ヤンチャな鍛冶師はソロプレイ希望―フルダイブ型MMORPG―

2章 商業都市

124. 神霊樹と神の涙

『死亡を確認、リスポーンします』
『歴戦地龍の討伐を確認。
不可能な業績を確認。報酬を清算中です。暫くお待ちください』

「くそ～…完敗だ。一撃どころか、一瞬しか出来なかった。
やっぱ反発が凄まじいな」
《リスポーン？何と戦ったんだ？》
「地龍。倒せばしたが、完敗って感じだ。覚醒も使えばもう少しなんとかなったかもしれないが、ラスト一撃が肉体が耐えきれなかった」
《だから全部の力が空っぽなのか》
「ま、暫くは休憩…じゃねぇ！死体回収してねぇ！天使化…は使えないし、えーっとまだ余ってるのは…」
«転移させましょう»

リッチの声が聞こえた瞬間、先程まで戦っていた場所に戻った。

「あったあった、あぶねぇ…回収っと…うん？なんだこれ、宝玉？まぁ、とりあえずインベントリに入れておくか。後回収してないものは…お、本が落ちてる。スキルブックかな？よし、こんなもんだろ…っと、発見が地面に向かって…天地開闢後の下？うーん、ここを降りるのか…」
«捕まってぐださい、下に降りましょう»
「お、サンキュ」

下へ降りてみると、そこは黄金に光った空間が存在していた。
そして、そこには1本の硝子の木と泉だけがあった。

「なんだこれ…異様な気配だな。悪い、感じはしないが…」

〔神霊樹〕
聖戦時、この地を神が浄化した時に、余剰分の神力が結晶化して出来た木。
この木は、周囲のあらゆる力を吸収し、神力と霊力に変換する。
また、この木は、神降ろしの触媒となっており、また、精霊が好む霊気を帯びているため、集まりやすい。
【現在所有者:UNKNOWN】
この木は、所有者が場所を指定することで、その場所に転送することが出来る。

〔神の涙〕
結晶化している神霊樹から生成された水で、エリクサーの材料となったり、神力や霊力といった聖なる力を癒す効果を持っている。
また、力を消耗させた精霊や神獣が肉体を癒すのに必要な水でもある。
【現在所有者:UNKNOWN】
この泉は、神霊樹に接触している場所であれば、転送することができる。