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2人の美少女

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試合に勝った後、かんたは控え室に戻ると、急激な疲れを感じた。「はぁはぁ...」昨日からずっとこうだった。戦ったりすると脅威的な力は出るが、体力が急激に奪われるのだ。
「これは...まずい...」少し動いただけなのに、もう限界だ。かんたは意識が飛びそうになった。その時、控え室にみずきが来た。
「かんた!模擬戦勝利おめでとう!、って大丈夫?」みずきは扉を開けてかんたを見るなり、かんたの顔色が悪い事に気づき心配そうにそう聞いた。その時、かんたが倒れた。頭を打ちそうになった所をなんとかみずきが支え、
「かんた!どうしちゃったのよ」声をかけるが反応が無い。
気を失っているようだ、みずきはこれはまずいと思い、
かんたをおぶってメディカルルームまで運んだ。

かんたは気を失った後、夢を見ていた。それはかんたが重い鎧を身にまとって歩き続けている夢。そこには火や水や雷や水が空中に丸い形をして浮かんでいた。かんたはそれを掴もうとしたが鎧が重く手が届かない。更に重い鎧で身体が疲れかんたは地面に倒れ込み、夢の中でも気を失った。
気が付くと、そこはベットの上だった。「うぅ、俺はあの後...」かんたは控え室で自分が倒れた事を思い出した。
横を見るとそこにはベットに手をのせしゃがみながら眠っているみずきの姿があった。(みずきが運んでくれたのか...)今日はみずきには何度も助けられたな。そう思い、寝ているから良いだろうと思い、感謝の意味を込めて頭を撫でたその時、コンコンとメディカルルームの扉をノックする音が聞こえ、「入りまーす」そう相手は言い、扉を開けて2人の少女が入ってきた。「あ、イチャイチャしている所申し訳ないです」
そう申し訳なさそうに1人は言い、「え、そこ付き合ってるんですの?ほたる気になりますわ~」もう1人は食い気味にそう言った。かんたは速攻2人に勘違いされてしまいそうになった
「ち、違う違う!これは感謝の意味を込めたやつ!っていうか誰ですか?」かんたはみずきとはそんな関係では無いと否定しながら2人にに自己紹介を求めた。すると2人は、
「申し遅れました。私の名前は北条れいらと申します。」
そう白髪ツインテールにクールな眼差しの少女が言い、
「こっちの子は國江田くにえだほたると言います。」
そうピンク髪ツインテールのロリっ子に指をさしながら説明した。「よろしくお願い致しますわ!」「よろしくお願いします。」2人は挨拶を済ませると、れいらは「早速本題に入らせて頂きたいのですが」と急かすように話を進めだしたのでそれをかんたが止めた「ちょっと待ってくれ!まだ俺も自己紹介してないし...」そうかんたが話を一旦止めるように言うと、うるさかったからか、みずきが起きた。「うぅん、うるさいわね...かんた大丈夫なの?...ってあなた達誰!?」寝起き早々、目の前で美少女2人と話すかんたという絵面が理解出来ず、明らかに動揺しながらそう言った。
「あ、おはようみずき。この人達は北条れいらさんと國江田ほたるさん」と、かんたは寝起き早々動揺しているれいらにそう説明すると、みずきは、「あなた達はかんたに何の用があるの?」そう2人に聞いた。するとれいらは、
「そう私たちは曽木かんたさん、貴方に用があって来たんですよ。」そう言いこう続けた。「今日の模擬戦、観させてもらいました。B級スレイヤー相手に圧勝、素晴らしい結果だと思います。」れいらはそうかんたの強さを賞賛した。しかし、
その後に今度はほたるがこう言った。「しかし、今回の模擬戦に関してはその意見のみでは終わらせられませんわ、貴方はEB級スレイヤーに勝った、これは通常ありえない事ですわ。」そうほたるはどこかかんたを怪しむ様に言った。全くその通りである。普通E級スレイヤーはB級スレイヤーには勝てないこれは常識なのだ。かんたは昨日神社で起こった事を言っても信じて貰えないと思い、
「あの試合は俺の挑発に相手が乗って真正面から突っ込んできたから勝てただけだ、まぐれだよまぐれ」そう誤魔化した。
別に嘘を言っている訳ではなかった。確かに相手は真正面から突っ込んできた。あんなに分かりやすく突っ込んできた場合は大体のスレイヤーは交わすことができるからだ。
だが、「たとえそうだとしても貴方はE級スレイヤーにしては信じられない位早かった。その点については何か理由はないんですか?」れいらにあっさりそう痛い所をつかれた。
「それは...」かんたはこれ以上誤魔化しは通用しないと思った為、昨日神社で起きた事を話す事にした。「信じて貰えないかもしれないが、実は昨日、神社で光が俺の身体に入ってから急に強くなったんだよ」かんたは馬鹿にされる事も覚悟して、そう話すと、れいらとほたるはやっぱりかという様に
互いに目を合わせ、れいらが代表してこう言った。
「かんたさん、それは加護というやつです」
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