上 下
218 / 425
SFにおけるなんかすごい物質

簡易護衛

しおりを挟む
「それで何をすればいいのですか?」
 女性の拘束から解放されたので質問してみる、もう逃げも隠れもする気はない。
「そうね、ひとまずは目的地まで護衛してももらおうかしら、2人とも並以上の実力はあるでしょう?」
「ええ、まぁ……」
「その辺の自覚はあるのね、ま詮索はしないでおいてあげる」
「助かります、それどどこまで行けばいいのですか?」
「北山城町って所なんだけどね」
「いやちょっとわからないですね……」
 サヨの方を向いてみるが首を横に振ったので知らないようだ、とりあえず周囲を警戒しながら付いていくことにした。

 閑静な住宅街を抜けると大きなターミナル駅にたどりついた流石にそこまで来ると人通りも多くなってくる。
「ひとまずはここまで来れたわね、そういえば貴方たちお金もっているの?」
「いえ無いです……」
 この世界に来たばかりなのでもちろん持ち合わせていない。
「しょうがないわね、3人分は結構イタイんだから本当にしっかりと働いてもらうからね」
「……わかりました」
 この世界でも電車の移動方法は日本のモノと変わらないようだ、紙のキップを受け取ってから改札を通る。

 ホームに到着すると異世界に来たことが実感できるものが見えた、ホームの間にはレールはなく上にケーブルが張り巡らされていた。
「何、電車がそんなに珍しいの?」
「そうですね、こういった駅は初めてですよ」
「ずいぶん田舎に住んでたのね」
 説明するのも面倒なのでこのまま勘違いさせたままにしよう。
 しばらく待っているとアナウンスと共にホームに電車がやってきた、見た目は前世の日本と変わらないが車輪がなく宙に浮いておりパンタグラフでケーブルに触れているためぶら下がっている様子でもない、それに地面が平らで溝などがないため磁力などで浮いている訳でもないようだ、そのことに関して他の人が当たり前のようにしているのでこの世界での電車はアレが普通なのだろう。

 電車で30分ほど乗り継いで富士山らしき山が見える駅で降りた。
「あの山はいつ見てもきれいね」
「そうっすね」
 あの山自体はきれいなのでとりあえず同意しておく。
「目的地はあの山のふもとだから歩くわよ」
「マジっすか?!」
「交通費がないからしょうがないじゃない」
「すいません」
 お金のことを言われてしまうとぐうの音もでないので渋々歩きだす、あの山のふもとまでは割と距離があるようで到着する頃には完全に太陽が沈んでいるだろう。

「ひとまずはここで1泊するわよ」
「え、お金大丈夫なんですか?」
「この辺は人数に対してじゃなくて部屋数に応じて値段が設定されているから交通費よりも安く済むのよ、明日はかなり動いてもらうからゆっくり休んでなさい」
「わかりました」
「はーい」
 ここは野宿するよりはマシだと思って素直にさっさと寝てしまおう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

処理中です...