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シンデレラ物語
2 シンデレラ物語
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「あの、貴方様は何故お城に?」
今日は王子の妃を探すための舞踏会。
集められたのは女性だけ。
なら、何故この男性はいるのだろうかとルルファは不思議に思った。
その疑問に男性は、自分の妹の付き添いであることを話す。
話によると男性は、こことは違う国で暮らしているらしいのだが、妹がこの国の王子に一目惚れをしたらしい。
そんな会話をしていると、突然周りがざわつきだす。
どうしたのだろうかと視線を向けると、目の前には王子の姿。
「よければ踊っていただけませんか」
王子は、動揺が隠しきれないルルファの手を掴むと、音楽に合わせて踊る。
何故自分はこんなことになっているのだろうかと混乱の中踊っていると、ルルファの視界に時計が入る。
時刻は0時になろうとしており、妖精が最後に言っていた言葉を思い出す。
自分にかけられている魔法は、0時に解けてしまうことを。
ルルファは王子の引き止める言葉も聞かず慌ててお城から去るが、その途中でガラスの靴を落としてしまった。
あの場で魔法が解ければ、ルルファは薄汚い娘。
靴が脱げたことなど気にしてはいられなかった。
外に止めていたかぼちゃの馬車で家へと戻ったルルファは魔法が解け、また姉達にこき使われる日々を過ごす。
だがそんなある日、お城の人が街へとやってきて、ガラスの靴の持ち主を探し始めた。
なんでも、王子はその女性に一目惚れしたらしく、名前も知らないその女性を探しているそうだ。
ルルファは自分が履いていたものだと気づいたが、掃除を続ける。
今の自分は薄汚い娘。
あの時の女が私の様な者だと知ったら、きっと王子はガッカリされるに違いないと思っていたルルファだったが、城からの使いの人が家にまでやってきて靴を履くように言ってきた。
姉達は3人とも合わず、最後にルルファがガラスの靴に足を入れる。
勿論サイズはピッタリ。
そのまま城へと連れて行かれ、王子と対面するルルファだったが、顔を上げることができない。
こんな姿の自分を見てガッカリするところなど見たくはないからだ。
だが、王子の反応は違った。
ルルファの身なりなどは全く気にする様子もなく、ガッカリどころか喜んでいる。
「君を探していたんだ。また会えて嬉しいよ。是非君に、私の妃となってもらいたい」
王子の言葉と同時に勢い良く扉が開かれると、キレイな女性が入ってくる。
何やら怒っているようだ。
凄い剣幕で王子に怒りをぶつける女性。
会話を聞いたところ、女性は別の国の姫らしく、何故妃が自分ではないのか納得がいかないようだ。
姫の後に続いてまたも別の人物がやってきたかと思えば、その人は舞踏会が開かれたあの夜、ルルファが会った男性だった。
どうやらあの時話していた妹というのは、現在怒り爆発中の姫のことのようだ。
まさかあの男性が燐国の王子だったことに驚いたルルファだが、今は目の前の王子のことだ。
「すまないが、私の妃になるのはそちらの女性と決めたんだ」
その言葉で燐国の姫はルルファをキッと睨みつけると「こんなみすぼらしい娘のどこがいいのですか」と更に納得いかない様子。
だが無理もない。
ルルファ自身も、何故自分なのかと思っているのだから。
「折角のお言葉ですが、私は妃になるつもりはありません。私のような女より、もっと素敵な方がいるはずです」
ニコリと微笑むと、ルルファは城を出た。
王子の言葉は正直嬉しかったが、自分なんかではと思うのと同時に、ルルファは王子に対して恋心はなかった。
今日は王子の妃を探すための舞踏会。
集められたのは女性だけ。
なら、何故この男性はいるのだろうかとルルファは不思議に思った。
その疑問に男性は、自分の妹の付き添いであることを話す。
話によると男性は、こことは違う国で暮らしているらしいのだが、妹がこの国の王子に一目惚れをしたらしい。
そんな会話をしていると、突然周りがざわつきだす。
どうしたのだろうかと視線を向けると、目の前には王子の姿。
「よければ踊っていただけませんか」
王子は、動揺が隠しきれないルルファの手を掴むと、音楽に合わせて踊る。
何故自分はこんなことになっているのだろうかと混乱の中踊っていると、ルルファの視界に時計が入る。
時刻は0時になろうとしており、妖精が最後に言っていた言葉を思い出す。
自分にかけられている魔法は、0時に解けてしまうことを。
ルルファは王子の引き止める言葉も聞かず慌ててお城から去るが、その途中でガラスの靴を落としてしまった。
あの場で魔法が解ければ、ルルファは薄汚い娘。
靴が脱げたことなど気にしてはいられなかった。
外に止めていたかぼちゃの馬車で家へと戻ったルルファは魔法が解け、また姉達にこき使われる日々を過ごす。
だがそんなある日、お城の人が街へとやってきて、ガラスの靴の持ち主を探し始めた。
なんでも、王子はその女性に一目惚れしたらしく、名前も知らないその女性を探しているそうだ。
ルルファは自分が履いていたものだと気づいたが、掃除を続ける。
今の自分は薄汚い娘。
あの時の女が私の様な者だと知ったら、きっと王子はガッカリされるに違いないと思っていたルルファだったが、城からの使いの人が家にまでやってきて靴を履くように言ってきた。
姉達は3人とも合わず、最後にルルファがガラスの靴に足を入れる。
勿論サイズはピッタリ。
そのまま城へと連れて行かれ、王子と対面するルルファだったが、顔を上げることができない。
こんな姿の自分を見てガッカリするところなど見たくはないからだ。
だが、王子の反応は違った。
ルルファの身なりなどは全く気にする様子もなく、ガッカリどころか喜んでいる。
「君を探していたんだ。また会えて嬉しいよ。是非君に、私の妃となってもらいたい」
王子の言葉と同時に勢い良く扉が開かれると、キレイな女性が入ってくる。
何やら怒っているようだ。
凄い剣幕で王子に怒りをぶつける女性。
会話を聞いたところ、女性は別の国の姫らしく、何故妃が自分ではないのか納得がいかないようだ。
姫の後に続いてまたも別の人物がやってきたかと思えば、その人は舞踏会が開かれたあの夜、ルルファが会った男性だった。
どうやらあの時話していた妹というのは、現在怒り爆発中の姫のことのようだ。
まさかあの男性が燐国の王子だったことに驚いたルルファだが、今は目の前の王子のことだ。
「すまないが、私の妃になるのはそちらの女性と決めたんだ」
その言葉で燐国の姫はルルファをキッと睨みつけると「こんなみすぼらしい娘のどこがいいのですか」と更に納得いかない様子。
だが無理もない。
ルルファ自身も、何故自分なのかと思っているのだから。
「折角のお言葉ですが、私は妃になるつもりはありません。私のような女より、もっと素敵な方がいるはずです」
ニコリと微笑むと、ルルファは城を出た。
王子の言葉は正直嬉しかったが、自分なんかではと思うのと同時に、ルルファは王子に対して恋心はなかった。
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