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3章 武力
159.
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「…近くに異様な気配が現れたな」
«魔王様、どうされました?»
「その魔王というのをやめろ、お前たちの王になったつもりはない」
«…では、神魔様と»
「…この場所ではないが…恐らく、限りなく近く…お前と対立する者が…そうか、天使だ。天使の気配がする。うん?となるとお前は悪魔となるか」
«私は魔物の力を喰らい、存在が悪魔へと近付いただけです»
「ふーん…」
その言葉を聞き、不思議と納得した。と言っても、悪魔も天使も見たことがないはずなのだが…
「?、なんだこの感覚?懐かしい?その者らに会ってみれば分かるだろうか…」
«おや、神魔様。その者らは味方なのですか?»
「分からない。記憶がなければ、繋がりも…」
«であれば、念の為に戦場を整えてはどうでしょうか?»
「ふぅむ、それもそうか…」
彼はそう返事すると、辺り一面にあった魔物の死骸らを喰狼で片付けると、力を解放した。
すると、いくつかの力が具現化すると同時に、狭間の世界はその力に呼応して変化した。
「ふぅむ…」
呼応した世界は彼が歩く方向に新たな足場を作り、やがて世界全てを見下ろせる位置まで登ると、その場に玉座を作り上げた。
「あの者らを迎え入れろ、山羊の半魔」
«かしこまりました»
《ここが、最果てか?》
「はい、間違いありません。かつて、私達が旅の最後に来た場所であり、私達が封印を掛けた場所でもあるのです」
《そうか。だが、ここには主の気配が変に混ざって、詳しくは把握出来ない》
「…すみません、私もです」
「おかしいです…私が予言で見た場所は、確かにここではありますが、この地に神魔が足をつけ、その残虐性を表すかのように、その場は血で溢れていました。
しかし、彼の目には、涙が溢れていた。
涙というのは、見方によっては感情が分かるのですが、その時に流した涙から感じた感情は、
零れ落ちた嬉しさ、流した後悔、溢れる悲しみ…
そして、誰かに対する怒り…」
«…お待ちしておりました、天使»
「!こ、この気配…まさか、悪魔!?」
«改めて、自己紹介致しましょう»
四足の山羊の姿から、突如二足へと変わり、その姿はまさに悪魔、黒い翼を持ち、その全長は最低でも2、3mはあるほどだった。
«悪魔王が第一柱、バフォメットと申します。
それにしても…天使と聞いておりましたが、まさか人工天使とは。
まぁ、人工でも天使は天使、それ以外の下等生物は必要ないので消しましょう»
「〔絶対防壁〕」
«おや、その力…かつてのハイヒューマンでしたか»
«魔王様、どうされました?»
「その魔王というのをやめろ、お前たちの王になったつもりはない」
«…では、神魔様と»
「…この場所ではないが…恐らく、限りなく近く…お前と対立する者が…そうか、天使だ。天使の気配がする。うん?となるとお前は悪魔となるか」
«私は魔物の力を喰らい、存在が悪魔へと近付いただけです»
「ふーん…」
その言葉を聞き、不思議と納得した。と言っても、悪魔も天使も見たことがないはずなのだが…
「?、なんだこの感覚?懐かしい?その者らに会ってみれば分かるだろうか…」
«おや、神魔様。その者らは味方なのですか?»
「分からない。記憶がなければ、繋がりも…」
«であれば、念の為に戦場を整えてはどうでしょうか?»
「ふぅむ、それもそうか…」
彼はそう返事すると、辺り一面にあった魔物の死骸らを喰狼で片付けると、力を解放した。
すると、いくつかの力が具現化すると同時に、狭間の世界はその力に呼応して変化した。
「ふぅむ…」
呼応した世界は彼が歩く方向に新たな足場を作り、やがて世界全てを見下ろせる位置まで登ると、その場に玉座を作り上げた。
「あの者らを迎え入れろ、山羊の半魔」
«かしこまりました»
《ここが、最果てか?》
「はい、間違いありません。かつて、私達が旅の最後に来た場所であり、私達が封印を掛けた場所でもあるのです」
《そうか。だが、ここには主の気配が変に混ざって、詳しくは把握出来ない》
「…すみません、私もです」
「おかしいです…私が予言で見た場所は、確かにここではありますが、この地に神魔が足をつけ、その残虐性を表すかのように、その場は血で溢れていました。
しかし、彼の目には、涙が溢れていた。
涙というのは、見方によっては感情が分かるのですが、その時に流した涙から感じた感情は、
零れ落ちた嬉しさ、流した後悔、溢れる悲しみ…
そして、誰かに対する怒り…」
«…お待ちしておりました、天使»
「!こ、この気配…まさか、悪魔!?」
«改めて、自己紹介致しましょう»
四足の山羊の姿から、突如二足へと変わり、その姿はまさに悪魔、黒い翼を持ち、その全長は最低でも2、3mはあるほどだった。
«悪魔王が第一柱、バフォメットと申します。
それにしても…天使と聞いておりましたが、まさか人工天使とは。
まぁ、人工でも天使は天使、それ以外の下等生物は必要ないので消しましょう»
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