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変身ヒーローの世界

変身に必要な物

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「実は僕はこの世界以外で生きた記憶があるんだ……」
 知ってた、というか知っていたから近くにいるのだが、しかし表情は真剣そのものなので黙って聞いておく。
「その世界ではこの変身アイテムが玩具として販売されていて、もちろん変身できないし光ったり音声が鳴るだけなんだけど……、子供向けの変身ヒーロ―番組としてフィクションとして放映されていたんだ」
「この世界が作り物ってこと?」
 とりあえずとぼけてみる。
「いや、怪人があんなに無残に死体が残る事はないし警察や報道機関が動いたりなんてしてないよ、ここは作られた世界でもなんでもない」
「にわかには信じられないですね」
 こちらも真剣な表情をして合わせておく、サヨは何かを察したのか席を外した。
「だから向こうは本物でこっちが偽物なのさ、その証拠に僕は一つに形態にしか変身できないんだ」
 変身アイテムを持ち出して見せる、こうして実際に変身できる物を見るは初めてでそれから感じる重さや質感がこれは本物だと主張している。
「これは本来拡張ディスクを使って強化して戦うんだ、しかも専用アイテム無しでも市販の音楽ディスクでも良いんだ、でもこっちにある音楽ディスクは規格が違って強化ができなくてね」
 そういってこの世界の音楽ディスクを取り出す、確かにサイズが合っておらずはまりそうにない、こういった物はサヨは作る事ができるのだろうか……。
「そこは自分達でサポートしていくしかないですね」
「そうなるよなぁ……」

 アイテムを使って変身する方法はアイテムにディスクを差し込む事で変身できるようで転生者はディスクを1つしか持っていない、なんとかパワーアップなどが作れないかと夜寝ている間に失敬してサヨに分析を頼んでみる。
「外側は何とかなるけどココは専用の機器が無いと無理かなぁ」
 データを書き込む箇所を指さす、こんな事ならアイテムをいくつか持ってくればよかったと今更な後悔をした。
 いやもしかするとこの世界にも対応している物があるかもしれない。
「この世界のジャンクパーツで何とかならないかな」
「それは探してみないと何とも……」
「探してみるか」
 変身アイテムの特徴を確認してからそっと返還する、それから少し遠出してパーツ屋などを回って探し回ってみるといくつか合いそうなメディアがありしかも格安で手に入ったのでそれらを持ち帰って制作を開始する、もちろん転生者に見つからないようにしてだ、もしかするとコレが完成すれば任務が達成されるのかもしれない。
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