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1章 始まり
39.
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「おっちゃん、また解体頼んでいいか?」
「それは別にいいが…お前、スキル取ったんなら自分ですりゃあ良いだろ?」
「普段はそうしてるぞ?だが、忙しい時とかはやっぱ時間がかかっちまって」
「まぁ、別にいいが…っと、そうだ。黒王狼の解体、終わったぞ。解体分の金は引いてる」
「お、サンキュー。んで、今回ちょっと多いんだが頼んでもいいか?」
「ああ。あ、それと…この魔石はどうする?うーん…一応貰ってとく」
「そうか。で、数が多いんだったな。まぁ、レア物でも居ない限りチャチャッと終わらせるから問題ない」
「じゃ、頼んます。兎が数十匹と、覇者が2体」
「おう、わかっ…今なんて?」
「え?兎が数十匹?」
「そのあとだ」
「…ああ、覇者が2体?」
「おいおい、マジかよ…お前、覇者を2体もどうやって…倒せる奴は倒せるが、お前ソロだろ?」
「ああ、まぁ…でも、簡単だったぞ?集中さえ解けなければノーダメだし」
「そ、そうか…まぁ、覇者の方は何回かやったことがあるが…数が数だ、明日の昼までには終わってるとは思うが…」
「まぁ、俺もまだ色々とすることあるから大丈夫だ。
また時間ある時に取りに来る」
「分かった」
俺はインベントリにあった死体を全て解体場に預けた後、夕方になってきた頃に草原へと向かった。
[今からそっちに向かう]
[ワープしてくればよかろう]
[うい]
地図機能から黒狼の住処にワープし、俺は風の魔晶石を黒王狼に預けた。
「そういや、お前の素材を使って武器作ろうと思うんだが、別にいいか?」
«うむ、構わん。さて、終わったぞ»
「え、そんなすぐ?」
«あのドワーフの小僧が言っておったろう?魔晶石は力を宿したものだと。
緑の犬程度の力など、夜を支配する我の相手では無い。
一度支配し、外に放出すれば空になる»
「なるほど」
〔空の魔晶石〕
力の宿っていない魔晶石。
周囲の魔素を吸収して、変化をする。
「うん、ちゃんと出来てるな。ここらで光の魔素が多いところって言ったらどこだ?」
«そうだな…やはり、平原の丘か、あの山の頂上だな»
「やっぱそうだよなぁ…だが、俺あそこ行けないんよね」
«ああ、異邦人の特性か。ならば仕方あるまい»
「まぁ、どうせスキルで解決するから問題ないけどさ。
それより、黒影ってさ、俺は鎖だとか沼だとか、あとは狼とか…そういうのをイメージして使ってるけど、なんか良いアドバイスとかないか?」
«アドバイスもなにも…既に使いこなせているのだからそれでよかろうて。
強いて言えば、もう少し圧縮を意識すればよかろう»
「圧縮?」
«影の薄い場所でも、力を圧縮すればより強くなる»
黒王狼はそう言いながら、近くにある巨大な岩の方を向き、二度影の刃を飛ばした。
«1度目はお前が使う影だ。
そして、2度目が圧縮したものだ»
「…ああ、密度が…それに、より黒く染まってる…」
«これを覚えれば、より強固な黒影となる。
アドバイスはここまでだ、あとは自分で感覚を掴むがよい。それより、明日の約束は忘れるでないぞ»
「分かってるって。受付嬢さんをここに連れてくりゃ良いんだろ?」
«うむ!あの娘達は気が良いのだ。黒狼たちもあの娘にはよく懐いておる»
「たち?」
«ドワーフの小僧に、魔女の娘、あとは人間の小僧も居たか…冒険者ギルドといったか。あそこらの連中は皆、我の知り合いだ»
「ボスなのに人間とやたらつるむのな」
«ただ人間を殺すだけでは退屈だろう?»
「うーん、なるほど?」
「それは別にいいが…お前、スキル取ったんなら自分ですりゃあ良いだろ?」
「普段はそうしてるぞ?だが、忙しい時とかはやっぱ時間がかかっちまって」
「まぁ、別にいいが…っと、そうだ。黒王狼の解体、終わったぞ。解体分の金は引いてる」
「お、サンキュー。んで、今回ちょっと多いんだが頼んでもいいか?」
「ああ。あ、それと…この魔石はどうする?うーん…一応貰ってとく」
「そうか。で、数が多いんだったな。まぁ、レア物でも居ない限りチャチャッと終わらせるから問題ない」
「じゃ、頼んます。兎が数十匹と、覇者が2体」
「おう、わかっ…今なんて?」
「え?兎が数十匹?」
「そのあとだ」
「…ああ、覇者が2体?」
「おいおい、マジかよ…お前、覇者を2体もどうやって…倒せる奴は倒せるが、お前ソロだろ?」
「ああ、まぁ…でも、簡単だったぞ?集中さえ解けなければノーダメだし」
「そ、そうか…まぁ、覇者の方は何回かやったことがあるが…数が数だ、明日の昼までには終わってるとは思うが…」
「まぁ、俺もまだ色々とすることあるから大丈夫だ。
また時間ある時に取りに来る」
「分かった」
俺はインベントリにあった死体を全て解体場に預けた後、夕方になってきた頃に草原へと向かった。
[今からそっちに向かう]
[ワープしてくればよかろう]
[うい]
地図機能から黒狼の住処にワープし、俺は風の魔晶石を黒王狼に預けた。
「そういや、お前の素材を使って武器作ろうと思うんだが、別にいいか?」
«うむ、構わん。さて、終わったぞ»
「え、そんなすぐ?」
«あのドワーフの小僧が言っておったろう?魔晶石は力を宿したものだと。
緑の犬程度の力など、夜を支配する我の相手では無い。
一度支配し、外に放出すれば空になる»
「なるほど」
〔空の魔晶石〕
力の宿っていない魔晶石。
周囲の魔素を吸収して、変化をする。
「うん、ちゃんと出来てるな。ここらで光の魔素が多いところって言ったらどこだ?」
«そうだな…やはり、平原の丘か、あの山の頂上だな»
「やっぱそうだよなぁ…だが、俺あそこ行けないんよね」
«ああ、異邦人の特性か。ならば仕方あるまい»
「まぁ、どうせスキルで解決するから問題ないけどさ。
それより、黒影ってさ、俺は鎖だとか沼だとか、あとは狼とか…そういうのをイメージして使ってるけど、なんか良いアドバイスとかないか?」
«アドバイスもなにも…既に使いこなせているのだからそれでよかろうて。
強いて言えば、もう少し圧縮を意識すればよかろう»
「圧縮?」
«影の薄い場所でも、力を圧縮すればより強くなる»
黒王狼はそう言いながら、近くにある巨大な岩の方を向き、二度影の刃を飛ばした。
«1度目はお前が使う影だ。
そして、2度目が圧縮したものだ»
「…ああ、密度が…それに、より黒く染まってる…」
«これを覚えれば、より強固な黒影となる。
アドバイスはここまでだ、あとは自分で感覚を掴むがよい。それより、明日の約束は忘れるでないぞ»
「分かってるって。受付嬢さんをここに連れてくりゃ良いんだろ?」
«うむ!あの娘達は気が良いのだ。黒狼たちもあの娘にはよく懐いておる»
「たち?」
«ドワーフの小僧に、魔女の娘、あとは人間の小僧も居たか…冒険者ギルドといったか。あそこらの連中は皆、我の知り合いだ»
「ボスなのに人間とやたらつるむのな」
«ただ人間を殺すだけでは退屈だろう?»
「うーん、なるほど?」
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