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本編
学園生活は嫌な予感がする件。
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ーーーユーリスがシーヴァー家に来てから約4年が過ぎた
ソフィアは最近よく違和感を感じるようになった。それは朝起きてると腰の辺りに激痛が走るのだ。違和感はソレだけではなく何故だか痒くもないのだが虫に刺されたような赤い跡が無数についているのだ。その跡は消えることがなく薄くなるとまた濃く赤くなるのだ。ただソフィアはそんな事は気にしていられない。
(なんで毎朝こんなに腰が痛いの!歳なの?私まだピチピチのお姉様のはずなのに、というかそんなことより!いよいよね…今日から学園で生活!学園でもしっかり悪役令嬢を演じないと、でもヒロインは後輩ってことだからヒロインが来るまではユーリス様にきちんと嫌われなくては!)
『ゲーム内での『シンデレラ・学園』攻略対象
■ツンデレ×毒舌のヒロインと同い年のテオール・ルフティル
■小悪魔×ドSのヒロインの1つ上のロイ・ギーネス
■ヤンデレ×腹黒のヒロインの1つ上のユーリス・シーヴァー』
(そういえば他の攻略対象にも嫌われなくてはいけないのよね、イケメンたちに嫌われるなんて、ユーリス様を虐めるくらい心が痛いわ…)
「お嬢様、準備が完了致しました。」
「あ、すぐ行くわ!」
馬車の中では既にユーリスがいた。ユーリスはソフィアが乗ると
「お姉様!おはよう御座います。」
と嬉しそうに微笑むのだ。
最近のユーリスはどうも様子がおかしい。なぜか機嫌がいいのだ。虐められている最中もずっとにやけていてソフィアを嫌っている様子が全くと言うほど伺えない。
「お、おはよう…朝から貴方の顔なんか見てると吐き気がするわ!」
と暴言を吐いても全く嫌そうな顔をしないのだ。
(私どこか間違えた?いやでもたまに叩いたりしたら泣きそうになるしそんな事ないわよね?心のどこかでは憎く思っているわよね?きっと私の機嫌を取ろうとしているのよね!ユーリス様優秀だもの!)
そんな事を考えているうちに馬車は発車していた。斜め前に座っているユーリスの横顔は日に照らされて蜂蜜色の髪は輝きを増していて本当に美しかった。昔から美しかったのだが最近では更に色気を増し身長はあっという間にソフィアを越していた。
「あ!姉様、背中のリボンが解けそうです。」
「え?嘘、ん、届かないわ…」
「良ければ僕が結びましょうか?」
「え…あぁお願い」
ユーリスはソフィアの横に座りピタりと密着するように座った。
(リボンを結ぶだけなのにこんなにくっつく必要あるの?近すぎて緊張しちゃうわ…)
なんてドキドキしているとふと
ーチュッ
と首筋に生暖かい物が押し付けられた。それがユーリスの唇と気づくのにそう長くは掛からなかった。
「・・ふぁッ!?」
ソフィアはビクビクっと背筋が震えた。
「な、何するのよ!」
「すみません、この馬車が揺れるのでつい…姉様こそ首筋に口が当たっただけで何を驚いているのですか?」
とユーリスはからかうようにくすくす笑った。ソフィアは耳まで真っ赤に染めプルプルと羞恥に耐えていた。
「な!こ、これから気をつけなさいよね!次こんな無礼があったら許しませんよ!」
「申し訳ございません」
(もう最近余計カッコよくなって来たんだからやめてよ!ユーリス様かっこよすぎて変な声出ちゃうじゃない、というかユーリス様やっぱり私の事嫌ってないわよね?いいのかしら、ダメよね!もっと冷たくしないと!悪役令嬢ソフィアもっと頑張るのよ!)
ーー数十分がソフィアにはとても長く感じた。
ーギギィ
と馬車の扉が開く。そこにはゲームと全く一緒の大きく白いお城のような学園があった。
(きゃぁぁ!!ゲーム通りね!なんて素敵な学園なの!はっ!今のうちから攻略対象に嫌われましょう!)
「ユーリス!ちょっと先に行くわね!」
「ちょっ、お姉様!?」
「あのシーヴァー様ですか?」
「え、貴方様が!」
「なんて美しいの!」
ユーリスはソフィアの事を追いかけようとしたが他の令嬢達に捕まってしまった。
ーー校内
入ったはいいもののどこにいるのかしら、とりあえず今はロイ様を探さなくては!
ードンッ ビシャッ
「・・きゃっ!ちょっとどこみて、」
ソフィアに冷たい何かがかかると同時にぶつかってきた小柄な少年を見た。そこにはキャラメルのような茶髪でうるうるとした黄金の瞳があった。
(これって、ロイ様!なんて可愛いの!私よりは背が高いけどめっちゃ可愛い!この可愛さは反則!このぬいぐるみなに!兎?なの?ユーリス様には負けるけどイケメンだわ!)
「あわわっ、ご、ごめんね?服汚れちゃったね…」
「え、ァァこちらこそ先輩相手にすみません…服は気にしなくて大丈夫ですので!」
「いや、でもその…えっとなんていうか・・」
少し頬を紅く染めチラチラとロイはソフィアのブラウスを指差した。
ソフィアは下を向くと自分も顔を紅くした。
(え、あぁ!ブラが透けてる、だからなのね!いうかみんなに見られるじゃない、どうしましょ・・)
「ちょっとこっち!」
ロイはソフィアを抱えた。ソフィアは慌ててロイの背中に手を回した。
ーーーこの様子をユーリスに見られてるとも知らずに。
ソフィアは最近よく違和感を感じるようになった。それは朝起きてると腰の辺りに激痛が走るのだ。違和感はソレだけではなく何故だか痒くもないのだが虫に刺されたような赤い跡が無数についているのだ。その跡は消えることがなく薄くなるとまた濃く赤くなるのだ。ただソフィアはそんな事は気にしていられない。
(なんで毎朝こんなに腰が痛いの!歳なの?私まだピチピチのお姉様のはずなのに、というかそんなことより!いよいよね…今日から学園で生活!学園でもしっかり悪役令嬢を演じないと、でもヒロインは後輩ってことだからヒロインが来るまではユーリス様にきちんと嫌われなくては!)
『ゲーム内での『シンデレラ・学園』攻略対象
■ツンデレ×毒舌のヒロインと同い年のテオール・ルフティル
■小悪魔×ドSのヒロインの1つ上のロイ・ギーネス
■ヤンデレ×腹黒のヒロインの1つ上のユーリス・シーヴァー』
(そういえば他の攻略対象にも嫌われなくてはいけないのよね、イケメンたちに嫌われるなんて、ユーリス様を虐めるくらい心が痛いわ…)
「お嬢様、準備が完了致しました。」
「あ、すぐ行くわ!」
馬車の中では既にユーリスがいた。ユーリスはソフィアが乗ると
「お姉様!おはよう御座います。」
と嬉しそうに微笑むのだ。
最近のユーリスはどうも様子がおかしい。なぜか機嫌がいいのだ。虐められている最中もずっとにやけていてソフィアを嫌っている様子が全くと言うほど伺えない。
「お、おはよう…朝から貴方の顔なんか見てると吐き気がするわ!」
と暴言を吐いても全く嫌そうな顔をしないのだ。
(私どこか間違えた?いやでもたまに叩いたりしたら泣きそうになるしそんな事ないわよね?心のどこかでは憎く思っているわよね?きっと私の機嫌を取ろうとしているのよね!ユーリス様優秀だもの!)
そんな事を考えているうちに馬車は発車していた。斜め前に座っているユーリスの横顔は日に照らされて蜂蜜色の髪は輝きを増していて本当に美しかった。昔から美しかったのだが最近では更に色気を増し身長はあっという間にソフィアを越していた。
「あ!姉様、背中のリボンが解けそうです。」
「え?嘘、ん、届かないわ…」
「良ければ僕が結びましょうか?」
「え…あぁお願い」
ユーリスはソフィアの横に座りピタりと密着するように座った。
(リボンを結ぶだけなのにこんなにくっつく必要あるの?近すぎて緊張しちゃうわ…)
なんてドキドキしているとふと
ーチュッ
と首筋に生暖かい物が押し付けられた。それがユーリスの唇と気づくのにそう長くは掛からなかった。
「・・ふぁッ!?」
ソフィアはビクビクっと背筋が震えた。
「な、何するのよ!」
「すみません、この馬車が揺れるのでつい…姉様こそ首筋に口が当たっただけで何を驚いているのですか?」
とユーリスはからかうようにくすくす笑った。ソフィアは耳まで真っ赤に染めプルプルと羞恥に耐えていた。
「な!こ、これから気をつけなさいよね!次こんな無礼があったら許しませんよ!」
「申し訳ございません」
(もう最近余計カッコよくなって来たんだからやめてよ!ユーリス様かっこよすぎて変な声出ちゃうじゃない、というかユーリス様やっぱり私の事嫌ってないわよね?いいのかしら、ダメよね!もっと冷たくしないと!悪役令嬢ソフィアもっと頑張るのよ!)
ーー数十分がソフィアにはとても長く感じた。
ーギギィ
と馬車の扉が開く。そこにはゲームと全く一緒の大きく白いお城のような学園があった。
(きゃぁぁ!!ゲーム通りね!なんて素敵な学園なの!はっ!今のうちから攻略対象に嫌われましょう!)
「ユーリス!ちょっと先に行くわね!」
「ちょっ、お姉様!?」
「あのシーヴァー様ですか?」
「え、貴方様が!」
「なんて美しいの!」
ユーリスはソフィアの事を追いかけようとしたが他の令嬢達に捕まってしまった。
ーー校内
入ったはいいもののどこにいるのかしら、とりあえず今はロイ様を探さなくては!
ードンッ ビシャッ
「・・きゃっ!ちょっとどこみて、」
ソフィアに冷たい何かがかかると同時にぶつかってきた小柄な少年を見た。そこにはキャラメルのような茶髪でうるうるとした黄金の瞳があった。
(これって、ロイ様!なんて可愛いの!私よりは背が高いけどめっちゃ可愛い!この可愛さは反則!このぬいぐるみなに!兎?なの?ユーリス様には負けるけどイケメンだわ!)
「あわわっ、ご、ごめんね?服汚れちゃったね…」
「え、ァァこちらこそ先輩相手にすみません…服は気にしなくて大丈夫ですので!」
「いや、でもその…えっとなんていうか・・」
少し頬を紅く染めチラチラとロイはソフィアのブラウスを指差した。
ソフィアは下を向くと自分も顔を紅くした。
(え、あぁ!ブラが透けてる、だからなのね!いうかみんなに見られるじゃない、どうしましょ・・)
「ちょっとこっち!」
ロイはソフィアを抱えた。ソフィアは慌ててロイの背中に手を回した。
ーーーこの様子をユーリスに見られてるとも知らずに。
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