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96話

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「〔転移〕こんにちは」
「…もうこんばんはじゃないか?」
「まぁたしかに夕方だし…って、それは別にいいの。
とりあえずさ、傭兵証を何個かくれない?魔道具の試作をしてみて、それをちょっと試してみたいの」
「もうできたのか!?」
「まぁ、ここから動くかどうかは分からないけどね。
実験は仮説を立てて実験をして、修正してっていうのが大切なの」
「魔道具の試行か。わかった、着いてこい。流石に傭兵用のものは使えないが、ギルド員のみ使える、確認用の証なら幾らでも作れるから、それで試そう」
「じゃあ、案内して」

私はギルマスの後を着いていき、ギルド員を用の事務室へと向かった。

「この遺物で傭兵証を作っているんだが、いかんせん随分と古いものでな。機能の幾つかは修繕すら出来ないほどだ」
「見てみようか?」
「できるのか?」
「まぁ、やってみないと分からないかな。ただ、とりあえず私の魔道具が先だね。
えーっと、ここに適当に書いた依頼を入れて…
あと何枚か適当なランク書いて入れてくれる?」
「分かった」

彼は紙に適当な依頼とランク、報酬を記入すると、それを魔道具に読み込ませた。

「…うん、問題なく稼働してるね。
ただ、やっぱりちょっと功力の消費が高いね。なら、魔法陣をもうちょっと整理しないとね。えーっと、どこを整理したらいいかなっと」

中に記録していた魔法陣を取り出して空中で分解及び改良を行っていると、ギルマスはとても驚いた様子でこちらを見ていた。

「うーん、功力を溜める部分をもう1つ作っておいて…で、えーっと、記録と識別を1つの魔法陣で完結させて、なおかつ魔法陣の功力の注入方法を変更して、余すことなく入れるために直流にして…
あ、識別にあるこの鑑定の機能必要ないかな。識別にある記録の効果はちょっと違って使えないから、ここも削除して、記録の効果で削れるのは…ええっと、整理は識別と被ってるから削除して…
うん、とりあえずはこんなものかな。
〔魔法陣付与〕
これでどうかな。えっと、傭兵証と依頼票を入れて…あ、大丈夫そうだね。
一応、貯蔵の容量は結構大きいから、傭兵ギルドの勤務終了のあとにここに功力を注いでくれたら、寝て起きたら全回復と容量の増加の訓練ができるよ。
まぁ、しなくても魔石の補充だけで動くけど。
あと、ボードは水晶と連結してるから、補充は必要なくて、
傭兵証は新たな機能を追加する時に、周囲の元素を吸収して使えるようにしておいたから」
「わかった。‍それじゃあ、改めて、これからよろしく」
「うん、よろしくね」
「あー、それとすまないが…この水晶に記録した依頼の内容を変えるようにできねぇか?」
「うーん、そうだね。ちょっと待ってて。〔転移〕」

私はカーヴェの元へ転移し、鉱石とカーヴェを持って再び転移した。

「ただいま」
「うおっ…い、いきなりなんなんだ」
「土台のここ、こういう感じで突起をつけれる?」
「付けれるが…この中央の長方形は何に使うんだ?」
「ここに魔法陣を組み込んで、遠隔操作して情報を弄れるようにしたいの」
「そうだな…〔錬金術〕これでどうだ」
「よし、それじゃあ〔魔法陣展開〕
遠隔操作での記入なら、干渉と記録、改竄も必要だね。この機能も入れると魔石だけじゃ足りなくなるけどどうする?」
「受付の特段功力の高い奴か、俺がする。
使用者を決めることもできるのか?」
「うーんとね、ちょっと待ってね…えーっと…お、これならいいかな?〔魔法陣:認証〕
これでこの魔道具は完成かな。とりあえず、今後は仕事は基本的に商会として受けるから、何かあったら依頼を頼むね」
「ああ、わかった。それじゃ、早速で悪いがポーションとかは作れるか?」
「私は作れるけど…」
「俺も作れる。それと、メイリー・ブラウンも」
「で、何を作るの?」
「個人の依頼になるんだが、エリクサーの製作を頼みたい」
「エリクサー?何に使うの?」
「妻が植物状態なんだ」
「なるほど。ただ、エリクサーとなるとあれは不老不死の薬でもあるの。だから、効果を落として回復効果だけを作るっていうのなら、依頼を受けるよ」
「それでいい。治せるなら」
「じゃ、とりあえずその人を見てもいい?」
「ああ。 」
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