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玩具の世界は無駄に壮大になりがち

手加減の難しさ

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「……ていうか僕らの機体ってあんなのだっけ?」
「あれぇ?」
 メリジューヌだった頃は特に見た目の変化はなかったが恵美が乗り込んでから機体のシルエットが丸みを帯びて棘のような物が増えていた。
「乗る人によって見た目変わる機能ってあったっけ?」
「そんなの無かったハズだけど……」
 2人で顔を合わせて首をかしげる、なんか最近こうする事が増えた気がする、そんなこんなで惚けていると大きな爆発音と共に目の前に恵美が降りてきた。
「終わった、よ?」
 自分達があまり良い表情をしていないので少し不安になったようだ。
「あぁ、ちょっと考え事をしてたんだ」
「そうなんだ」
 とりあえずごまかしておく。
「ところで強さはどうだった?」
「めちゃくちゃ弱かった、というか柔らかかった」
「柔らかい、ってどゆこと?」
「簡単な攻撃ですぐに破損しててまるで紙とかプラスチックで出来てるみたいだった」
「もしかして出しちゃダメなヤツだったかも……」
「そうかも……」
 明らかに過剰戦力だったので世界観に合わない物を出してしまった気がする。

「大丈夫かな………?」
「とりあえずはしばらく潜伏しておこう、それとこの世界についてだ」
 人通りの少ない所に移動してから端末でこの世界のについて調べる。
「えっとね、あー玩具がメインで戦う世界みたいだ、あープラスチックがメインの装甲で戦う世界になってる、鉄だとそもそも動かないらしい」
「あー……」
 3人でやってしまったと落ち込んでしまった、自分達がもっている物の装甲は合金製なので全然違う物だ、というかそもそも大きさが違うので戦わせる事はないだろう。
「とりあえず機体を出すのは控えようか……」
「そうだね……」
「うん……」



「あ、マジで?」
「どうしたの?」
「ほれ、コレ」
 暇なので端末を弄ってみると今回は長期になる事が確実なようで拠点というか家が用意されているようだった。
「行くか」
「そうだね」
「うん」
 端末の地図を頼りに一切土地勘がない道を進んでいく、30分ほど歩くと住宅街の中にある一軒家の前に到着した、表札には自分の苗字である橘とあった、この家で間違いないだろう。
 ドアには鍵がかかっておらずすんなり入る事ができた、玄関にある靴箱の上にはこの家の物であろう鍵といろいろな書類がおいてあった。
 書類を持ってリビングにいき読み込んでいく、どうやら自分達はこの家で家族としてしばらく暮らすことになるようだ、それに恵美の学校編入の書類も揃っていた、自分とサヨはこの世界でよくわからない仕事をする事になったようだ、一応20歳になってないだけどなぁ……。
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