138 / 167
2章 商業都市
135.
しおりを挟む
「冒険者さん、あれからしばらく経ちましたが今大丈夫ですか?」
「ああ、どうしたんだ?」
「実は国王陛下より書状が届きまして、受勲式の準備が整ったので城へ来て欲しいと」
「分かった。壱晴達も連れて行っていいか?」
「はい、問題ないかと」
「このままもう王城に行っても?」
「はい。冒険者カードを門番の方に見せたらそのまま通れるかと」
「分かった。それじゃあ、拠点からこのまま城の方に向かう」
「かしこまりました。それでは私はこれで」
それにしても、もう終わったのか。ここら辺の土地を購入するのは大変だったと思うが…まぁ、未開拓地だから多少安くは済んだのかね?
「壱晴、雷輝、智弥、行くぞ」
《おう》
ランクアップの話をしてから数日、今では商会も常に繁盛しているが、人間を何人か雇い、各階層ごとに人工人間と警備兵を配置する程度にはかなり商会も完成に近づき、魔道具も既に幾つか販売していて、国自体に特注品として作る依頼も来ている程だ。
まぁ、それはまだ交渉中だが…
ともかく、壱晴達は更に、壱晴と雷輝はランク4、智弥はランク3へと進化した。
道具も料理も増え、資金も大分潤ってきたな…これはいよいよ、次のステージに進んでも良いかもしれない。
実際、日本サーバーはもう、かなりの人数が商業都市へと来れている。
以前のスタンピード時にレベルが平均的に上がったのもあり、各ボスの難易度調整も功を奏して、といった所だろう。
「〔ゲート〕」
「…お待ちしておりました、UNKNOWN様、並びに壱晴様、雷輝様、智弥様。
既に謁見の間にて、国王陛下も待機されているとのことですので、早速ですが案内させて頂きます」
「こっちとしては報酬だけ貰えればいいんだがな」
「国王陛下や貴族にも、体裁というものがあります故、堅苦しいでしょうが出来れば我慢を」
「いや、大丈夫だ。ちょっとした冗談だから」
「ホッ…そうですか、良かったです。さぁ、どうぞこちらへ」
城に入ってすぐ、2階へ上がる階段を登ったあと、巨大な扉がある場所へと案内された。
「この先が謁見の間となっております。準備は大丈夫でしょうか」
「ああ、開けてくれ」
「かしこまりました」
その大きな扉を開けると、玉座を中心に国王、そして皇子が2人席に座っており、その玉座から少し段差を降りて貴族やら、功績を残した騎士やらが並んで居た。
「UNKNOWN殿、こちらへ」
「先に言っておくが、最低限の礼儀はあるが、それでも上下関係は無いものとしようじゃないか」
「うむ、もとよりそのつもりだ」
基本的には、この場に置いて最上級の権力者は王族となっている。
しかし、天使の力を見せたあの日から、こうなることは予想出来ていた。
だが、どうやら貴族らはそれに少し不満げがあるのか、驚いた顔をしていたり、こちらに侮蔑の眼差しを向けていたりと、好き放題だった。
「跪け。お前たちが俺にどのような感情を抱こうが気にしないが、それでもこの場において対等であると既に王も言っているだろう?
今こちらを侮蔑しているお前は、自国の王である者も同時に侮蔑しているのと同じだぞ?」
「貴族らがすまんな。いきなり現れたUNKNOWN殿を少し敵対視していたようだ」
「構わん、どうせ既に、処罰はしている」
《はい。現在主様に不愉快な目を向けた者は、家系を含め、全て商会のブラックリストに登録いたしました。
そして、今後一切このブラックリストが解除されることはありません。
我々は、一度敵対した者にもう一度塩を送る程、愚かではありませんので、皆様もご注意を》
「智弥」
《はっ、説明は以上でございます》
「では、早速受勲式を始めよう。と言っても、そなたも面倒であろうから、手短に進めよう。
此度の厄災集結にて、多大な功績を残したUNKNOWN殿、並びに壱晴殿、雷輝殿、智弥殿には郊外未開拓領域の開拓権と土地所有権、それに加え、褒賞金1000万ガルドを。
貴族の位は…欲しいならば与えよう」
「いいや、必要ない。そもそも、王族と対等な時点で権力に逆らう術は手に入れているしな。
それに、俺は土地を貰えただけで十分だ。おそこら辺の森を初め、山とかも貰っていいんだよな?」
「うむ。今後の開拓に役立ててくれ」
「ああ、どうしたんだ?」
「実は国王陛下より書状が届きまして、受勲式の準備が整ったので城へ来て欲しいと」
「分かった。壱晴達も連れて行っていいか?」
「はい、問題ないかと」
「このままもう王城に行っても?」
「はい。冒険者カードを門番の方に見せたらそのまま通れるかと」
「分かった。それじゃあ、拠点からこのまま城の方に向かう」
「かしこまりました。それでは私はこれで」
それにしても、もう終わったのか。ここら辺の土地を購入するのは大変だったと思うが…まぁ、未開拓地だから多少安くは済んだのかね?
「壱晴、雷輝、智弥、行くぞ」
《おう》
ランクアップの話をしてから数日、今では商会も常に繁盛しているが、人間を何人か雇い、各階層ごとに人工人間と警備兵を配置する程度にはかなり商会も完成に近づき、魔道具も既に幾つか販売していて、国自体に特注品として作る依頼も来ている程だ。
まぁ、それはまだ交渉中だが…
ともかく、壱晴達は更に、壱晴と雷輝はランク4、智弥はランク3へと進化した。
道具も料理も増え、資金も大分潤ってきたな…これはいよいよ、次のステージに進んでも良いかもしれない。
実際、日本サーバーはもう、かなりの人数が商業都市へと来れている。
以前のスタンピード時にレベルが平均的に上がったのもあり、各ボスの難易度調整も功を奏して、といった所だろう。
「〔ゲート〕」
「…お待ちしておりました、UNKNOWN様、並びに壱晴様、雷輝様、智弥様。
既に謁見の間にて、国王陛下も待機されているとのことですので、早速ですが案内させて頂きます」
「こっちとしては報酬だけ貰えればいいんだがな」
「国王陛下や貴族にも、体裁というものがあります故、堅苦しいでしょうが出来れば我慢を」
「いや、大丈夫だ。ちょっとした冗談だから」
「ホッ…そうですか、良かったです。さぁ、どうぞこちらへ」
城に入ってすぐ、2階へ上がる階段を登ったあと、巨大な扉がある場所へと案内された。
「この先が謁見の間となっております。準備は大丈夫でしょうか」
「ああ、開けてくれ」
「かしこまりました」
その大きな扉を開けると、玉座を中心に国王、そして皇子が2人席に座っており、その玉座から少し段差を降りて貴族やら、功績を残した騎士やらが並んで居た。
「UNKNOWN殿、こちらへ」
「先に言っておくが、最低限の礼儀はあるが、それでも上下関係は無いものとしようじゃないか」
「うむ、もとよりそのつもりだ」
基本的には、この場に置いて最上級の権力者は王族となっている。
しかし、天使の力を見せたあの日から、こうなることは予想出来ていた。
だが、どうやら貴族らはそれに少し不満げがあるのか、驚いた顔をしていたり、こちらに侮蔑の眼差しを向けていたりと、好き放題だった。
「跪け。お前たちが俺にどのような感情を抱こうが気にしないが、それでもこの場において対等であると既に王も言っているだろう?
今こちらを侮蔑しているお前は、自国の王である者も同時に侮蔑しているのと同じだぞ?」
「貴族らがすまんな。いきなり現れたUNKNOWN殿を少し敵対視していたようだ」
「構わん、どうせ既に、処罰はしている」
《はい。現在主様に不愉快な目を向けた者は、家系を含め、全て商会のブラックリストに登録いたしました。
そして、今後一切このブラックリストが解除されることはありません。
我々は、一度敵対した者にもう一度塩を送る程、愚かではありませんので、皆様もご注意を》
「智弥」
《はっ、説明は以上でございます》
「では、早速受勲式を始めよう。と言っても、そなたも面倒であろうから、手短に進めよう。
此度の厄災集結にて、多大な功績を残したUNKNOWN殿、並びに壱晴殿、雷輝殿、智弥殿には郊外未開拓領域の開拓権と土地所有権、それに加え、褒賞金1000万ガルドを。
貴族の位は…欲しいならば与えよう」
「いいや、必要ない。そもそも、王族と対等な時点で権力に逆らう術は手に入れているしな。
それに、俺は土地を貰えただけで十分だ。おそこら辺の森を初め、山とかも貰っていいんだよな?」
「うむ。今後の開拓に役立ててくれ」
0
お気に入りに追加
428
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】拾ったおじさんが何やら普通ではありませんでした…
三園 七詩
ファンタジー
カノンは祖母と食堂を切り盛りする普通の女の子…そんなカノンがいつものように店を閉めようとすると…物音が…そこには倒れている人が…拾った人はおじさんだった…それもかなりのイケおじだった!
次の話(グレイ視点)にて完結になります。
お読みいただきありがとうございました。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる