スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース

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第一章[ミリゴ編]

対峙

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「アイツらです。」
 俺とセリヤをここまで案内した若い男が指を指しながら小声でそう言う。

「アイツらか……」
 俺は若い男が指を指した方を見ながらそう呟く。
 そこには見るからにガラの悪い男が5人程居た。全員片手に剣を持っている。山賊ってこんな感じだろうな~という想像とバッチリ一致する様な、絵に書いた様な奴らだった。

 確かに薬草を取ろうとしてるな。おそらく冒険者ギルドから薬草採取の許可は取っていないだろう。でもさ――
 本当にあいつらに話しかけるんすか?薬草を取るなって?無理でしょ!見たら分かるけどアイツら人とか関係無く剣で襲って来るタイプなんだもん!

 俺はすぐ近くにいる山賊達にビクビクしながら、恐る恐るセリヤにこう言った。
「セリヤ...さん?本当に行くん...ですよね?」
 まぁ絶対行くって言うんだろうけどな……ダメ元って奴だ。

 俺の問いに対してセリヤは案の定、
「当たり前じゃない!」
 大きな声でこう言った。
 ちょちょ!声でかいって!バレたらどうすんだよ!ほら!アイツらなんかキョロキョロしてるじゃねぇか!マジヤバいって!

 壮大にビビり散らかす俺に対する気遣いだったのか、若い男は、
「幸い今回は、レグル山賊の中で最も厄介なリーダーの姿は無いので、相手は言ってみれば全員武装をした一般人です。ですが、なるべく争い事に発展しそうな言動や行動は避けて下さい。」
 そう言った。
 絶対しないよそんなこと。はぁ、マジでアイツら止めに行くんだ、俺。

「分かったわ。じゃあ行ってくる」
 セリヤは若い男の忠告をしっかりと聞き、直ぐに立ち上がり行こうとする。
「はい。どうかお気おつけて」
 若い男もそんなセリヤに武運を祈った。

 ちょっと待ってくれよ!まだ心の準備出来てないって!
 そんな可哀想で仕方が無い俺にセリヤは、
「さぁ行くわよテツヤ……ってなんでアンタそんなにビビってんの?大蛇と戦った時はカッコつけて「ふぁいあぁぼーるぅぅ!」とか言ってた癖に」
 俺を嘲笑うようにそう言ってきやがった。

「そんな気持ち悪く言ってねぇよ!?」
 あぁ~もう!こっちはバクバクと鼓動を繰り返す心臓を何とか沈めて心を決めようとしてた所なのによ!!

 はぁ……もう、行けばいいんだろ、行けば!!
 こうなったらもうヤケクソだ!俺は嫌々腰を上げ、セリヤと共にレグル山賊に声を掛けに言った。

 
 レグル山賊の後ろまで歩くと、
「ねぇ、貴方達」
 セリヤがそう声を掛ける。

 すると五人の男達が、一斉にこっちに振り返った。そして、俺とセリヤの顔を見るなり、面倒くさそうに、
「あ?なんだ?」
 こう言った。

 あぁ、怖ぇ!
 俺はその時点でビビり散らかしていたが、セリヤは男達に怯んだ様子は一切無く、
「ちゃんと冒険者ギルドに許可を貰って薬草を取ってるのかしら?」
 男達に負けじと力強い口調でそう言った。

 すると、セリヤのそのセリフに腹が立ったのか、真ん中に立っていた恐らくこの中だと一番立場が上であろう無精髭の男が、不機嫌そうに
「別にお前らには関係ないだろ」
 そう言った。
 そのセリフに乗っかる様に周りの男達もそうだそうだと無精髭の男の肩を持った。

 やっぱ、改めて近くで見るとおっかない奴らだな。
 この時点で俺は小便をチビりそうだった。
 しかし、このまま何も言わずにセリヤの後ろに立っているだけというのも、セリヤに悪い。
 だから俺は出来るだけ男達をイラつかせない様に、

「お、俺達一応この街の冒険者だから、そうやって勝手に取られるとめ、迷惑なんだよ」
 小さめな声でそう言った。

 すると無精髭の男は俺の事をギロっと睨みつけ、
「あ?なんだお前?こっちからしたらお前らが迷惑なんだよ。見逃してやるからあっち行け」
 そう言った。

 マジ怖ぇって!
 俺はもう一刻も早くこの場所から立ち去りたい気分だった。
 しかし、セリヤは先程同様全く怯んでおらず、
「貴方達こそあっち行って貰えるかしら。迷惑なのよ」
 吐き捨てる様にそんなセリフを吐いた。

 おいおい!セリヤ!そんな挑発的な態度とったらヤバいって!さっき戦いになるような事はすんなって言われたじゃねぇか!
 俺は心の中でそう叫んだが、残念ながらもう遅かったらしい。

 無精髭の男は、そこで完全にキレ、
「喧嘩売ってんのかお前ら?やるか?」
 そう言い、それと同時にレグル山賊全員が手に持っていた剣を力強く握りしめた。
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