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魔法学校の臨時講師

担当する科目

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自分の胸の真ん中にしっかりと槍が貫通していた。
「負けっすね…」
段々と視界が暗くなっていく、力が抜けてくる、体から血が流れてまるで川の中にいるみたいだ…、川の中で温かいのに段々と寒くなってくる……。


「……あれ?」
「あ、おきた?」
頭だけ柔らかくて他の箇所が固い…そして顔が涙でぐちゃぐちゃになったサヨの顔が近い、つまり膝枕だな。

「その子すごいね…、貴方が倒れた瞬間に発狂して私を8回殺したんだから、その系統のトラウマがあるんだったら先に言ってよね、ここの空間なら死なないから罪に問われないけど、ここ以外だったら貴女国わおろか世界を敵に回す事になるわね…」
「私は最愛の人を殺すような世界なら喜んで敵にまわります」
泣き顔ではっきりと言葉が喋れないハズなのにしっかりと敵意を持って話す。
起き上がってサヨを抱き寄せる、珍しくガッツリと体重を乗せてきたのでこれは本当に精神的に参っているようだ。

「とりあえず、あなた達じゃ実技は無理ね…、後は……」
後ろポケットから筒を取り出す、そこから半透明のシートが出現し文字が浮かび上がる。
「そうね…選択科目で人気が無いけどちょうど人がいない『ゴーレム工学』でお願いしますね」

「……なんすかそれ?」
ロボット工学のようなものだろうか…。

「この世界ではいまだにゴーレムの使用が遺跡の発掘品を改造したものしかないんです、『ゴーレム工学』の科目では戦闘に役に立つゴーレムを開発する事を目的にしています」

「はぁ…」
「いちおう頂いた貴方の資料にはゴーレム開発に携わった過去があるようで、お願いしますね、あ一応補助金が出ますので自腹でする必要はないですよ」
そもそも開発系を自前なんて秒速で破産する未来しかみえない。
「それは安心しました、これからよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますね」
「ところで僕らはどこで寝泊りすればいいですか?」
「あー…そうですね、宿直室は用意してありますのでそちらでお願いしますね、あとこの学院と外と行き来するための鍵が必要なので渡しておきますね」
「ありがとうございます」
鍵を2つもらい、宿直室に移動する。

「さしずめワンルームだな、悪くない」
一通りの家具は新品ではないが揃っており、普通に生活する分には不便はなさそうだ。
机の上に今後の予定表があった、つい先ほど担当する教科が決まったはずだが、しっかりと『ゴーレム工学』の予定表になっていた。
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