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空の旅

忘れもの

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「ただいま戻りました」
「今回は大活躍だったじゃないですか、神様も大喜びですよ」
「そうなんですか、自分はそういったものに疎くて……」
「あなたの場合は守護霊の加護が強いんですよ、守護霊の加護が強すぎるとそういった物とは無縁になりやすいんですよ、だからあなたが無縁と感じても仕方のないことなんですよ」
「でも自分は運がある方とは思えないけどなぁ……」
「別に守護霊の加護が強いからって幸運っていう訳じゃないんですよ、願いが叶うというより怪我しにくいとか不幸を避けるとかがメインですね、もっともそれは守護霊によって微妙に違いますけど」
「そうなんですね」

「それよりも今回の仕事ですよ、割と長期の任務だったじゃないですか、私はこんなに長くなるんて思ってなかったんですよ本当にお疲れ様でした」
「そうですね、自分もこんなに長くなるなんて思ってませんでしたよ、もしかして今までで最長じゃないですか?」
「それでも歴代最長任務には遠く及びませんけどね」

「え、それってどれくらいの期間なんですか?」
「最長の時間の概念がないものなんで正確にはわからないけど、1つの星の一生分だったかな」
「それは仕事で済む範囲なんですか?」
「さすがにそこまで長いと一時帰宅は何回もありましたよ、でも帰ってくるたびに人が変わったようになるのは見てて面白いものでしたよ」
「それは大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ、長い時間が生きる事になるので心境の変化が大きくなるのですよ」
「長くいたらそうなりますよね」
「それじゃあ長い期間の仕事でしたし、臨むならしばらくお休みしてていいですよ、それとその腕に着けている物はなんですか?」
「腕、あ……」
 腕につけたシールド発生装置をそのままにして帰ってきてしまったようだ。

「これ返しにいった方がいいですよね?」
「ごめんなさい、この世界と向こうの世界の時間の進み方が違っていて今から向かってももう忘れ去られているかもしれません」
「じゃあこれどうしましょう?」
「もしよかったら頂けませんか、ボーナスもつけておくので」
「別にいいですよ、自分は使いこなせないでしょうしエネルギーの補充とかできないですし、あとこのまま海外旅行に行きたいんだけど」
「いいですよ、今回の仕事は長期任務でしたし存分にこの世界のいろいろな観光名所を回って見て下さい」

 そのまま帰宅して簡単に荷物をまとめてから飛行機に乗り込み、この世界の観光名所を回っていった、この世界と自分の前世と大きな差が無かったため、存分に世界中を見て回りとても満足した休日を楽しむ事ができた。
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