異世界に転生して性転換したけどとりあえず生きてる

まずは能力の把握から

　予定のまとめや各種調整や手続きをしているとあっという間に１週間が過ぎてしまった。

　掲示板でユウキの部隊の初日の訓練の場所と時間は知らせてあるので問題はないだろう。



「うわぁ、ちゃんといるよぉ」

　当たり前である、隊長であるユウキが指示を出したのだから隊員はそれに従ったまでである。

「これより、訓練を初めて行きたいと思います、まずは君たちの力量を見てみたいので……、１人づつ自己紹介がてらに私に1回攻撃してみて下さい」

　自分に攻撃しろなどという無茶ぶりに全員驚くものの、大きなリアクションする事なく順番に並び始める。



「……では私から行かせていただきます」

　一番手前にいた隊員がやっていいのか分からないままユウキに向かって炎の弾を発射してした、ユウキはこの程度ならと簡単に無効化させる。

「ふむ、で名前は？」

「は、自分はアルフ・アインであります」

「君がアイン君だね、分かった次」

　手元にある隊員の資料を見ながら顔を見ていく。

「それでは私が行きます、名前はシルミット・ハーディガンです、行きます！」

　次は自信満々の女性隊員が名乗りを上げてきた、どうやら攻撃に自信があるようでしっかりと構えてから攻撃してきた、石礫を出現させて風の魔法で回転と加速して攻撃してきた。

「ふむ……」

　さすがに自信があるだけあって適当に対処はできずにユウキも魔法を発動して打ち消した。

「ハーディガンさんね、次」

「自分はジル・ブリリットであります、自分は魔法があまり得意ではないので剣術でも大丈夫ししょうか？」

「いいよ、じゃあ３回くらいを目安に撃ち込んでみて」

「では、失礼します」

　真っ直ぐで素直な打ち込みだった、ミネルバやユウキの父親の記憶があるのでこの程度なら簡単に受け流せる。

「もういいよ、次」

　こうして隊員達の攻撃を適当に打ち消して力量を測っていく、全員まだ新人な事もあってある程度の強さは把握できたと思う、ついでに隊員全員の攻撃を簡単に処理して何事もなかったようにしているので隊長に対してある程度の敬意と恐怖ができたようだ。

「じゃあ次は適当な所まで走り込みしてもらうよ、自分が辛いと思うまででいいよ、今回は特にノルマはないからね、あと私も走るからね」

　ユウキ達が使用している場所はいろいろ訓練できるようにそこそこ広いので走るには十分な距離がある。

「じゃあ私が1週目は先導するから２週目以降は各自自由に走ってね」

　そういえばユウキも自分がどれだけ持久力があるのか把握していなかったのでついでに自分も把握してみる。





「あ、無理……」

　ユウキが一番最初にギブアップした、戦闘だったらもっと継続できるのだが単純なランニングでは４週ほどで辛くなってしまった。