そうすれば木の剣でもお父様に勝てるかも?

「《RPD》」

私が指で文字を剣に書いてみる。
すると、オレンジ色の文字が武器に焼き付いた。
これは?

「ていっ!」

私が踏み込むと先程の倍以上の速度が出た。
私が刻んだルーンは速度上昇だからか。

「なっ!?」

お父様も驚いて咄嗟に受け止める。
やはり、お父様の方が上手でそれでも簡単に受け止めてしまった。

「はっはっはっ、まさか魔法を使うとは。
でも、そうやって意表を付くのは良い戦術だ。
ただ、同じ戦術は同じ相手に通じづらい。
意表を付いてもそれをかわされたりすると自分がピンチになる事もあるから気を付けるんだよ。」

お父様がそう言って微笑む。

「今日はここまでだ。お疲れ様。」

お父様はそうやって私の木剣を預かると私の頭を撫でてから部屋へと戻っていった。
そして、それと入れ違いにお母様が大きな鎌を持って来た。

「剣の稽古は終わった?
そしたら次は私とリーパーの練習ね。」

そう言って私に渡してきたのは私の身長と変わらない位の鎌だ。

「見ててね?《毒の瘴気》」

そう言ってお母様が鎌を振ると鎌から瘴気が出てきて辺りに充満する。

「リーパーはこの瘴気を使って戦うのよ。
様々なデバフを与える瘴気で敵を弱らせて戦うの。
瘴気の中では敵は弱り、自分は強くなるわ。
リーパーのクラスが無いと大鎌を使っても瘴気は使えないけれどね。」

そう言って指を鳴らすと瘴気が消えていく。

「私が教えるのはこの大鎌を使った戦闘よ。
剣と違って重いし大きいから振り回すのも大変だけど鎌は剣と違って切れる場所も決まっているから剣よりも振り回す必要があるわ。
それじゃあ、練習しましょう。」

そう言ってお母様が鎌をくるくると回して見せる。
まるでチアリーディングのバトンの様にくるくると回す。
お母様の鎌は私のより大きいし凄く重そうだが簡単に回せるなんて凄いなぁ。

その後私はお母様と鎌を交えそれと一緒に格闘術も習った。
蹴りや殴りも鎌の苦手な懐に入られた時に使える有用な戦闘手段らしい。
鎌はその性質上懐に入られると弱い。
それをカバーする為に魔法や格闘術を使うのだとか。
回し蹴りやかかと落とし、裏拳等様々な格闘術をお母様から習った。
お母様が繰り出す格闘術は踊っているかの様に美しく、お母様は格闘家なのかと疑うほどキレがあった。
あれでメイン武器は鎌で格闘術は緊急用だと言うのだから恐ろしい。
そうして私は10歳になるまで魔法や剣、鎌、格闘を習った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ

雑木林
ファンタジー
 現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。  第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。  この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。  そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。  畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。  斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

処理中です...