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2章 商業都市

117.

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「ギルドマスター、教皇、お待たせいたしました。
現戦力最強の方を連れてきました」
「ありがとう、あとは任せて休んでいてくれ」
「ありがとうございます」
「それで、状況はどんな感じだ?」
「はっきり言うと、かなりまずい。
アンデッドの対処に教会陣営を出せば対スタンピードの回復が追いつかなくなるし、こっちによこせば戦力が足りない。
だが、半々にすればなんとか持ちこたえられるかもしれんが…」
「いずれは崩壊する時が来る、だろ?
だから、龍とアンデッドは俺の陣営が対処する。
教会と冒険者はスタンピードと街の防衛を、それで勝てるか?」
「た、確かにそれなら勝てるが、お前たち3人であれを対処するのは…」
「そうです、リッチは神聖力がなければ…」

教皇のその言葉を遮るように、3人同時に力を全て解放し、天使化を行った。

「安心しろ、借り物の神聖力ではなく、聖力が俺たちにはある。
それに、壱晴は戦闘特化の天使だから、ここらの誰よりも強い」
「なっ…ま、まさか天使様とは…」
「ま、今は力を温存しておきたいから解除するが、俺たちは天使ではあるが、主は俺だ。
神には仕えていない。
それに、この力は自力で獲得したしな…
ともかく、こういう事情があるから、リッチと龍の対処は任せてくれ」
「わかった。街は絶対に護る」
「あ、そうだ。誰か1人伝言を頼んでいいか?」
「はい、私が行きます」
「クリスさん、大丈夫か?」
「ええ、こんな時に休んでいられませんから…」
「…すまん、回復だけはする。俺の商会は分かるか?」
「はい、昨日出来た場所ですよね?」
「ああ。その場所に向かって、智弥に壱晴の手伝いをするように伝えてくれ。
で、もう1つ、人工人間はポーションの生成をしづつけて、他はポーションの配達を頼んで欲しい」
「わかりました、行ってきます」
「どういうことだ?人工人間?」
「アンドロイド、ホムンクルス、言い方はどれが正しいかは分からないが、ゴーレムの一種のようなものだ。
コアを原動力にして動く人型のな」
「そ、それは禁忌に当たるものですよ!?」
「誰が決めたんだ?」
「昔の教皇様ですが…」
「なら、別に構わん。俺は人間じゃねぇからな。
それに、このことは既に神も許容していることだ。人間程度の掟なぞ知らん!」
「か、神にお会いしたことがあるのですか!?」
「そりゃもちろん、俺以上に神と知り合いなのは居ねぇだろ。商業神、創造神、武神、管理者の4人はとりあえず教会に行けば…いや、教会に行くのは商業神だけか。他は多分呼べば会える」
〖神はそんなに易々と会えるメンツではないんだがな〗
「ぶ、武神様!これは…し、神託!?」
〖阿呆、神託じゃねぇよ。ともかく、おい小僧、俺らに呼びかけんのは良いが、お前のその神力はまだ完全には使いこなせない筈だ。緊急時以外は使うんじゃねぇぞ〗
「わかってる。フェンリルの力も天王の力も、あれは制御しきれていない自覚があるからな」
〖分かってるならいい。天使化の多重行使をするなら、順序を守れ、熾天使から回すなら1人目を合わせて6人まで、堕天使から回すなら8人までだ〗
「一翼に1人の計算か、覚えておく」
〖それと…教皇だったか?言っておくが、こいつが人工生物を作ってんのは許可しているが、他の連中はダメだ。やるなら先に連絡してこい。
状況を見て考える〗
「か、かしこまりました!」
「そういや武神、命を狩る剣と命を創る剣は禁忌に当たるのか?」
〖霊剣のことだろ?ありゃ確かに人智を超えた力ではあるが、聖剣や神剣、魔剣なんかにも似たような効果があるから大丈夫だ。
それと、ここだけの話、龍の相手は適当にすりゃあいい。
お前には心当たりがあるだろ?
だが、他の2つはここにいる奴らの秘密だが、女神の仕業だ。冒険者がのんびりしているのを見かねて、あの野郎世界の魔素を強制的に操作しやがった。
確かに、神力を持っていれば誰でも出来るが、今回は度が過ぎてる。異邦人には残念だが、今回は俺ら真神が女神に正式に罰を与える機会だからな、女神の眷属である異邦人は女神に課せられる罰も同様に受けて、弱体化が掛かる〗
「ま、俺には関係ない話だ。
それに、現在異邦人の中で上位を争う奴らは全員…」
〖ああ、女神の眷属じゃねぇ。俺も小さな加護程度だが、与えたヤツも居るくらいだからな〗
「じゃ、とりあえずこの間にも侵攻してきているだろうし…作戦はここらへんで、一発目にどでかい攻撃を俺がするから、お前らはそこから防衛に移ってくれ」
「わかった」「わかりました」
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