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1章 始まり

20.

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「さてと…とりあえず、装備を作ることからだが…取り敢えず服屋に行こう」

 確か、鍛冶屋のおっちゃんが言ってた場所は…

「ここ、か。すみませーん、鍛冶屋のおっちゃんに言われて来たんすけど」
「話は聞いてるよ」
「その前にひとつ聞いても良いですか?」
「敬語は要らないよ。それでなんだい?」
「服にも装備と同じ様な感じで、特殊効果とかって付いたりするのか?」
「そうねぇ…私はたまに付くって感じだけど、異邦人からしたら裁縫とか革細工のレベルが高くなれば付与っていうスキルが開放されるから、そこまで勧められたら出来るね。
 あとは、異邦人の中だと自力制作でも付くけど、その場合はランダムだから…そこら辺は私らと同じだね」

 なるほど…スキルに複数の方法があったのはそれが理由なのか…

「うぅん…」
「自分でも作ってみたくなった?」
「ん?ああいや…まぁ、そうだな。どうせなら、自分で作ってみたくはあるが…」
「ははは!そりゃそうだ、異邦人なんて大抵が私らをNPCと呼んでなんでも作ってくれると勘違いしているが、職人にとっての至高品はそう簡単に作れるもんじゃない。
 そして、あんたは職人の中でも特殊だけど…自分の信じる物を作りたい、だろ?」
「…ああ、そうだな。確かに…見た目だけなら頼んでたかもしれないが…性能差が出来るなら、探究したいな」

 俺がそう呟くと、店員は少し相槌をうった後、奥へと入っていった。

「私がまだ店を持っていなかった頃、愛用していた魔道具と、皮の加工方法、服の作り方を書いてある本だよ。
 それとこれ、買うかい?今なら特別に割引で500ガルドだよ」

 彼女がその後に持ってきたのは、革細工と裁縫、そして服飾という3つのスキルだった。

「裁縫は2つ持っておくように、そして服飾を獲得してから裁縫を獲得すると複合して服製という服装備専用のスキルになる」
「良いのか?客が減るが」
「気にしなくていいよ。その代わり…2体の皮を2枚ずつ取ってきて欲しい。
 黒狼と緑狼…両方狼種の上位種よ」
「じゃ、まずは黒狼だ。これはなんか…うん、知り合いから何時でも頼めると思う」
「知り合いって?」
「あんたも異邦人のメニュー画面って見れるか?」
「異邦人側が設定したらいけるよ」
「こっち側か」

 俺は設定画面を開き、一通りスクロールした後、NPCへの表示をONにした後、店員にフレンド一覧を開いた。

「この間夜の平原で勝手に登録されてな」
「こ、これって…黒王狼!?」
「そう。んで、この間あいつへの挑戦権として黒狼との乱戦をさせられてな」
「はへぇ…なるほどね、それなら確かに黒狼の素材は集められるね。
 後は、緑狼だけど…こっちもたまにしか出てこないから、頑張ってね」
「おう」

『クエスト〔狼の毛皮を納品〕が受注されました』

 〔狼の毛皮を納品〕
[クリア条件]
黒狼の毛皮×2
緑狼の毛皮×2
500ガルド  を納品
[失敗条件]
なし
[クリア報酬]
スキル本×4
革細工指南書
裁縫指南書
作業台の魔道具(服製用)
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