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海洋の底へ

バラバラから見つけた物

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「ああぁ……」
 男性の所有物だった船がバラされていく度に情けない声を上げていく。
「もう自分の物じゃないんだし、命が助かんだからもう船の事は諦めたら?」
「そうだけど、そうだけども……あぁ」
「まぁでもあんたの船は良い素材になってるよ、良い物をそろえたんだね」
「そうだよ、大穴で一発あててそれを全部つぎ込んだんだよ、僕の人生が3回繰り返しても貯める事ができないほどの金額だったんだ、だから変な物が来るから船に全部つぎ込んだんだよぉ……」
「分不相応だったじゃね、少しでも夢が見れたんだからいいじゃん」
「ははは……」
「あいつは放置しておいてお前らがメインでやるぞ」
「あ、はい」
 落ち込んでいる男性は放置して潜水艦の外装を修理をしている、サヨはロボットの修理はできるのだが船舶含め潜水艦の修理はできない、もちろん自分はまったく分からないので言われるがまま資材を運んだり押さえつけたりしている。

「とりあえずコレで応急修理は終わったから基地に向かうぞ」
 修理が終わったようで全員で乗り込み出発する、応急処置した程度なので深い所は進めないようだ。
 修理に使われた男性の物だった船は原型は無くなっており、資材置き場にバラバラに保管されている、男性はいまだにショックから解放されていないようで資材置き場で黄昏ている。

 しばらく進んでいると響いていたエンジンの音がゆっくりとおさまっていく。
「ちょっと申し訳ないが、お前たちの地上は当分先送りになった」
「……どういう事ですか?」
「遺跡を見つけてしまった、こうなったらココにとぼまって応援を呼ぶしかない、しかもココは海流の関係とかもろもろで動けないからお前らにはまたしばらくいてもらうぞ」
「マジですかー」
 自分も男性も思うように行かないようで落ち込んでいるが潜水艦側の人たちも嫌な物を見つけてしまったようで嫌そうな顔をしている。
「ちなみに見に行ったりはしないんですか?」
「残念ながらコレは輸送船も兼ねているからそういった本格的な装備は積んでないんだわ」
「つまりしばらく待機だと?」
「……そうなるな」
「船長、あと1時間ほどで来るってさ」
「だとさ、変な事しても全員水圧で死ぬだけだからな」
「そこは分かってますよ」
「ならいい」

「さてどうするか……」
「暇だねー」
 適当に2人でいちゃいちゃでもして時間を潰す、こうやって2人でのんびりしているのは久々な気がする。
「…疎外感デカいから戻るわ」
「なんかごめん」
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