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海洋の底へ

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 発見されたサヨと巨大サメの死骸はすぐさま回収された。
「キミ、怪我はないかい?」
「はい、スーツが丈夫だったおかげで私は無事です」
「あのサメはどうした?、死んでいるみたいだが……」
「それは分からなくて、いつの間にかひっくり返っていたんです」
「そうか、やはり一筋縄ではいかないな……、よし一旦基地に帰るぞ」
 女性の一声で帰還することが決定した、自分達を救助した方の船も帰還するようだ。

「周囲に反応なし、光学迷彩解除、誘導に従い2番に着艦します」
 オペレーターが状況を報告する。
「うむ、アームを固定して整備は船外に各員は着艦次第、数名以外自由時間とする、お疲れ様」
 女性がそう言うと数名から安堵の音が聞こえてくる。

 基地に着艦すると一度船が大きく揺れた、船に何か取りつけたのだろう。
「急な任務ご苦労、何か発見はあったか?」
 いきなり大きなモニターにでかでかと初老の男性の顔が大きく表示される。
「いえ、不明です」
 自分達以外の人たちは抜けていた気持ちを正してモニターに向かい、どうやらかなり高い地位にいる人のようだ。
「そうか、まぁゆっくり休んでくれ」
 初老の男性がねぎらうとモニターの表示が消え、周りから体力が大きく抜けたような気がした。
「各員、休んでくれ……、それからお前らとお前、ついてこい」
「はい?」
 自分達3人と計器類を弄っていた。

「お前たちはついさっき来た新人という事になる、今は一応私の部下という扱いになっている、がしかしこの船を下りた瞬間から無所属になる、ココで会ったのも何かの縁だ、なるべくおとなしくしていてほしい」
「わかりました?」
「それでは解散、いちど基地に入って手続きしてくれ、行き先は彼が案内してくれる」
「そんなわけでついて来てくれ」
 女性に促されるまま船を出るとかなり入り組んだ道を進んでいく、これは案内がいないと確実に迷ってしまいそうだ。
「お前たちが今回の新入りか?」
 案内された先には厳つい男性が暇そうにこちらを見ていた。
「そうなんですか?」
「お前たちは何をしに来たんだ?」
「僕らは船が沈んで救助されてそれでここまで来たんですが……」
「あぁ、あのバカ……お前らがここまで来てしまったからには簡単に帰す訳にはいかんからな……、ちょっと待ってろ」
 厳つい男性が頭を抱えてパソコンに向かって面相臭さそうに操作を始める。
「とりあえず一旦お前たちの処遇は保留にする、一度待機していろ、決まるまで客間で待っていろ」
「わかりました」
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