ヤンチャな鍛冶師はソロプレイ希望―フルダイブ型MMORPG―

2章 商業都市

89.

「うーん…ちょっとは動くが、全く解けん…こういう解体系のパズル苦手なんだよなぁ…そもそも、中に何があるとか分からんしなぁ…そうだなぁ、せっかくのゲームだし…現実ではできそうにないやり方でやってみるか…」

彼はその1つの箱に集中し、気配に集中した。中に伝わる風の音、微かな中身が転がる音、それらを極限まで高めると、目を瞑っているはずなのに不思議とだんだん、形が脳裏に映った。

これは仮説だが、恐らく五感で極限まで感じたものを脳が処理し、それらを想像が補い形を作り出したのだろうが…

「このまま…手前から順番に…ｶﾁｯｶﾁｯ」

彼はそのまま脳裏に浮かんでいる形を頼りに少しづつ箱を解除していった。

「…よし、出来たら」

『常時スキル〔五感強化〕〔第六感解放〕を獲得』
『〔第六感解放〕が〔直感〕へ進化』
『役職スキル〔発見〕を獲得』
『戦闘スキル〔気配察知〕を獲得』
『補助スキル〔心眼〕を獲得』

「おおう…なんかめちゃくちゃ獲得した…まぁ良いや、じゃあ次…あ、その前にもう1個やり方試してみるか」

俺はその解体した箱をもう一度組み立てた後、今度は魔力を通して内側から順番に引っ張って、一気に解放した。

『戦闘スキル〔魔糸操作〕を獲得』
『常時スキル〔魔力操作〕を獲得』
『戦闘スキル〔魔力探知〕を獲得』

「よし、次！えーっと、解析スキル…だから、この道具か。多分隠し要素があるんだろうから…〔心眼〕〔発見〕〔直感〕〔魔力探知〕」

…ってかこれ、結局なにをしたら正解なんだ？まぁ、とりあえず見た感じの使い方を一通り紙に書いておいて…

「取り敢えず書き終えたが…獲得できないってことはこれじゃないんだよな。ん～…じゃ、とりあえずこの紙に書いた通りに使ってみるか…
武器名は魔銃で、魔力を注ぐと注いだ量の銃弾が発射される…から、とりあえず少量を出して、影に撃って…次、銃の発射口の下の部分に魔力を注いだら…銃剣モード。
あとは、軽機関銃型のこの魔銃全体に魔力を許容量巡らせたら、双銃の軽機関銃型に変更、こっちは予め魔力量が決まっていて、込めた分だけの銃弾を打ち続ける…
必要以上に溜め込んだら、狙撃銃型になる…」

『役職スキル〔解析〕を獲得しました』

「よし、ついでに形だけは戻しておいて…あとは鑑定だな。宝石の見極め方は分からないが…まぁ、とりあえずはやってみるか。〔解析〕〔直感〕
ん～…重さと輝きで判断するしかないか…」

俺は直感を信じて本物っぽいのと偽物っぽいのを分けていった。

『役職スキル〔鑑定〕を獲得』
『称号〔学者〕を獲得』

「お、出来た。ちなみに宝石ってどれだったんだ？ん～…あ、これとこれ…うわ、何個か違う…ってことはこれ、たまたまだなぁ…まぁ良いや、とりあえずはこれで全部獲得したな。じゃ、戻しに行こう」