上 下
360 / 425
レベル1の転生者

長い狩り

しおりを挟む
「1人の方が多く経験値が入るみたいですね」
「そうみたいだな……」
「でも1人でやっていると体力も時間もかかってしまいますね」
 転生者は1人でレベル上げをしたいようだがサヨが言った通りに体力も時間も多く消費してしまい、今回は無かったがケガでもしてしまえば続けてレベル上げが遅くなってしまうので今の状態であれば自分やサヨに頼った方が最終的に多くかつ安全にレベル上げができるだろう。
「まぁしょうがないか、ところで俺はどれほどレベルを上げればいいんだ?」
 その質問は予想していなかったのか答えが出せずにサヨと顔を見合わせる、どうやらサヨもわからなかったようだ。
 とりあえず端末を見ても表示は変わらないままで転生者のレベルを上げる旨が表示してあるのみなのでまだまだレベル上げは終わっていないのだろう、そもそもこの世界でのレベルの基準がわからなので、転生者の今のレベルである30ほどの数値も高いのか低いのかもわからない。
「うーん詳しくは聞いていないので自分もわからないのですが、とりあえず50まで一気に上げてしまいましょう」
「……わかった」
 それから場所を変えながら少しづつ魔物を狩りながらレベルを上げていく、やはりレベルが上がるにつれて必要な魔物が数が多くなってくる、幸いにも自分たちの攻撃はこの世界の法則に従っていないので簡単に倒す事ができる、反対に転生者の装備ではダメージすら与えられない事が多くなってきた、その度に魔物の一部をナイフとして使用していた、防具に関しては最低限で基本的に自分たちが仕留めていた。


「何とか……50まで行きました」
「やっとか、了解です、終わりましょう」
 期間にするとおおよそ1カ月ほどだろうか、レベルを40超えたあたりから一気に成長が鈍化していき、49から50レベルまで上げるのに5日もかかってしまった。
 とにかく終わった事に対する安堵が大きく達成に勝ってしまった。
「そういえばあんたたちはどれくらいレベルが上がったんだ?」
「いや、自分たちは上がってないよ」
「どういうことだ、あれだけ倒して俺の経験値は少しだったんだぞ、あんたたちには大量に入っているハズだ」
 残念な事に自分たちはこの世界の者ではないため、経験値は入らないのでレベルは上がらず、効率の良い魔物の処理を体で覚えたくらいである。
「じゃあいったその経験値はどこに行ったんだよ……」
 そんな事を言われても自分たちはこの世界の住人ですらないので説明なんてできる訳もなかった。
「それは私が説明する!」
 転生者の疑問にいきなり白い翼の生えた全裸の女性が今にも殴りかかってきそうな形相で現れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

処理中です...