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1章 始まり

4.

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「なんだ?異邦人がここに来るとは珍しいな」
「解体スキルを獲得したくてな」
「なるほどな、ほら。これがスキル書だ。
 解体スキルは2種類あり、1つはスキル名を死体に唱えること。これはドロップ率がスキル無しの時と比べて増えるが、それでも解体時よりかは少ない。
 2つ目は、解体の補助。自分で最初から最後まで解体する時に、アシストしてくれる機能だ。こっちは全ての素材が手に入るし、加えて稀に追加報酬も貰える」
「分かった。ありがとう」
「早速試してみるか?」
「いや、また今度にするよ。この後、鍛冶の方にも行くからな」
「そうか、練習したい時はいつでも来い。ここには死体が腐るほどあるからな」
「ありがとう」

 さてと、ラストは鍛冶だな。それにしても、アシスト機能があるなら、断然そっちの方が良いだろうに…なんで二種類もあるんだろうな?
 まぁ、気にしなくても良いか…

「っと、右折するんだったな。扉…はないが、ここで合ってるようだな」
「…静かに入ってきたのは褒めてやる、異邦人」
「ドワーフか?」
「ああ。なにか嫌か?」
「いいや?取り敢えず、鍛冶について教えてくれ」
「自身で作るやり方と組み立てるやり方の2つだ。
 自身で作る方は、慣れればちゃんとした剣が作れるようになるだろうが、それまでは殆どがナマクラだ。
 組み立ては、選択した難易度から、完成率と完成スピードによって品質が変わる。
 この2つの違いは、作成後に付与を使えるかどうか、付与は様々な効果があるが、代表的なものは耐久値上昇や鋭利化、属性付与なんかがある」
「なるほど。組み立てるとそれらが付与できないってことか」
「ああ。ひとつ試していくか?」
「んー、いや。今はやめておく。暫くは自分で練習しようかと思う」
「そうか。だったら、そこの隅にある鍛冶場ならいつでも使ってくれたら良い。
 あそこは見習い用で殆ど空きっぱなしだ」
「分かった。使わせてもらう」

 さて、とりあえずこれで一通りは終わったが…まずは資金稼ぎからだな。

「取り敢えず、冒険者ギルドの依頼を見ながら考えるか」

 俺はそう言って鍛冶屋を出て左折し、さっき来た道をそのまま戻って行った。

「…っと、ここか?よし、受付に戻れたな」
「お疲れ様でした。この後はどうされますか?」
「取り敢えず、依頼を何個か受けて金を稼ごうかと思ってる所だ」
「でしたら、まずはFランクからお試しでやっていくとよろしいかと」
「Fランクは何があるんだ?」
「スライム討伐や下水道の掃除、ペット探し、鉱石採掘、薬草採取など、比較的安全なものがFランクに指定されています」
「なるほど。ちなみに、鉱石採掘で規定より多かった場合はこっちが貰ってもいいのか?」
「はい。また、道具もこちらから出させて頂いております」
「なるほど。じゃあ、薬草採取とスライム討伐、鉱石採掘の3つを受けさせてもらう」
「かしこまりました。進捗状況は冒険者ボードから確認出来ますので、そちらをご覧下さい。
また、常設依頼はボードから直接受けることも可能です」
「直接?」
「ボードを横にスクロールしていただくと、出てきます」
「お、ほんとだ。わかった、ありがとう」
「依頼達成時は、異邦人の方はインベントリから自動回収されますのでご注意ください。
それでは、ご武運を」
「おう、行ってきます」
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