50 / 98
1章 稀代の商人
五十、防衛作戦(1)
しおりを挟む
「…つかぬ事を聞くが、ナインが言っていた、人間の相手とは…あれはどういう意味なのだ?」
「あぁ?んなもん決まってるだろ。これほどまでに神聖な気配が神殿から出てきてんだ。
そこに居るのが神であろうとなんであろうと、その恩恵に預かりたい、助けられたいと思う者は無数にいる。
スラム街連中をはじめ、市民もそうだが…成金の貴族から挙句の果てには王族まで…それら全てが今、ここに押し寄せてくる。
強大な力を持った者ってのは、それほど役目を課せられるんだよ。
だから、俺達は…〘守護領域〙
──ここから先は立ち入り禁止とする!
この領域は何人たりとも通ってはいけない。
もし、通る者が居ればその者は…神の意思を侵した重罪人となり、即刻死刑とする!」
「…ふむ、ならば…〘不落城〙
我は守りを担当しよう」
「なら、俺は攻めだな」
「…ガラハド様、只今より──王令を伝えさせて頂きます」
「だからどうした?
こちらは神の代理人の命令…神託だ!
いつから王は神より偉くなったのだ!
用があるのならば、その者を連れてこい!」
「…やはり、これはユーグの気配か」
「…アレクサンダー国王、そなたでもここから先は1歩も入れることは出来ないぞ」
「…私は親としてここに来たのだ!今すぐそこをどけ!
円卓の騎士よ、部下であるそなたに対し…王である我からの命令だ!」
「我、円卓の騎士ガラハドは、神の代理人ユーグ様の部下だ!
神の意思に反することは、如何に王であろうと覆すことは出来ぬ!」
「くっ…ならば仕方あるまい!
全軍…我が息子、ユーグを保護しろ!突撃!」
「円卓の騎士ガラハドより、聖杯に命ずる!
我が主を守る剣となり、盾となれ!」
その瞬間、ガラハドに聖杯の紋が出現し、膨大な量の守護力が溢れ出した。
「ユーグ…お前の力、借りるぞ。
〘剣戟──滅剣〙」
『聖杯の力が剣に宿り、聖剣へと変化致しました。
悪なる心を切り裂き、善ある者に正する道があらんことを』
「『我、聖なる杯の主なり。
此度の聖戦により、我が王の剣となりて不殺の聖剣をここに創する!』」
その瞬間、無数の聖剣が兵に次々と向かっていった。
「安心しろ、仮死状態なだけだ。
聖剣は悪しき心を断ち、善なる心を生み出す」
「…(我、要らないのでは…)」
「あぁ?んなもん決まってるだろ。これほどまでに神聖な気配が神殿から出てきてんだ。
そこに居るのが神であろうとなんであろうと、その恩恵に預かりたい、助けられたいと思う者は無数にいる。
スラム街連中をはじめ、市民もそうだが…成金の貴族から挙句の果てには王族まで…それら全てが今、ここに押し寄せてくる。
強大な力を持った者ってのは、それほど役目を課せられるんだよ。
だから、俺達は…〘守護領域〙
──ここから先は立ち入り禁止とする!
この領域は何人たりとも通ってはいけない。
もし、通る者が居ればその者は…神の意思を侵した重罪人となり、即刻死刑とする!」
「…ふむ、ならば…〘不落城〙
我は守りを担当しよう」
「なら、俺は攻めだな」
「…ガラハド様、只今より──王令を伝えさせて頂きます」
「だからどうした?
こちらは神の代理人の命令…神託だ!
いつから王は神より偉くなったのだ!
用があるのならば、その者を連れてこい!」
「…やはり、これはユーグの気配か」
「…アレクサンダー国王、そなたでもここから先は1歩も入れることは出来ないぞ」
「…私は親としてここに来たのだ!今すぐそこをどけ!
円卓の騎士よ、部下であるそなたに対し…王である我からの命令だ!」
「我、円卓の騎士ガラハドは、神の代理人ユーグ様の部下だ!
神の意思に反することは、如何に王であろうと覆すことは出来ぬ!」
「くっ…ならば仕方あるまい!
全軍…我が息子、ユーグを保護しろ!突撃!」
「円卓の騎士ガラハドより、聖杯に命ずる!
我が主を守る剣となり、盾となれ!」
その瞬間、ガラハドに聖杯の紋が出現し、膨大な量の守護力が溢れ出した。
「ユーグ…お前の力、借りるぞ。
〘剣戟──滅剣〙」
『聖杯の力が剣に宿り、聖剣へと変化致しました。
悪なる心を切り裂き、善ある者に正する道があらんことを』
「『我、聖なる杯の主なり。
此度の聖戦により、我が王の剣となりて不殺の聖剣をここに創する!』」
その瞬間、無数の聖剣が兵に次々と向かっていった。
「安心しろ、仮死状態なだけだ。
聖剣は悪しき心を断ち、善なる心を生み出す」
「…(我、要らないのでは…)」
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる