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結界の中

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「さて…と」

 1人になり臆することなく建物の中をなるべく散らかすこととが無いように物色する。



「一応は普通の民家だな…少し金持ちの」

 この建物には大して変わった物はなくつまらないものだった。

「あとは…」

 次はわざと足音を鳴らしながらくまなく歩いてみる。



「……お?!」

 調理場で割と薄い感じがしたので、床のマットをめくると取っ手を見つけた、取っ手を引くと人一人が入るスペースがありそのスペースを覗くと少し横に下に続く階段があった。

 もちろん明かりなどないがユウキは最近暗闇でも問題なく見渡す事が出来るようになった。

「お、楽だな」

 階段は14段ほどで、それ以降は幅3mほどの通路が続き、緩やかなカーブの坂道になっていて先が見えない、側面は薄暗いレンガの壁に覆われていてどこか牢屋がイメージされる。

 通路の奥に進んでいくと段々と毒気が満ちていく、空気より重いガスが充満しているようだがユウキは最近その毒気に耐性が付きやすくなったのですぐに慣れて進んでいく。



「そろそろ姿を表しても良いんじゃないですかぁー?、私はギルドから派遣された物ですぅ、こんな毒物を扱う事は禁止されていますよぉ、おとなしく投降すれば少々なりとも弁解の余地がありますよぉー…って言っても無駄かな?」

 ユウキの声が響く以外はずっと静かなままで仕方がないのでさらに進むことにした。



 それから4メートル四方の部屋に出たが特に何もなくユウキは気にせず素通りしようとちょうど真ん中に来た時に、いきなりレンガの一部が崩れて隙間から触手が生えユウキを絡めつく。

「絡みつきかたがキモイ!」

 ユウキの体中から骨で出来た刃物が飛び出して触手を切り裂いていき触手が更に絡みついてくるが切り裂かれていき、触手から解放される。

「炎よ敵を全て食らい焼き尽くせ、食らい炎!」

 ユウキから放たれた炎はまるで生きているかのように触手を呑み込み、レンガの隙間の奥まで灰にしてしまった。

 もう触手がでないのを確認しユウキは進んで行った。



「まさかここまで来るなんて驚きましたよ」

「あんた誰だ!?」

「私はミ=ゴと呼ばれています」

 最深部に到着したのか一人白衣を着たナニカがそこにいた。
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