異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

火力特盛

後始末

「間に合いますかね？」
「間に合わせるしかないだろう」
　心配になって思わず聞いてしまった、回答は言わずもがな。

「よし、予備も総動員だ」
　中心に立ってた人がどこからかタンクを４本取り出してつなげ始める。
「俺らも予備を解放だ、なんなら動力もつけるぜ！」
　自分達には予備のエネルギーがないのでコレを機会に予備は必要になりそうなので用意しておいてもいいだろう。
「これなら行ける！」
　それによって十分な量に届いたのか発射準備に取り掛かる。

「カウントダウンは省略「させるかｧ！」
　発射直前になった所で例の女性が現れて発射する直前に攻撃を繰り出して強制帰還させた。
「えっ？」
　気が付くと自分も強制帰還されていた。

「おかえりなさい」
「すいません、破壊できませんでした」
　相手が強すぎたのもあって自分がほとんど何もできずに終わってしまった、そして初めての仕事の失敗もあってかなり落ち込んでしまう、サヨも悔しかったのか拳を固く握りしめている。

「実は失敗ではないんですよ」
　受付の人が失敗してと言って自分の含めて複数の人が驚いている。
「そうなんですか？」
「実は、皆さんが帰還した後に向こうの転生者が皆さんの残骸とか残留したエネルギーを再利用して１人で破壊してしまったみたいです。
「マジですかぁ……」
　１人でアレをやり切ったらしく他の人も驚いていた。
「アレを１人で……」
　中でも自分達を仕切っていた人が一番落ち込んでいた。
「アレってどんな大きさだったんですか？」
「あぁ、アレは火星と同じ大きさだったんだ、正直あのメンツが全員そろっていないと破壊は難しいと思っていたのに、あれを残骸と残留エネルギーだけでやり切ったなんて……」
「ど、ドンマイです」
　ここはさすが主人公だと思っておこう、サヨも驚きと悔しさが混ざった顔をしている。

「強くなろう……」
「はい」
　自分もいつか主人公と呼ばれるようになりたいという思いから小さく言葉が漏れた、サヨはそれを逃さず小さく返してくれた。