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第5章 二人の関係
2 二人の関係
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「悪いな煩くして」
「いや、別に……」
明らかになんか素っ気ない。
さっきまでの元気はどこいったんだよ。
なんか漫画は開いてるのに読み進める様子もないし。
「あのさ、俺とお前ってどんな関係だ?」
真剣な顔して何を聞いてきたかと思えば、どんな関係って何だよ。
二番は俺に何を言わせたいんだ。
兎に角正直に思ったまま答える。
「友達だろ」
そう、数週間前の外での会話や、こうして二人で漫画の話で盛り上がったり他愛ない会話をして。
これはもう友達。
なのに、俺の考えは間違いだったのか。
何故か二番が暗い。
まさか、友達とか勝手に思ってたのは俺だけだったりして。
それって凄く恥ずかしいやつじゃねーか。
「悪い! 俺一人で友達なんて思っててさ。二番はそんなつもり無かったよな」
明るい感じで言ってんのに、二番は黙ったまま。
この沈黙どうにかしてくれ。
まさかこれは宿題に付き合わなかった冬也の呪いなんじゃないかと思えてくる。
電話越しでも少しは手伝ったんだから今年くらい見逃せよ。
そんなことをぐるぐると考えていたら、二番が何かを口にした。
よく聞き取れずに聞き返すと「親友ってどうやったらなれるんだ」なんて、俺の考えとは全く違う言葉につい吹き出して笑ってしまう。
顔を真っ赤にして「何がおかしいんだよ」なんて言う二番だが、そりゃ笑うだろ。
真面目な見た目からは想像できない中身と口調。
一見怖い奴かと思えば本当は凄くいい奴で、夜には星を眺めたりする意外な一面もあって。
そんな奴にどうやったら親友になれるのかなんて聞かれたら、意外な一面騒ぎじゃない。
ギャップありすぎだろう。
「おい! いつまで笑ってるつもりだ」
「あははは!! 悪い悪い。親友になる方法だよな」
そう聞かれても返答に困るんだよな。
友達もそうだけど、気づいたらいつの間にかなってるもんだし。
「説明し辛いんだけどさ、友達とか親友って気付いたらなってるもんじゃないか?」
「確かに、漫画の中でもいつの間にか友達から親友に変わった奴がいたな」
二番も納得したところで昼飯の準備の時間だ。
朝飯は洗濯前に皆にパンを運んだが、昼飯は何にするべきか。
取り敢えず冷蔵庫の中を見てから決めようと、俺は二番と別れた後キッチンへ向う。
材料も昨日買ってきたのがあるし、昼は手抜きかもしんないが素麺に決めた。
先ずは麺を茹でようと鍋を探そうとしたとき、ひょっこりと顔を覗かせて「今日は素麺か」と声がして驚く。
まさか人がいたなんて思いもしなかったのもそうだが、なんで別れたはずの二番がいるんだよ。
「キッチンに何か用事か?」
「用事っつーか、何か手伝う事ねーかなと思ってさ」
一体どうしたんだ。
何か様子が可笑しい気がするけど、こっちは助かるからまあいいか。
これが五番なら土下座してでも追い返すけどな。
とりあえず二番に麺を茹でる大きな鍋はないか聞くと、戸棚から大きな鍋を出してくれた。
それに水まで入れて火をかけてくれる二番。
あとは沸騰したらそこに麺を入れるだけ。
しばらくしてグツグツと沸騰した鍋に素麺を入れようと手を伸ばすと、横から伸ばされた手が先に掴んで鍋の中へ入れてしまう。
結局俺は最後まで何もさせてもらえないまま、二番が作る形で完成してしまった。
「んじゃ、皆の部屋に届けるか」
そう言って台車で運ぼうとする二番に俺は待ったをかける。
作るのは全部やってもらったわけだからな、運ぶくらいは俺がするのは当然だ。
そもそも俺がやらなくてはいけない仕事なわけだし。
なのに「俺に任せとけって」なんて言って二番は行ってしまった。
その後も二番は、俺がやる仕事を先回りしてやったりして、俺がやることはすっかり無くなとてしまった。
やっぱり二番の様子が可笑しい。
なんでここまで俺の仕事を手伝うんだ。
まさか五番みたいに遊びたいからなんて理由じゃないだろうし。
もしかしたら、俺が持ってきた他の漫画を早く読みたいとかかもしれない。
それならそうと言ってくれれば、手伝いなんてしなくても貸すくらいできるのに。
今は夕飯を作った二番が皆の部屋に届けに行ってるし、今のうちに自室から漫画の数札をキッチンへと持ってくる。
今日は沢山手伝ってもらって助かったし、まだ俺も読んでない新刊も持ってきた。
この漫画、前に貸したときに気に入ってたからな。
先に読ませてやるくらいいいだろう、なんて思っていると、夕飯を届け終えた二番が戻ってきたんで数冊の漫画を差し出す。
「これ、漫画がか?」
「ああ、今日は助かったからその礼にな。この前貸した漫画の新刊も先に読ませてやるよ」
ニッと笑みを浮かべ差し出すと、二番は礼を言い受け取る。
でもその表情は嬉しい奴の顔じゃない。
「いや、別に……」
明らかになんか素っ気ない。
さっきまでの元気はどこいったんだよ。
なんか漫画は開いてるのに読み進める様子もないし。
「あのさ、俺とお前ってどんな関係だ?」
真剣な顔して何を聞いてきたかと思えば、どんな関係って何だよ。
二番は俺に何を言わせたいんだ。
兎に角正直に思ったまま答える。
「友達だろ」
そう、数週間前の外での会話や、こうして二人で漫画の話で盛り上がったり他愛ない会話をして。
これはもう友達。
なのに、俺の考えは間違いだったのか。
何故か二番が暗い。
まさか、友達とか勝手に思ってたのは俺だけだったりして。
それって凄く恥ずかしいやつじゃねーか。
「悪い! 俺一人で友達なんて思っててさ。二番はそんなつもり無かったよな」
明るい感じで言ってんのに、二番は黙ったまま。
この沈黙どうにかしてくれ。
まさかこれは宿題に付き合わなかった冬也の呪いなんじゃないかと思えてくる。
電話越しでも少しは手伝ったんだから今年くらい見逃せよ。
そんなことをぐるぐると考えていたら、二番が何かを口にした。
よく聞き取れずに聞き返すと「親友ってどうやったらなれるんだ」なんて、俺の考えとは全く違う言葉につい吹き出して笑ってしまう。
顔を真っ赤にして「何がおかしいんだよ」なんて言う二番だが、そりゃ笑うだろ。
真面目な見た目からは想像できない中身と口調。
一見怖い奴かと思えば本当は凄くいい奴で、夜には星を眺めたりする意外な一面もあって。
そんな奴にどうやったら親友になれるのかなんて聞かれたら、意外な一面騒ぎじゃない。
ギャップありすぎだろう。
「おい! いつまで笑ってるつもりだ」
「あははは!! 悪い悪い。親友になる方法だよな」
そう聞かれても返答に困るんだよな。
友達もそうだけど、気づいたらいつの間にかなってるもんだし。
「説明し辛いんだけどさ、友達とか親友って気付いたらなってるもんじゃないか?」
「確かに、漫画の中でもいつの間にか友達から親友に変わった奴がいたな」
二番も納得したところで昼飯の準備の時間だ。
朝飯は洗濯前に皆にパンを運んだが、昼飯は何にするべきか。
取り敢えず冷蔵庫の中を見てから決めようと、俺は二番と別れた後キッチンへ向う。
材料も昨日買ってきたのがあるし、昼は手抜きかもしんないが素麺に決めた。
先ずは麺を茹でようと鍋を探そうとしたとき、ひょっこりと顔を覗かせて「今日は素麺か」と声がして驚く。
まさか人がいたなんて思いもしなかったのもそうだが、なんで別れたはずの二番がいるんだよ。
「キッチンに何か用事か?」
「用事っつーか、何か手伝う事ねーかなと思ってさ」
一体どうしたんだ。
何か様子が可笑しい気がするけど、こっちは助かるからまあいいか。
これが五番なら土下座してでも追い返すけどな。
とりあえず二番に麺を茹でる大きな鍋はないか聞くと、戸棚から大きな鍋を出してくれた。
それに水まで入れて火をかけてくれる二番。
あとは沸騰したらそこに麺を入れるだけ。
しばらくしてグツグツと沸騰した鍋に素麺を入れようと手を伸ばすと、横から伸ばされた手が先に掴んで鍋の中へ入れてしまう。
結局俺は最後まで何もさせてもらえないまま、二番が作る形で完成してしまった。
「んじゃ、皆の部屋に届けるか」
そう言って台車で運ぼうとする二番に俺は待ったをかける。
作るのは全部やってもらったわけだからな、運ぶくらいは俺がするのは当然だ。
そもそも俺がやらなくてはいけない仕事なわけだし。
なのに「俺に任せとけって」なんて言って二番は行ってしまった。
その後も二番は、俺がやる仕事を先回りしてやったりして、俺がやることはすっかり無くなとてしまった。
やっぱり二番の様子が可笑しい。
なんでここまで俺の仕事を手伝うんだ。
まさか五番みたいに遊びたいからなんて理由じゃないだろうし。
もしかしたら、俺が持ってきた他の漫画を早く読みたいとかかもしれない。
それならそうと言ってくれれば、手伝いなんてしなくても貸すくらいできるのに。
今は夕飯を作った二番が皆の部屋に届けに行ってるし、今のうちに自室から漫画の数札をキッチンへと持ってくる。
今日は沢山手伝ってもらって助かったし、まだ俺も読んでない新刊も持ってきた。
この漫画、前に貸したときに気に入ってたからな。
先に読ませてやるくらいいいだろう、なんて思っていると、夕飯を届け終えた二番が戻ってきたんで数冊の漫画を差し出す。
「これ、漫画がか?」
「ああ、今日は助かったからその礼にな。この前貸した漫画の新刊も先に読ませてやるよ」
ニッと笑みを浮かべ差し出すと、二番は礼を言い受け取る。
でもその表情は嬉しい奴の顔じゃない。
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