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旧校舎の結末
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「さーてドロップアイテムはーっと」
ユウキが真っ黒な何かがいた所まで行くと今度は鍵ではなく別の物が落ちていた。
「なにこれ?」
「うーん……レンズ、かなぁ」
「なんのレンズだろう」
「何かの機械に取り付けるんじゃない、これだけじゃ何にも意味なさそうだし」
「そうなんだ、でもレンズなんて学校で何に使うんだろ?」
「それはこの校舎から不明だねー」
レンズを不思議そうに観察しているとまた真っ黒な何かがきた、もちろんそれも倒していく。
「あれ、別の物が落ちた」
真っ黒な何かが落としたのは同じレンズだがこちらは赤い色をしている。
「微妙に違うね…」
「鍵じゃないからここからどうしたらいいんだろ」
それから何体も現れては倒し現れては倒しを繰り返していた、それらから相変わらず色の違うレンズを落としていく。
「あぁ、もう鬱陶しい!!」
たまにマキナが面倒くさくなり濁流を起こす、怒りに任せて放つのでユウキもとばっちりをくらう。
「エラ呼吸できなければ死んでいた……」
濁流中に発しているためもちろんマキナには聞こえていない。
「もう早く帰りたい!!」
「だねー、さすがに本気出そうか……」
「え、何とかなるの?」
「それはやってみないと分かんないけどね」
「やってみようすぐにやってみよう、大丈夫敵は私が全部倒しておくから!」
張り切るマキナをよそにユウキは壁に手を当てる。
「何やってるの?」
「こうやって魔力を壁に当ててどこまで壊せるか調べてる」
「解るの?」
「かなり時間掛かるけどね」
「解った……」
時間がかかっても解決するのならと我慢してマキナが何体も真っ黒な何かを倒し続けた。
「よし!」
ユウキが気合いを入れるように呟いてから壁に当てていた手に力を込める、すると壁にひびが入り崩れていった。
「やったこれで脱出できる」
「いやそれは流石に反則じゃないかの?」
マキナが喜んでいる所にいきなり声がかかる。
「あれ、校長先生じゃないですか」
いつの間にか校長先生が後ろに立っていた。
「まだ作りかけなのに強行突破にしおって、荒らすだけ荒らして最後は壁の破壊、もう流石に勘弁してくれ」
「え、これ校長先生が作ったの?」
「作りかけじゃがな」
「作りかけって校長が作ってるのですか?」
「昔が懐かしくてな、こっそり作っておったら転生してきた奴にうっかり見つかってな、外側は速攻で出来たのだがなぁ、システムがいまいちのぉ」
「懐かしいのは解らなくもないけどさー」
「というか侵入できないようにしていたはずなんだがのぉ」
「そこはまぁ、強引に突破しましたよ」
「え、あれをか!」
わざとらしく大げさに驚く。
「というかあの真っ黒なモノはなんなんですか?」
「あぁ、あれな、ただの不具合、バグなんじゃよ」
「……はぁ?!」
「いやーまさか強行突破してくるとは思わなかったしの、適当に雑魚敵を配置しておった名残じゃな」
「なんか、拍子抜けっていうか……」
「だねー無駄に疲れた」
今までやっていた事が無意味に感じてしまい一気に力が抜ける。
「無理やり入っておいてそれか…まったく、とにかくもう寮に戻りなさい」
校長先生に案内され出口まで簡単にたどり着く。
「え、出口ココだったの?!」
たどり着いた場所は最初に侵入した所だ。
「ワシが今ココに作ったんじゃ、今回は不問にするから誰にも言わんでくれ」
「と言いましても依頼で来たものでねぇ」
「はぁ、じゃあそれとなく濁しておいてくれ」
後日…。
「そういえばあの旧校舎はどうだった?」
「あーうん、なんかただの人の製作物だった、それが無駄に大きかっただけ」
「なーんだ、誰かの作り物かぁ」
「ただすっごく時間がかかってるからいろいろな人が偶然見てそんな噂が出たと思う」
「そうなんだー、というかそもそも旧校舎ってどういうことんだろ、この校舎はまだ立て直ししたとか聞かないしなぁ」
「多分、見た感じ古そうだから旧校舎って呼ばれてるんじゃないかな、中は普通だったし」
「え、中に入れたの!」
「これでもAランクですし、ま……拍子抜けで特に何もありませんでしたけど」
「そうなんだ、こういっちゃなんだけど知りたくなかったことばっかりだね」
「だねー、私もだよー」
すごくつまらなそうにして元のグループの所に戻っていった。
「なんか釈然としない終わり方だなぁ」
ユウキが真っ黒な何かがいた所まで行くと今度は鍵ではなく別の物が落ちていた。
「なにこれ?」
「うーん……レンズ、かなぁ」
「なんのレンズだろう」
「何かの機械に取り付けるんじゃない、これだけじゃ何にも意味なさそうだし」
「そうなんだ、でもレンズなんて学校で何に使うんだろ?」
「それはこの校舎から不明だねー」
レンズを不思議そうに観察しているとまた真っ黒な何かがきた、もちろんそれも倒していく。
「あれ、別の物が落ちた」
真っ黒な何かが落としたのは同じレンズだがこちらは赤い色をしている。
「微妙に違うね…」
「鍵じゃないからここからどうしたらいいんだろ」
それから何体も現れては倒し現れては倒しを繰り返していた、それらから相変わらず色の違うレンズを落としていく。
「あぁ、もう鬱陶しい!!」
たまにマキナが面倒くさくなり濁流を起こす、怒りに任せて放つのでユウキもとばっちりをくらう。
「エラ呼吸できなければ死んでいた……」
濁流中に発しているためもちろんマキナには聞こえていない。
「もう早く帰りたい!!」
「だねー、さすがに本気出そうか……」
「え、何とかなるの?」
「それはやってみないと分かんないけどね」
「やってみようすぐにやってみよう、大丈夫敵は私が全部倒しておくから!」
張り切るマキナをよそにユウキは壁に手を当てる。
「何やってるの?」
「こうやって魔力を壁に当ててどこまで壊せるか調べてる」
「解るの?」
「かなり時間掛かるけどね」
「解った……」
時間がかかっても解決するのならと我慢してマキナが何体も真っ黒な何かを倒し続けた。
「よし!」
ユウキが気合いを入れるように呟いてから壁に当てていた手に力を込める、すると壁にひびが入り崩れていった。
「やったこれで脱出できる」
「いやそれは流石に反則じゃないかの?」
マキナが喜んでいる所にいきなり声がかかる。
「あれ、校長先生じゃないですか」
いつの間にか校長先生が後ろに立っていた。
「まだ作りかけなのに強行突破にしおって、荒らすだけ荒らして最後は壁の破壊、もう流石に勘弁してくれ」
「え、これ校長先生が作ったの?」
「作りかけじゃがな」
「作りかけって校長が作ってるのですか?」
「昔が懐かしくてな、こっそり作っておったら転生してきた奴にうっかり見つかってな、外側は速攻で出来たのだがなぁ、システムがいまいちのぉ」
「懐かしいのは解らなくもないけどさー」
「というか侵入できないようにしていたはずなんだがのぉ」
「そこはまぁ、強引に突破しましたよ」
「え、あれをか!」
わざとらしく大げさに驚く。
「というかあの真っ黒なモノはなんなんですか?」
「あぁ、あれな、ただの不具合、バグなんじゃよ」
「……はぁ?!」
「いやーまさか強行突破してくるとは思わなかったしの、適当に雑魚敵を配置しておった名残じゃな」
「なんか、拍子抜けっていうか……」
「だねー無駄に疲れた」
今までやっていた事が無意味に感じてしまい一気に力が抜ける。
「無理やり入っておいてそれか…まったく、とにかくもう寮に戻りなさい」
校長先生に案内され出口まで簡単にたどり着く。
「え、出口ココだったの?!」
たどり着いた場所は最初に侵入した所だ。
「ワシが今ココに作ったんじゃ、今回は不問にするから誰にも言わんでくれ」
「と言いましても依頼で来たものでねぇ」
「はぁ、じゃあそれとなく濁しておいてくれ」
後日…。
「そういえばあの旧校舎はどうだった?」
「あーうん、なんかただの人の製作物だった、それが無駄に大きかっただけ」
「なーんだ、誰かの作り物かぁ」
「ただすっごく時間がかかってるからいろいろな人が偶然見てそんな噂が出たと思う」
「そうなんだー、というかそもそも旧校舎ってどういうことんだろ、この校舎はまだ立て直ししたとか聞かないしなぁ」
「多分、見た感じ古そうだから旧校舎って呼ばれてるんじゃないかな、中は普通だったし」
「え、中に入れたの!」
「これでもAランクですし、ま……拍子抜けで特に何もありませんでしたけど」
「そうなんだ、こういっちゃなんだけど知りたくなかったことばっかりだね」
「だねー、私もだよー」
すごくつまらなそうにして元のグループの所に戻っていった。
「なんか釈然としない終わり方だなぁ」
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