スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
13 / 98
第一章[ミリゴ編]

対峙

しおりを挟む

「アイツらです。」
 俺とセリヤをここまで案内した若い男が指を指しながら小声でそう言う。

「アイツらか……」
 俺は若い男が指を指した方を見ながらそう呟く。
 そこには見るからにガラの悪い男が5人程居た。全員片手に剣を持っている。山賊ってこんな感じだろうな~という想像とバッチリ一致する様な、絵に書いた様な奴らだった。

 確かに薬草を取ろうとしてるな。おそらく冒険者ギルドから薬草採取の許可は取っていないだろう。でもさ――
 本当にあいつらに話しかけるんすか?薬草を取るなって?無理でしょ!見たら分かるけどアイツら人とか関係無く剣で襲って来るタイプなんだもん!

 俺はすぐ近くにいる山賊達にビクビクしながら、恐る恐るセリヤにこう言った。
「セリヤ...さん?本当に行くん...ですよね?」
 まぁ絶対行くって言うんだろうけどな……ダメ元って奴だ。

 俺の問いに対してセリヤは案の定、
「当たり前じゃない!」
 大きな声でこう言った。
 ちょちょ!声でかいって!バレたらどうすんだよ!ほら!アイツらなんかキョロキョロしてるじゃねぇか!マジヤバいって!

 壮大にビビり散らかす俺に対する気遣いだったのか、若い男は、
「幸い今回は、レグル山賊の中で最も厄介なリーダーの姿は無いので、相手は言ってみれば全員武装をした一般人です。ですが、なるべく争い事に発展しそうな言動や行動は避けて下さい。」
 そう言った。
 絶対しないよそんなこと。はぁ、マジでアイツら止めに行くんだ、俺。

「分かったわ。じゃあ行ってくる」
 セリヤは若い男の忠告をしっかりと聞き、直ぐに立ち上がり行こうとする。
「はい。どうかお気おつけて」
 若い男もそんなセリヤに武運を祈った。

 ちょっと待ってくれよ!まだ心の準備出来てないって!
 そんな可哀想で仕方が無い俺にセリヤは、
「さぁ行くわよテツヤ……ってなんでアンタそんなにビビってんの?大蛇と戦った時はカッコつけて「ふぁいあぁぼーるぅぅ!」とか言ってた癖に」
 俺を嘲笑うようにそう言ってきやがった。

「そんな気持ち悪く言ってねぇよ!?」
 あぁ~もう!こっちはバクバクと鼓動を繰り返す心臓を何とか沈めて心を決めようとしてた所なのによ!!

 はぁ……もう、行けばいいんだろ、行けば!!
 こうなったらもうヤケクソだ!俺は嫌々腰を上げ、セリヤと共にレグル山賊に声を掛けに言った。

 
 レグル山賊の後ろまで歩くと、
「ねぇ、貴方達」
 セリヤがそう声を掛ける。

 すると五人の男達が、一斉にこっちに振り返った。そして、俺とセリヤの顔を見るなり、面倒くさそうに、
「あ?なんだ?」
 こう言った。

 あぁ、怖ぇ!
 俺はその時点でビビり散らかしていたが、セリヤは男達に怯んだ様子は一切無く、
「ちゃんと冒険者ギルドに許可を貰って薬草を取ってるのかしら?」
 男達に負けじと力強い口調でそう言った。

 すると、セリヤのそのセリフに腹が立ったのか、真ん中に立っていた恐らくこの中だと一番立場が上であろう無精髭の男が、不機嫌そうに
「別にお前らには関係ないだろ」
 そう言った。
 そのセリフに乗っかる様に周りの男達もそうだそうだと無精髭の男の肩を持った。

 やっぱ、改めて近くで見るとおっかない奴らだな。
 この時点で俺は小便をチビりそうだった。
 しかし、このまま何も言わずにセリヤの後ろに立っているだけというのも、セリヤに悪い。
 だから俺は出来るだけ男達をイラつかせない様に、

「お、俺達一応この街の冒険者だから、そうやって勝手に取られるとめ、迷惑なんだよ」
 小さめな声でそう言った。

 すると無精髭の男は俺の事をギロっと睨みつけ、
「あ?なんだお前?こっちからしたらお前らが迷惑なんだよ。見逃してやるからあっち行け」
 そう言った。

 マジ怖ぇって!
 俺はもう一刻も早くこの場所から立ち去りたい気分だった。
 しかし、セリヤは先程同様全く怯んでおらず、
「貴方達こそあっち行って貰えるかしら。迷惑なのよ」
 吐き捨てる様にそんなセリフを吐いた。

 おいおい!セリヤ!そんな挑発的な態度とったらヤバいって!さっき戦いになるような事はすんなって言われたじゃねぇか!
 俺は心の中でそう叫んだが、残念ながらもう遅かったらしい。

 無精髭の男は、そこで完全にキレ、
「喧嘩売ってんのかお前ら?やるか?」
 そう言い、それと同時にレグル山賊全員が手に持っていた剣を力強く握りしめた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

処理中です...