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最終決戦①
しおりを挟む「スレイヤー第一本部の後ろ側にある森林から約30体もの災害獣がこちらに来ているのを確認致しましたわ!」
そのほたるの報告を聞いた途端、長官室に緊張が走る。
「現在の状態はどのような感じだ?」
長官である壇ノ浦玄武は口調こそ平然を装っていたが、顔には明らかな焦りが見えていた。
(流石に来るのが早すぎる)
玄武はそう思っていた。確かに一週間以内に仕掛けてくるとは書かれていたが、まさか今日仕掛けてくるとは...これは政府側の誤算だった。
玄武のその質問に対してほたるは、
「はい、今現在は北条れいらが一人で災害獣をなんとか食い止めている。という状況ですわ!」
その言葉を聞いた途端、かんたは声を荒らげて、
「一人だって!?30対1はA級スレイヤーのれいらでもまずいぞ!?」
と言った。その声には確かな焦りと絶望が混じっていた。
一方その頃れいらは――
「北条流討伐術一式 風神の嘶き!」
約30体もの災害獣と戦っていた。
れいらの攻撃に何体もの災害獣が細切れにされて行く。しかし、
「クッ...」
倒しても倒しても相手の数は減る所か増えてきていた。この絶望的な状況を作ったのはもちろん、
「地場雷...」
そう睨むようにしてれいらは先程からどんどん災害獣が出てきている森林の奥の方を見る。そこには、
「第一攻撃はうまくいっているな」
「そうですね」
黒いローブを羽織っている地場雷と月宮・グングニルが居た。
その二人をれいらは更に強く睨む。しかし、今は目の前でどんどん数が増えていく災害獣を倒さなければいけない。
れいらは自身の武器である「阿弥陀」を強く握り、災害獣達の方へ、突っ込んで行く。
「はぁぁ!」
れいらはそう叫びながら目の前にいる災害獣を真っ二つにした。しかし、
「クッ...!」
すぐに他の災害獣がれいらに襲いかかる。
しかし、その災害獣達にもれいらはすぐに反応し、
「北条流討伐術二式 風殺!」
阿弥陀の刀身から竜巻が災害獣の方へ飛び出し、それに当たった災害獣は皆粉々になって行った。
それを見た災害獣達は、
「グルルル...」
流石に少し、攻撃の動きが止まる。更に、
「火の奥義 火竜の咆哮!」
かんたもその場に駆けつけた。
「かんたさん!」
かんたを見たれいらはそう安堵の声を上げる。
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です...!」
「じゃあやるか」
「えぇ、やりましょう...!」
そう言い、かんたとれいらは災害獣の方を睨んだ。そしてかんたは災害獣達にこう叫んだ。
「簡単に侵略されてたまるかよ!」
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