上 下
10 / 39

能力

しおりを挟む

「ぐはぁ!?」いきなり刺された事に驚きが隠せないかんた。明らかに致命傷だ。

「何やってんのよ!!」かんたが刺された事に気付き、みずきはすぐさま刺してきた店員を青き稲妻ブルーインパルスで感電させ、気絶させた。

すると店員は倒れると同時にかんたを刺した小刀を落とした。
その小刀は黒い小刀だった。

それを見てみずきは「月宮の太刀と同じだわ...」なんと小刀は月宮が使っている太刀と同じ材質だったのだ。

だが、今はそんな事どうでもいい。みずきは刺されたかんたの方へ駆け寄り「かんた!大丈夫?」刺されたかんたを心配した。

するとかんたは「うん、大丈夫...」なんとかんたの致命傷レベルの刺し傷はもう治っていたのだ。

「これが神の加護...」みずきは驚きながらそう呟いた。


こうして2人の初めてのデートは終わりを告げた。

スレイヤー育成学校に戻ると、今日あった出来事を言う為に、れいらとほたるを呼んだ。

4人は学校内のベンチに集まり話を始めた。

「それにしても相手の目論見が読めませんね。」れいらは腕を組みながらそう言う。

「その小刀、見せて貰ってもよろしい?」そう言い、ほたるはみずきが一応の為に持って帰ってきたかんたを刺した小刀を見た。

「確かに、これは月宮の太刀と同じ材質ですわね...と言う事は、あの店員と月宮達は仲間...?」ほたるは考察をするが、なかなか結論には至らない。

「それにしてもかんたさん、刺されたのに話し合いに参加していますが、大丈夫なんですか?あれでしたら場所をメディカルルームに変えても良いのですが...」れいらは刺されたかんたを心配しながら、そう聞く。

「大丈夫。刺された後、傷口に力を入れたら治ったから」かんたはそう傷は完治している事を教えた。

するとれいらは「そんな力、加護には入っていないはずなのですが...」そう言った。

それを聞いたかんたは「じゃあこの力はなんなんだ...」と自分の持っている底知れない力に恐怖を覚えた。

「もしかして、その自己蘇生は元々持ってる能力とかじゃないんですの?」不意にほたるはそう言った。

「そんな能力あるの?」みずきはそう聞く。

「ある可能性はありますが、わたし達では分かりませんね...」れいらはそう言い腕を組みながら考えていると、

ふと何かを思い出したように「良い考えを思いつきました。」と言い、れいらはこう続けた。

「私の知り合いで、医者のスレイヤーがいます。その人ならかんたさんが元から持っていた謎の能力の事も分かるかも知れません。」と言った。

「その人は、今どこにいるんだ?」かんたがそう聞くと、れいらは、

「ちょうど今、こっちに来ているらしいんですよ」と都合よく、こっちに来ているということを言った。

「それなら1回行ってみるか」かんたはそう言い、座っていた椅子から立った。

そして4人はその人がいると言う、病院に向かった。




病院につくと、れいらは自分の名前と要件を伝えた。
するとひとつの部屋に通された。

部屋に入るとそこには1人の白衣を来た黒髪ロングの女性がいた。

「お久しぶりです。諸星もろぼしさん。」
れいらはそう言うと、

「久しぶりね、ほたるも久しぶり。で、そこのお二人さんは?」と、諸星と言う女性は言った。

「はじめまして。俺は曽木かんたです」
「私は東雲みずきよ」と、2人は自己紹介をした。

「はじめまして。私の名前は諸星 葉子もろぼし ようこ。」と、自分の名前を明かした。

「それで、今日は何の用事で来たの?」葉子はそうれいらに聞くと、れいらは

「今日はかんたさんの事なんですが、元々持っている能力が何かを調べて欲しいんです」と今日来た要件を伝えた。

「自分の能力が分からない...って事はまず攻撃系の能力では無いわ」と言い、更にこう続けた。「攻撃系の能力なら小さい頃に何かしらで能力が発動して、分かるものよ。」と、攻撃系の能力では無い事の理由を説明した。

「まぁでも調べてみないと、分からないわね。」葉子はそう言い、かんたを椅子に座らせた。

そして「最近何か変な事とかはあった?」かんたにそう聞いた。

そこでかんたは今日ショッピングモールであった事を教えた。

「小刀に刺されても傷口に力を入れたら直ぐに治った...ね」
そう言い葉子は、

「恐らくは自己蘇生的な物だと思うけど、確定はしていないから、私の能力全機能探知ヒューマンロードを使って調べてみるわ」そう言い、葉子はかんたの肩に手を乗せ能力を発動させた。

能力が発動すると葉子の腕から緑色のオーラが出てきてかんたの肩から、身体全体をオーラが包み込んだ。

葉子が能力を使って調べている間、みずきは葉子の能力の事を教えて貰おうと思い、「ねぇれいら。葉子さんはどんな能力の持ち主なの?」そう聞くと、れいらは、

全機能探知ヒューマンロードそれが諸星さんの能力名。能力は相手に触れた状態で能力を使う事で相手の能力や歳、更にはその人がかかっている病気までもが全て分かるという能力です」れいらがそう説明すると、

「凄い能力ね...」みずきはそう葉子の持っている能力の強さを知った。

そうしている間に、かんたの周りからオーラが消え、葉子はかんたの肩から手を離し、驚いた様にこう言った。

「こんな能力は初めて見たわ。能力名は、付けるとしたら
 機能倍速スピードアップ。身体の機能の速度をあげる、要するにパワーアップの能力よ。」葉子はそう言うと、

かんたは(だから怪我をしても直ぐに治せたのか)と、納得した。

しかしみずきが、「もう少し、分かりやすく言って欲しいわ」と、葉子に頼むと。

「例えば、傷口があったとするでしょ?そこに機能倍速スピードアップを使えば、通常相当時間が掛かる自然治癒を瞬時に行う事ができるの。そこだけ時間を早める事ができるって事よ」と葉子は1つの例を使って説明する。

みずきはその説明を聞き「なるほどね」と納得する。

そこにれいらが口を挟んだ。「でも、それだけじゃないんですよね?」

「そう、これだけでも凄いけどもっと凄い力はここからよ」と、葉子は言い、こう続けた。

「まず、この能力を使いこなせる様になったら攻撃にもこの力を使う事ができるわ」そう言い、

「例えば、その能力を武器を握っている腕に使うとする。そうすると腕に集まる力が倍速され力が格段と上がるわ。これを攻撃を受ける所に使えば、ガード力も上がるし、足に使えば、スピードも上がる。要するに使い方によってはそれこそ最強になれるって訳よ。」そう言い切った。

「でも、そんなに強いならどこか弱点はないんですか?」とかんた葉子に聞いた。

すると葉子は「えぇあるわ。それはこの力を使うと体力が一瞬で奪われる事よ。恐らく1度使えば動けなくなるほどにはね」そう言った。

「じゃあこの能力は使い物にならないんじゃないの?」とみずきが言った。その通りだ。1度使って動けなくなる能力など意味が無い。

しかし葉子は「それが違うのよ。かんた君は神の加護を受けているでしょ?その加護の力によって体力がほぼ無限に等しい位増えているわ。だからかんた君に限ってはこの能力をノーリスクで使う事ができるのよ」て言った。

それを聞いた4人は驚いた。「それって、最強じゃない...」みずきはそう言い、

「とてつもない力ですね」
「ほたる怖くなってきましたわ...」とれいらとほたるはかんたの持っている底知れない力が怖くなった。

もちろんかんたも「どうなってんだよ俺、前までE級スレイヤー底辺だったのに...」自分が怖くなった。

葉子は「まぁでもその力を使えば世界を平和にする事が出来るかもしれないわ。」とかんたに言った。

それを聞いてかんたは「そうですね...この力で世界を平和に変えて見せます!」とこの能力を使って災害獣や悪いスレイヤーを倒そうと決意した。

4人は葉子に礼を言い、病院を出た。
するとそこには國分学長がいて「曽木君に話がある」とかんたを呼んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

処理中です...