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第十幕 快楽を忘れたくて
一 快楽を忘れたくて
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翌日になり目が覚めても、触れられた感触が消えることはなく、夢ではないのだと教えられる。
「おい」
「…………」
「おい!!」
「は、はいッ!!」
呼ばれていることに気づかず慌てて返事をすると、才蔵は心配そうに葉流を見詰める。
「どうした」
「え?」
「今日は朝からどこか上の空だが」
「何でもないんです。気にしないでください」
昨日のことが脳裏に浮かび頭から離れず、葉流の体は再び疼き出してしまう。
あんなことがあったというのに、体は熱を上げ、あの時の快楽が忘れられず、快楽を求め疼きが収まらない。
「それに、頬が赤いようだ」
「ッ……!」
突然頬に手を添えられ、ビクッと肩が跳ね上がる。
才蔵は心配してくれているというのに、触れられた頬が痺れていく感覚に体は我慢ができなくなってしまう。
「やはり、いつもと様子が違うようだな。何かあったのなら話してみろ」
心配してくれているというのに、部屋から出ないようにという皆の忠告を守らず、あんなことをされた挙げ句に快楽を求めてしまっているなんて話せるはずがない。
口を閉ざしたまま何も言わずにいると、才蔵は庭に出てみないかと声をかけてくれる。
これ以上心配かけないようにと頷くと、才蔵は葉流の肩にそっと羽織を掛け二人庭へと出た。
いつの間にか庭の木の葉は全て地面に落ち、もう冬になったのだと感じさせる。
「寒くはないか?」
「はい、大丈夫です」
庭を歩いていると、冬の訪れを感じさせることがまだあることに気づく。
風が冷たいことや、話す度に、二人の吐く息は白くなること、そんな些細な変化も冬を感じさせる。
「さっきよりはいい顔だ」
「え……?」
才蔵の漏れた言葉で、もしかしたら庭に連れ出してくれたのは、少しでも気分転換をさせる為だったんじゃないかと思うと自然と笑みが溢れ、昨日のことは忘れようと自分に言い聞かせ部屋へと戻る。
だがその途中、葉流は前から歩いてくる人物を見て足を止めた。
「織田 信長」
「お前は、霧隠 才蔵だったか?それと」
信長の視線が葉流へと向けられると、才蔵は葉流を庇うように前に立つ。
折角昨日のことは忘れようとしていたというのに、こんなタイミングで会ってしまい、葉流の脳裏には昨日のことが思い出され、振り払うように頭を振る。
「そう警戒するな。今は何もせん」
そう言い信長は、葉流と才蔵の横を通りすぎようとしたその時、去り際に葉流と目を合わせると、ニヤリと笑みを浮かべた。
昨日と同じ笑みを向けられ、葉流の体には再び甘い痺れが襲い、あの時のことを忘れさせてはくれない。
「部屋へ戻ろう」
「はい」
なるべくぎこちなくならないよう、いつものように返事を返す。
部屋に戻る間も、葉流の体は熱く火照り、快楽を求めずにはいられなくなるのを耐えていた。
そしてその日の夜、葉流の情報の入手先を突き止めるため、才蔵も葉流の部屋から離れることとなった。
「明日の朝までには戻る。部屋からは出ないようにしろ」
才蔵は、音もたてず風のように消えてしまい、葉流は部屋に一人となってしまった。
「葉流様」
久しぶりの一人の空間に寂しさを感じていると、襖越しに聞こえたのは、いつもの女中の声だった。
どうしたのだろうかと部屋に入ってもらおうとしたその時、襖越しでそのまま女中は話し始める。
「信長様の元へ行きたいのではありませんか?」
「ッ、そのようなことは……」
「その様に否定されても、体は快楽を求めてしまうはずです」
女中のいう通り、葉流の体はずっと快楽を求めていた。
体は熱く、誰かに触れてほしくて、信長を引き留めようとしていた昨日の夜からずっと、体の疼きは収まらない。
「もし快楽を味わいたいようでしたら、今からご入浴ください」
葉流は襖を開くと、行きますと返事をし、お風呂へと向かう。
脱衣所で身に纏っている物を全て脱ぐと、手拭いで前だけを隠しお風呂へと入る。
するとそこには、信長の姿があった。
「お前か、昨日の続きでもしてほしいのか?」
信長の言葉に反論できず、何も言わずに髪を洗い体を洗おうとしたその時、突然後ろから手が伸ばされると、手拭いを奪い取られてしまった。
「体を洗うなら、俺が拭き上げてやろう」
「じ、自分でできますから」
そんな制止など聞きもせず、信長は葉流の体を吹き上げていく。
布とはいえ、体に触れられるだけで声が出そうになり耐えていると、信長は葉流の前に回り込み、両手で両足を掴むと、そのまま外へと開いた。
「きゃッ!?」
「この方がよく見える」
足を閉じたいのにビクともせず、下に信長の視線が向けられているのを感じてしまう。
「蜜ですでにぐちょくちょなのがよく見えるぞ」
「イヤッ……見ないで!!」
「昨夜もあれだけでは足りず、我慢していたのだろう?」
「ち、違います」
「なら、このぐちょくちょな下はどう説明する?尻まで垂れ流したこの蜜を」
ニヤリと笑みを向けられ、何も言い返すことができずに顔を伏せてしまう。
「奥からまだ溢れ出てきているが、見られて感じているのか?」
口を噤んでいると、信長は顔を下へと近付け、秘部をペロリと舐め上げる。
体がビクリと跳ね上がり、信長は溢れ出る蜜を舌先で絡めとると、ぷっくりと膨らむ蕾に舌先で触れる。
「ぁッ……!」
「綺麗にしても溢れてくるな」
我慢していたせいもあり、昨日よりも敏感に感じてしまう体は、舐められているだけでは足りないと思ってしまう。
「今日はここまでだ」
「え……?」
突然離れ言われた言葉に、葉流の口から声が漏れてしまう。
「物足りなそうな顔だな。お前がどれだけ乱れるのか見てみたくなった。続きは他の誰かにしてもらうんだな」
それだけ言い残すと信長はお風呂から出ていってしまい、葉流は熱を上げ疼きが収まらない状態の体でなんとか自室へと戻る。
まだ部屋に才蔵の姿はなく、熱に浮かされた姿を見られなくてすんだことに安堵の息を吐く。
「おい」
「…………」
「おい!!」
「は、はいッ!!」
呼ばれていることに気づかず慌てて返事をすると、才蔵は心配そうに葉流を見詰める。
「どうした」
「え?」
「今日は朝からどこか上の空だが」
「何でもないんです。気にしないでください」
昨日のことが脳裏に浮かび頭から離れず、葉流の体は再び疼き出してしまう。
あんなことがあったというのに、体は熱を上げ、あの時の快楽が忘れられず、快楽を求め疼きが収まらない。
「それに、頬が赤いようだ」
「ッ……!」
突然頬に手を添えられ、ビクッと肩が跳ね上がる。
才蔵は心配してくれているというのに、触れられた頬が痺れていく感覚に体は我慢ができなくなってしまう。
「やはり、いつもと様子が違うようだな。何かあったのなら話してみろ」
心配してくれているというのに、部屋から出ないようにという皆の忠告を守らず、あんなことをされた挙げ句に快楽を求めてしまっているなんて話せるはずがない。
口を閉ざしたまま何も言わずにいると、才蔵は庭に出てみないかと声をかけてくれる。
これ以上心配かけないようにと頷くと、才蔵は葉流の肩にそっと羽織を掛け二人庭へと出た。
いつの間にか庭の木の葉は全て地面に落ち、もう冬になったのだと感じさせる。
「寒くはないか?」
「はい、大丈夫です」
庭を歩いていると、冬の訪れを感じさせることがまだあることに気づく。
風が冷たいことや、話す度に、二人の吐く息は白くなること、そんな些細な変化も冬を感じさせる。
「さっきよりはいい顔だ」
「え……?」
才蔵の漏れた言葉で、もしかしたら庭に連れ出してくれたのは、少しでも気分転換をさせる為だったんじゃないかと思うと自然と笑みが溢れ、昨日のことは忘れようと自分に言い聞かせ部屋へと戻る。
だがその途中、葉流は前から歩いてくる人物を見て足を止めた。
「織田 信長」
「お前は、霧隠 才蔵だったか?それと」
信長の視線が葉流へと向けられると、才蔵は葉流を庇うように前に立つ。
折角昨日のことは忘れようとしていたというのに、こんなタイミングで会ってしまい、葉流の脳裏には昨日のことが思い出され、振り払うように頭を振る。
「そう警戒するな。今は何もせん」
そう言い信長は、葉流と才蔵の横を通りすぎようとしたその時、去り際に葉流と目を合わせると、ニヤリと笑みを浮かべた。
昨日と同じ笑みを向けられ、葉流の体には再び甘い痺れが襲い、あの時のことを忘れさせてはくれない。
「部屋へ戻ろう」
「はい」
なるべくぎこちなくならないよう、いつものように返事を返す。
部屋に戻る間も、葉流の体は熱く火照り、快楽を求めずにはいられなくなるのを耐えていた。
そしてその日の夜、葉流の情報の入手先を突き止めるため、才蔵も葉流の部屋から離れることとなった。
「明日の朝までには戻る。部屋からは出ないようにしろ」
才蔵は、音もたてず風のように消えてしまい、葉流は部屋に一人となってしまった。
「葉流様」
久しぶりの一人の空間に寂しさを感じていると、襖越しに聞こえたのは、いつもの女中の声だった。
どうしたのだろうかと部屋に入ってもらおうとしたその時、襖越しでそのまま女中は話し始める。
「信長様の元へ行きたいのではありませんか?」
「ッ、そのようなことは……」
「その様に否定されても、体は快楽を求めてしまうはずです」
女中のいう通り、葉流の体はずっと快楽を求めていた。
体は熱く、誰かに触れてほしくて、信長を引き留めようとしていた昨日の夜からずっと、体の疼きは収まらない。
「もし快楽を味わいたいようでしたら、今からご入浴ください」
葉流は襖を開くと、行きますと返事をし、お風呂へと向かう。
脱衣所で身に纏っている物を全て脱ぐと、手拭いで前だけを隠しお風呂へと入る。
するとそこには、信長の姿があった。
「お前か、昨日の続きでもしてほしいのか?」
信長の言葉に反論できず、何も言わずに髪を洗い体を洗おうとしたその時、突然後ろから手が伸ばされると、手拭いを奪い取られてしまった。
「体を洗うなら、俺が拭き上げてやろう」
「じ、自分でできますから」
そんな制止など聞きもせず、信長は葉流の体を吹き上げていく。
布とはいえ、体に触れられるだけで声が出そうになり耐えていると、信長は葉流の前に回り込み、両手で両足を掴むと、そのまま外へと開いた。
「きゃッ!?」
「この方がよく見える」
足を閉じたいのにビクともせず、下に信長の視線が向けられているのを感じてしまう。
「蜜ですでにぐちょくちょなのがよく見えるぞ」
「イヤッ……見ないで!!」
「昨夜もあれだけでは足りず、我慢していたのだろう?」
「ち、違います」
「なら、このぐちょくちょな下はどう説明する?尻まで垂れ流したこの蜜を」
ニヤリと笑みを向けられ、何も言い返すことができずに顔を伏せてしまう。
「奥からまだ溢れ出てきているが、見られて感じているのか?」
口を噤んでいると、信長は顔を下へと近付け、秘部をペロリと舐め上げる。
体がビクリと跳ね上がり、信長は溢れ出る蜜を舌先で絡めとると、ぷっくりと膨らむ蕾に舌先で触れる。
「ぁッ……!」
「綺麗にしても溢れてくるな」
我慢していたせいもあり、昨日よりも敏感に感じてしまう体は、舐められているだけでは足りないと思ってしまう。
「今日はここまでだ」
「え……?」
突然離れ言われた言葉に、葉流の口から声が漏れてしまう。
「物足りなそうな顔だな。お前がどれだけ乱れるのか見てみたくなった。続きは他の誰かにしてもらうんだな」
それだけ言い残すと信長はお風呂から出ていってしまい、葉流は熱を上げ疼きが収まらない状態の体でなんとか自室へと戻る。
まだ部屋に才蔵の姿はなく、熱に浮かされた姿を見られなくてすんだことに安堵の息を吐く。
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