上 下
160 / 425
母を訪ねて……

母はいずこに

しおりを挟む
 母が出稼ぎにでて早10年の月日が流れた、遠方に行ったようで見送ってから顔を見ていない、父は自分が生まれてすぐに死んだらしい。
 毎月の振り込みは額自体は不安定になるが必ず振り込まれているので生きているのだろう、手紙で安否確認をしたいのだが、かなりの頻度で住所を変更しているようでもう長いこと送り合ってない。

 頼りがない事が元気の証拠という前世の言葉があったおかげで今日も元気に生きている。

 その振り込みが最近高額になってしまった、正確には桁が3つも増えた、1回の仕送りで豪勢に暮らす事が出来、自分が今住んでいる地域では1年分もあれば良い家が建てたれる、これは明らかにおかしい。
 これは何かあったに違いないし、良くない事に関わっているかもしれない。
 資金に余裕があるので様子を見に行く、振り込み元から特定していくしかない、しかしこの世界にはインターネットが無いので自分の足で探さなければならない。

 幸いにもココは大陸の右端の極東だ、左に向かえば何とかなるだろう、元日本人には極東から逃れる事はできないのか……。
 それにこの世界は銀行機能があるギルドが世界中にあるのでいつでも出し入れでき、資金に困る事はないだろう。


 しかしココは剣と魔法のファンタジーな世界なのである、当然のように魔物が出現するし盗賊も現れる、ちなみに自分には魔法が使えるものの対して動けたり、威力がなかったりで一人旅に耐えれるものではなかった、そもそも自分はこの世界でもニート生活をしているのでギルドにそもそも登録していなかった。

 そこでギルドで旅に同行してもらう人を募集した。

 しかし……。
「そんな条件では誰も受けないと思いますよ?」
 報酬は高めに設定したものの帰還が未定のため長距離移動もあり、最初は金額で飛びついた人が依頼書を眺めていると段々と顔が暗くなり元に戻すのを何回も見た。
 1人で行けば確実に途中で何かに殺されてしまうだろう、行きたくてもいけない気持ちを抑えるために依頼を受けてくれる人がいないか毎日にギルドに通っていた。

 そんな生活を3か月ほど続けているとついにその依頼を受けてくれる人が現れた。
 その人達は男女の2人組で夫婦だそうだ、最近ギルドに加入して一気にランクを上げて周囲の信用を勝ち取ったようで旅行に行きたいと話をしていた時に丁度いいと依頼を受けてくれたようだ、野営をあまりせず、町の宿に基本的に泊まるため実力と信用さえあれば問題はない。

 これでようやく母の元に行ける、今度こそちゃんと親孝行するんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。

星の国のマジシャン
ファンタジー
 引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。  そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。  本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。  この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

処理中です...