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2章 商業都市

135.

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「冒険者さん、あれからしばらく経ちましたが今大丈夫ですか?」
「ああ、どうしたんだ?」
「実は国王陛下より書状が届きまして、受勲式の準備が整ったので城へ来て欲しいと」
「分かった。壱晴達も連れて行っていいか?」
「はい、問題ないかと」
「このままもう王城に行っても?」
「はい。冒険者カードを門番の方に見せたらそのまま通れるかと」
「分かった。それじゃあ、拠点からこのまま城の方に向かう」
「かしこまりました。それでは私はこれで」

それにしても、もう終わったのか。ここら辺の土地を購入するのは大変だったと思うが…まぁ、未開拓地だから多少安くは済んだのかね?

「壱晴、雷輝、智弥、行くぞ」


ランクアップの話をしてから数日、今では商会も常に繁盛しているが、人間を何人か雇い、各階層ごとに人工人間と警備兵を配置する程度にはかなり商会も完成に近づき、魔道具も既に幾つか販売していて、国自体に特注品として作る依頼も来ている程だ。
まぁ、それはまだ交渉中だが…
ともかく、壱晴達は更に、壱晴と雷輝はランク4、智弥はランク3へと進化した。

道具も料理も増え、資金も大分潤ってきたな…これはいよいよ、次のステージに進んでも良いかもしれない。

実際、日本サーバーはもう、かなりの人数が商業都市へと来れている。
以前のスタンピード時にレベルが平均的に上がったのもあり、各ボスの難易度調整も功を奏して、といった所だろう。

「〔ゲート〕」
「…お待ちしておりました、UNKNOWN様、並びに壱晴様、雷輝様、智弥様。
既に謁見の間にて、国王陛下も待機されているとのことですので、早速ですが案内させて頂きます」
「こっちとしては報酬だけ貰えればいいんだがな」
「国王陛下や貴族にも、体裁というものがあります故、堅苦しいでしょうが出来れば我慢を」
「いや、大丈夫だ。ちょっとした冗談だから」
「ホッ…そうですか、良かったです。さぁ、どうぞこちらへ」

城に入ってすぐ、2階へ上がる階段を登ったあと、巨大な扉がある場所へと案内された。

「この先が謁見の間となっております。準備は大丈夫でしょうか」
「ああ、開けてくれ」
「かしこまりました」

その大きな扉を開けると、玉座を中心に国王、そして皇子が2人席に座っており、その玉座から少し段差を降りて貴族やら、功績を残した騎士やらが並んで居た。

「UNKNOWN殿、こちらへ」
「先に言っておくが、最低限の礼儀はあるが、それでも上下関係は無いものとしようじゃないか」
「うむ、もとよりそのつもりだ」

基本的には、この場に置いて最上級の権力者は王族となっている。
しかし、天使の力を見せたあの日から、こうなることは予想出来ていた。
だが、どうやら貴族らはそれに少し不満げがあるのか、驚いた顔をしていたり、こちらに侮蔑の眼差しを向けていたりと、好き放題だった。

「跪け。お前たちが俺にどのような感情を抱こうが気にしないが、それでもこの場において対等であると既に王も言っているだろう?
今こちらを侮蔑しているお前は、自国の王である者も同時に侮蔑しているのと同じだぞ?」
「貴族らがすまんな。いきなり現れたUNKNOWN殿を少し敵対視していたようだ」
「構わん、どうせ既に、処罰はしている」
《はい。現在主様に不愉快な目を向けた者は、家系を含め、全て商会のブラックリストに登録いたしました。
そして、今後一切このブラックリストが解除されることはありません。
我々は、一度敵対した者にもう一度塩を送る程、愚かではありませんので、皆様もご注意を》
「智弥」
《はっ、説明は以上でございます》
「では、早速受勲式を始めよう。と言っても、そなたも面倒であろうから、手短に進めよう。
此度の厄災集結にて、多大な功績を残したUNKNOWN殿、並びに壱晴殿、雷輝殿、智弥殿には郊外未開拓領域の開拓権と土地所有権、それに加え、褒賞金1000万ガルドを。
貴族の位は…欲しいならば与えよう」
「いいや、必要ない。そもそも、王族と対等な時点で権力に逆らう術は手に入れているしな。
それに、俺は土地を貰えただけで十分だ。おそこら辺の森を初め、山とかも貰っていいんだよな?」
「うむ。今後の開拓に役立ててくれ」
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