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1章 稀代の商人

六十八、中ボス(1-2)

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「さて…魔王、合わせてくれよ」

「お主こそ、ちゃんと着いてくるが良い」

2人はお互い声を掛け合い、同時にボスの方へと走っていった。

「んじゃ、俺はこっち側の5つを」

「なら、我はこちらの5つだ」

「ほぉ…元冒険者パーティメンバーとはいえ、ここまで息を合わせられるものなんだな…
さて、第1R突破、ここからどうなるかね…
あ、そうだ。この第一関門までで、身体強化以外の魔法を禁止させておこう」

「むっ…魔法が制限された?」

「おー、気付くのかこれを。ま、身体強化は使えるから物理で頑張れ」

そう言うと2人はこちらを見ずに頷き、そのまま弱点を次々に破壊していった。

「うーん…簡単すぎるか?」

「いや、丁度良いくらいだ。ギルマスは魔法を使いつつ物理もって感じだから、魔法禁止となると慣れない分少し苦戦するだろうし、召喚勇者の嬢ちゃんはそもそも弱すぎて苦戦するだろうな。
これ、協力戦にするんだろ?」

「ああ、そのつもりだが…」

そう言うと2人は、これで良いというかのように頷き、魔人を倒した。

「次、第2フェーズ:八岐大蛇」

「おう。こっちは…うわ、マジか…首ごとにってそう言うことかよ!
おい、ルーシー!そっちは把握できてるか?」

「むっ…中央の2体…弱点が少し見分けづらいの」

「ああ、俺もだ。
じゃ、とりあえず残りの6頭を先に削るぞ」

「うむ」

そう、2人の協力戦だからこそ、お互いがきちんと成果を挙げられているかのチェックとして弱点を2頭分かなり隠しておいたのだ。

「にしても、相変わらず人間離れしてんなぁ…いや、1人は人間じゃなく魔王か」

「さて、残り2頭…先に弱点を見つけた方が勝ちで良いかの?」

「ああ、そんじゃ…お先に!」

ガラハドは牙、魔王の方は脳天だが…さぁ、どっちが先に見つけられるかねぇ…

「あ、先に見つけた方には褒美をやる」

「ザシュッ…相棒!褒美はなんだ!」

「(俺からの褒美がそんなに嬉しいのか…?)それはこれが終わってからな」

「よし、ルーシー!すぐに終わらせるぞ!」

「何故そうもやる気なのだ…まぁ良い、我も少々面倒になってきた所なのだ」

…うんここからは見なくても良さそうだな。
っと…店に反応。

「少し席を外す。終わったら盲目状態のボスを考えといてくれ」

「「ああ」」
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