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トップ魔道士は転生オジサンのパーティーに加わりました/テーマ:旅は道連れ
2 トップ魔道士は転生オジサンのパーティーに加わりました
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「スライムはやっぱり弱いな。て、何でお前はヘバッてんだ」
森全体に修正魔法をかけるだけでもかなりの魔力を消耗するというのに、スライムを転移までさせたのですから疲れて当然です。
文句の一つでも言ってやりたいところですが、久しぶりにこれだけの魔力を一気に消耗したことでそんな元気は残っていません。
スライムを倒して今度は何をするかと思えば、隣の国に行って仲間を新たに一人加えるなんていい出しました。
誰がオジサンなんかのパーティーに入りたがるのかなんて思っていたら、国について直ぐに仲間が加わりました。
何故でしょう。
「あの、レフリ様ですよね。ご一緒できるなんて光栄です!」
「はは、原因は私でしたか」
この世界には国が三つあり、その国一つ一つに優秀な魔道士のトップが存在する。
その一つの国の魔道士が私であり、この国にも優秀な魔道士がいる。
それが、今仲間に入ったこの女性、テレマ。
テレマは三国の魔道士の中でも一番下の魔道士、そんなテレマが私を慕うのは当然のこと。
なんといっても私は、この三国の魔道士の中のトップですから。
それがこんなオジサンとパーティーを組む事になった挙句、同じ魔道士が仲間に加わるなど悪夢でしかない。
「次は最後の国の魔道士だな」
「だな。じゃないですわ! オジサンは三国の魔道士をパーティーに加えるつもりですか!!」
「そうだなー。それもいいかもな」
このオジサン、いっそのこと始末した方が安全なんじゃないかと思えてきますね。
私達三国の魔道士は、国の平穏が脅かされそうになったときにその力をふるうのです。
それが、オジサンの後処理で修正魔法なんかに使ってしまうなんて。
このオジサンが危険だと判断したら対処するつもりでしたが、今のところ国へ害を及ぼそうとしているようには見えません。
それに、テレマが加わった今、最後の一人リーレもいてくれれば心強い。
三人のトップがいれば、何かあっても直ぐに対処できるというもの。
「では、この国で今日は休んで明日出立するとしましょうか」
「なんだ、さっきまでと違って随分乗り気だな」
「私はレフリ様が行かれるところならどこまででもお供致します」
テレマとはあまり話す機会がありませんでしたが、何だか私を見る目が輝いているというよりハートなのは気のせいでしょうか。
いや、気のせいでなくては困りますね。
その日は宿に泊まり、翌日はまたも私の転移魔法を使用しました。
この国に来る際も転移魔法を使いましたが、このオジサンは私をこき使い過ぎじゃないですか。
そんなホイホイと魔法は安売りできないというのに。
テレマが「それくらいなら私が」と言ってくれましたが、やはり魔道士のトップである私がやらねばかっこがつきませんからね。
こうしてやってきた最後の国。
私はオジサンをリーレの元へ案内しました。
「おー、珍しい客だな!」
「リーレ、少し話があります。テレマも」
オジサンを一人残し、私は全てを二人に話しました。
「なるほどな。そういうことなら私もパーティーに加わろうじゃねーか」
「そうとは知らずに申し訳ありません。あの男性の力にも気づけないなんて……」
「気にしないでください。私もあのオジサンに捕まって偶然知ったようなものですから」
一通りの話を済ませ待たせていたオジサンの元へ戻ると、リーレもパーティーに加わることを伝えました。
ですが問題はこの後です。
一体今度は何をするつもりなのか。
三国全て回ってしまい、そのトップ魔道士を三人パーティーに加えた今、次にこのオジサンがすることなど見当がつきません。
また面倒な事を言い出さなければいいのですが。
なんて思っていた私の願いは打ち砕かれました。
事もあろうに魔王を倒すなんて言い出すんですから。
確かに数百年前に魔王はいましたが、私達魔道士が封印したので今は深い眠りについてます。
もしその魔王を眠りから覚ますなんてことになれば、数百年前の悲劇がまた起きてしまう。
封印される前の魔王は、三国全ての国を滅ぼしかけたのですから。
ギリギリのところでようやく封印でき、数百年の間平和が続いているというのに、これは流石に私達国のトップの魔道士は黙って入られません。
森全体に修正魔法をかけるだけでもかなりの魔力を消耗するというのに、スライムを転移までさせたのですから疲れて当然です。
文句の一つでも言ってやりたいところですが、久しぶりにこれだけの魔力を一気に消耗したことでそんな元気は残っていません。
スライムを倒して今度は何をするかと思えば、隣の国に行って仲間を新たに一人加えるなんていい出しました。
誰がオジサンなんかのパーティーに入りたがるのかなんて思っていたら、国について直ぐに仲間が加わりました。
何故でしょう。
「あの、レフリ様ですよね。ご一緒できるなんて光栄です!」
「はは、原因は私でしたか」
この世界には国が三つあり、その国一つ一つに優秀な魔道士のトップが存在する。
その一つの国の魔道士が私であり、この国にも優秀な魔道士がいる。
それが、今仲間に入ったこの女性、テレマ。
テレマは三国の魔道士の中でも一番下の魔道士、そんなテレマが私を慕うのは当然のこと。
なんといっても私は、この三国の魔道士の中のトップですから。
それがこんなオジサンとパーティーを組む事になった挙句、同じ魔道士が仲間に加わるなど悪夢でしかない。
「次は最後の国の魔道士だな」
「だな。じゃないですわ! オジサンは三国の魔道士をパーティーに加えるつもりですか!!」
「そうだなー。それもいいかもな」
このオジサン、いっそのこと始末した方が安全なんじゃないかと思えてきますね。
私達三国の魔道士は、国の平穏が脅かされそうになったときにその力をふるうのです。
それが、オジサンの後処理で修正魔法なんかに使ってしまうなんて。
このオジサンが危険だと判断したら対処するつもりでしたが、今のところ国へ害を及ぼそうとしているようには見えません。
それに、テレマが加わった今、最後の一人リーレもいてくれれば心強い。
三人のトップがいれば、何かあっても直ぐに対処できるというもの。
「では、この国で今日は休んで明日出立するとしましょうか」
「なんだ、さっきまでと違って随分乗り気だな」
「私はレフリ様が行かれるところならどこまででもお供致します」
テレマとはあまり話す機会がありませんでしたが、何だか私を見る目が輝いているというよりハートなのは気のせいでしょうか。
いや、気のせいでなくては困りますね。
その日は宿に泊まり、翌日はまたも私の転移魔法を使用しました。
この国に来る際も転移魔法を使いましたが、このオジサンは私をこき使い過ぎじゃないですか。
そんなホイホイと魔法は安売りできないというのに。
テレマが「それくらいなら私が」と言ってくれましたが、やはり魔道士のトップである私がやらねばかっこがつきませんからね。
こうしてやってきた最後の国。
私はオジサンをリーレの元へ案内しました。
「おー、珍しい客だな!」
「リーレ、少し話があります。テレマも」
オジサンを一人残し、私は全てを二人に話しました。
「なるほどな。そういうことなら私もパーティーに加わろうじゃねーか」
「そうとは知らずに申し訳ありません。あの男性の力にも気づけないなんて……」
「気にしないでください。私もあのオジサンに捕まって偶然知ったようなものですから」
一通りの話を済ませ待たせていたオジサンの元へ戻ると、リーレもパーティーに加わることを伝えました。
ですが問題はこの後です。
一体今度は何をするつもりなのか。
三国全て回ってしまい、そのトップ魔道士を三人パーティーに加えた今、次にこのオジサンがすることなど見当がつきません。
また面倒な事を言い出さなければいいのですが。
なんて思っていた私の願いは打ち砕かれました。
事もあろうに魔王を倒すなんて言い出すんですから。
確かに数百年前に魔王はいましたが、私達魔道士が封印したので今は深い眠りについてます。
もしその魔王を眠りから覚ますなんてことになれば、数百年前の悲劇がまた起きてしまう。
封印される前の魔王は、三国全ての国を滅ぼしかけたのですから。
ギリギリのところでようやく封印でき、数百年の間平和が続いているというのに、これは流石に私達国のトップの魔道士は黙って入られません。
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