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2章 商業都市

96.

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「それにしても畳がないのは盲点だったな。
さて、とりあえず先に木をある程度切ってからおっちゃんの所に向かって…」

俺は武器を斧に変更し、一振全力で横に切り裂いた。

「…うん、こんくらいあれば足りるだろ」

彼が斬った断面は、とても綺麗に切れていて、通常では当たった部分は叩き切るような感じになるが、斬撃によってそれがなく、直ぐに加工ができる状態だった。

「じゃ、あとは頼んだ」
《おう、サンキュ》

さてと、次はおっちゃんの所に向かうか。

俺はギルドへワープしてクリスさんに挨拶を入れてから鍛冶屋に向かった。

「おっちゃん、居るか?」
「ああ、どうした」
「ちょっと武器の相談をしたくてな。今手は空いてるか?」
「前に作った武器はどうしたのだ?」
「あれもまだ使ってるんだが、ちょっと殲滅用に別の武器が欲しくてな」
「ならば、飛び道具か…それに関してはお主の世界の方が知識が多いのではないか?」
「いやまぁ飛び道具と言えばそうなんだが、今回は武器を複数しまえる道具が欲しいんだ」
「ふむ?」
「まぁ、見てもらった方がいいか。ここら辺の武器ちょっと借りてもいいか?」
「それはいいが、壊すなよ」
「わかってる」

俺は念力で複数の剣を同時に浮かせたあと、重力操作で同時に操作した。

「こんな感じで、同時に複数の武器を使いたいんだが、インベントリにも限界があってさ」
「なるほど。作っておこう」
「マジ!?ありがとな!」
「だが、少し時間がかかるかもしれん。素材のこともあるが、前に貰った人工生物の研究がまだでな」
「ああ、あれか。そういや俺の方は2体目出来たぞ」
「まぁ、一度作ることが出来ればそうなるだろうが…
パーツは全て出来ているのだ。だが、肝心の動力源となる核がなくてな。魔石で試してみたが、魔石だと意思がまるでなく、ゴーレムを作る方がコストも時間も楽になってしまう。かといって、魔水晶や魔導結晶等は中々取りに行けず、かつそれに魔力を流し込めるほど魔力の高いものは居ない。
黒王狼殿に頼む訳にもいかないしな…」
「ああ、核が問題なのか。だったら作ってやろうか?」
「何?…そういえば、お主は核をどうしているのだ?」
「俺の場合は天晶石だ」
「…なに?天晶石がまだ残っていたのか!?」
「いや、俺が作ったんだ」
「…なんだと?」
「前に遺跡に行った時に天使と悪魔の力を継承してな。その時の力で天晶石を作って、それを核にしている」
「て、天使と悪魔の力を継承したのか!?着いてこい、ギルドマスターの元へ行く!」
「いやいや、ちょっと待ってくれ。俺も忙しくて、このあともすることがあるんだ」
「…何をするのだ?」
「人工天使と古代ゴーレムの解析と武器の製造だ。壱晴達のランクアップのやり方が分からないから、解析してみて、策を考えてみる」
「…はぁ、仕方ない。だが、その力はギルドマスターには報告させてもらうぞ」
「別にいいぞ、俺達異邦人側では天使の力は結構広まってるし」
「そんなにも天使の力を継承した者がいるのか!?」
「いや、前にあった闘技大会の決勝戦の時に天使化したから、噂がだいぶ広まってる筈だ」
「な、なんと…」
「じゃ、俺はこれで」
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