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3章 生死の淵

九十五、結託

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『──ガラハド様!急に倒れましたが大丈夫でしょうか』
「くそっ…やられた…最初っから…ああクソが!生と死の超越?
一体何をすりゃ…それに、朝陽…あいつを取り戻したかった筈なのに…」
『が、ガラハド様?朝陽…というのは?』
「…は?お、お前らの主だろうが!」
『?…え、えっと…私達の主様は…ガラハド様、貴方だけですが…』

その言葉聞いて、朝陽が最後に言っていた譲渡がなにかを理解した。

「…そういうことかよ…武神!それに創造神!
今すぐ俺の目の前に来い!」
『神遣いが荒いなぁ…それで、何の用だい?』
「…お前らは、朝陽って名に覚えはあるか?」
『…誰だい?それ』
『さぁ、我も知らぬ名だが…』

聖杯を創り出し、箱庭を与えたこいつらならなにか手掛かりがないかと思ったが…気の迷いだったか…

「なら、創造神。もうひとつ聞きたいんだが…冥界に迷い込んだ生者をこちらへ連れてくる方法はあるか?」
『うーん、そうだね…生と死の超者なら、出来るかもね』
「(またそれか…)どういうことだ?」
『基本的に、神には役割があるんだ。
例えば、僕は創造でしょ?
あとは、智神は知恵と守護、あとは規律とか…そういった神々の大元は、生の超越者…まぁ、生者の特権を司るって意味だね。
逆に、冥王や死神、破壊神なんかは死の超越者になるんだ』

なるほど…つまり、俺がすべきことは…その両方、か…

『超越者には次元を渡る権利が与えられる。
だから、冥界に入り、現界に戻る権利として生と死の超越者になれば…』
「そいつを救出できる…!」
『まぁでも、人間の身でそれをするには不老不死になるか、亜神にならないとだけど…』
「不老不死でも亜神でも、なんにでもなってやる。
やり方を教えてくれ」
『…うーん、オススメはしないよ。
というか、僕にはどうすることも出来ない。
武神なら何かわかるんじゃない?』
『む、不老不死か…不老ならば可能かもしれぬが…』
「それでも良い。教えてくれ」
『…分かった。創造神よ、ここからは人間の領域だ』
『分かってるよ、それじゃあ僕はこれで。
これでも忙しいんだからあまり呼びすぎないでよ?』

そう言って創造神は神界へと戻って行った。

『精霊らも、ここを去るが良い』
『…俺は残らせてもらう。
その話、俺にも重要なんだ。
だろ?──
「!…おう!」
「『俺らの目的は、冥界に囚われた朝陽の救出──
達成するまでは死ねない』」
『その心意気や良し!我は生の神にしかなり得ぬが…お主ら人間や精霊のままであれば、生と死を克服できる!
を頼んだ』
「!?な、なんで武神も…いや、というか今更だがイフリートも朝陽との記憶が!?」
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