嘘つきの子供

わかな

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少年と当たり前の幸せ

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ここで少し、私の幸せを話しておこう。
私は、遊ぶ事とペットのハムスターとある映画に出てくる黒猫の人形が好きだった。毎年クリスマスになると新しい黒猫のぬいぐるみを貰うほど好きだった。日本は物凄く平和だった。平和が当たり前だと思っていた。親に怒られることがあっても子供を正しい方向に育てるためだと分かっていたから怒られるのも、いい事だと思っていた。世界は平等に平和で誰もが愛されて生きていると思っていた。ある言葉がある。日本人が最初に教わるのはアイつまり愛である。この言葉を考えた人は今では愚かな人だと思う。聞き流せば素晴らしい言葉だが真面目に考えると愛ではなくアとイである。そりゃぁ最初にア行を習うのは当たり前だ。
 そもそも愛の定理とは?そう考え始めたのは私が大切なものを失った時だった。
 だいぶ話が逸れた・・・私は幸せだった。幼馴染と遊びペットの世話をして、温かいご飯と温かい家庭そんな事で幸せだった。無邪気な子供だった。これがあるべき世界だと思っていた。ずっと続くものだと思っていた。
 私は、親の作る食事が好きだった。親の作る食事が世界で1番美味しいと思っていた。そもそも、外食を好まない家族だったから外食はあまりしなかった。だから親の食事が美味しかった。
 私は遊ぶ事が好きだった。幼馴染と私が楽しく遊んで泥だらけで怪我をしても、親は楽しそうに笑っていたから。私が遊んでいると、親は嬉しいものだと思っていた。遊んでいると幼馴染も私も楽しかった。この時間は永遠に消えないと思っていた。


あの事さえ起こらなければ・・・
そろそろ飽きてきましたか?もう少し我慢して下さい。次のお話が終われば、私と道化の仮面の出会いが始まります。しばし、お待ちください。
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