5 / 39
2人の美少女
しおりを挟む試合に勝った後、かんたは控え室に戻ると、急激な疲れを感じた。「はぁはぁ...」昨日からずっとこうだった。戦ったりすると脅威的な力は出るが、体力が急激に奪われるのだ。
「これは...まずい...」少し動いただけなのに、もう限界だ。かんたは意識が飛びそうになった。その時、控え室にみずきが来た。
「かんた!模擬戦勝利おめでとう!、って大丈夫?」みずきは扉を開けてかんたを見るなり、かんたの顔色が悪い事に気づき心配そうにそう聞いた。その時、かんたが倒れた。頭を打ちそうになった所をなんとかみずきが支え、
「かんた!どうしちゃったのよ」声をかけるが反応が無い。
気を失っているようだ、みずきはこれはまずいと思い、
かんたをおぶってメディカルルームまで運んだ。
かんたは気を失った後、夢を見ていた。それはかんたが重い鎧を身にまとって歩き続けている夢。そこには火や水や雷や水が空中に丸い形をして浮かんでいた。かんたはそれを掴もうとしたが鎧が重く手が届かない。更に重い鎧で身体が疲れかんたは地面に倒れ込み、夢の中でも気を失った。
気が付くと、そこはベットの上だった。「うぅ、俺はあの後...」かんたは控え室で自分が倒れた事を思い出した。
横を見るとそこにはベットに手をのせしゃがみながら眠っているみずきの姿があった。(みずきが運んでくれたのか...)今日はみずきには何度も助けられたな。そう思い、寝ているから良いだろうと思い、感謝の意味を込めて頭を撫でたその時、コンコンとメディカルルームの扉をノックする音が聞こえ、「入りまーす」そう相手は言い、扉を開けて2人の少女が入ってきた。「あ、イチャイチャしている所申し訳ないです」
そう申し訳なさそうに1人は言い、「え、そこ付き合ってるんですの?ほたる気になりますわ~」もう1人は食い気味にそう言った。かんたは速攻2人に勘違いされてしまいそうになった
「ち、違う違う!これは感謝の意味を込めたやつ!っていうか誰ですか?」かんたはみずきとはそんな関係では無いと否定しながら2人にに自己紹介を求めた。すると2人は、
「申し遅れました。私の名前は北条れいらと申します。」
そう白髪ツインテールにクールな眼差しの少女が言い、
「こっちの子は國江田ほたると言います。」
そうピンク髪ツインテールのロリっ子に指をさしながら説明した。「よろしくお願い致しますわ!」「よろしくお願いします。」2人は挨拶を済ませると、れいらは「早速本題に入らせて頂きたいのですが」と急かすように話を進めだしたのでそれをかんたが止めた「ちょっと待ってくれ!まだ俺も自己紹介してないし...」そうかんたが話を一旦止めるように言うと、うるさかったからか、みずきが起きた。「うぅん、うるさいわね...かんた大丈夫なの?...ってあなた達誰!?」寝起き早々、目の前で美少女2人と話すかんたという絵面が理解出来ず、明らかに動揺しながらそう言った。
「あ、おはようみずき。この人達は北条れいらさんと國江田ほたるさん」と、かんたは寝起き早々動揺しているれいらにそう説明すると、みずきは、「あなた達はかんたに何の用があるの?」そう2人に聞いた。するとれいらは、
「そう私たちは曽木かんたさん、貴方に用があって来たんですよ。」そう言いこう続けた。「今日の模擬戦、観させてもらいました。B級スレイヤー相手に圧勝、素晴らしい結果だと思います。」れいらはそうかんたの強さを賞賛した。しかし、
その後に今度はほたるがこう言った。「しかし、今回の模擬戦に関してはその意見のみでは終わらせられませんわ、貴方はE級スレイヤーでありながらB級スレイヤーに勝った、これは通常ありえない事ですわ。」そうほたるはどこかかんたを怪しむ様に言った。全くその通りである。普通E級スレイヤーはB級スレイヤーには勝てないこれは常識なのだ。かんたは昨日神社で起こった事を言っても信じて貰えないと思い、
「あの試合は俺の挑発に相手が乗って真正面から突っ込んできたから勝てただけだ、まぐれだよまぐれ」そう誤魔化した。
別に嘘を言っている訳ではなかった。確かに相手は真正面から突っ込んできた。あんなに分かりやすく突っ込んできた場合は大体のスレイヤーは交わすことができるからだ。
だが、「たとえそうだとしても貴方はE級スレイヤーにしては信じられない位早かった。その点については何か理由はないんですか?」れいらにあっさりそう痛い所をつかれた。
「それは...」かんたはこれ以上誤魔化しは通用しないと思った為、昨日神社で起きた事を話す事にした。「信じて貰えないかもしれないが、実は昨日、神社で光が俺の身体に入ってから急に強くなったんだよ」かんたは馬鹿にされる事も覚悟して、そう話すと、れいらとほたるはやっぱりかという様に
互いに目を合わせ、れいらが代表してこう言った。
「かんたさん、それは加護というやつです」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
人喰い狼と、世界で最も美しい姫君
十五夜草
ファンタジー
森の奥深くには、かつて魔法使いと共に国を救ったが今は人喰い狼と恐れられる魔狼が住んでいた。
あるとき、魔狼は森の入口で赤ん坊を拾う。
周囲の人の気配はない。どうやら捨て子のようだ。
自分も昔は親から捨てられた身であった魔狼は悩んだ末、引き取り手のない赤ん坊を育てる事にした。
これは、親に捨てられた魔狼が、同じく親に捨てられた人間の少女を美しく育て上げるまでのお話。
※MAGNET MACROLINKとノベルアップで掲載していました。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる