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第3章 ー結糸ー
6、湯霞の中
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バスタブに湯が張られてゆくの待つ間、葵は結糸にキスをしながら、するりするりとベストやシャツを脱がせてゆく。
葵の口づけは夢見心地になるほどに気持ちがよく、結糸は恥ずかしいだの何だのと文句を言いたい気持ちをすっかり忘れて、葵のされるがままになっていた。
うっすらと朱色を帯びた大理石でできた洗面台、ガラスで囲われたシャワーブース、そしてその横には広々としたバスタブ。金色の蛇口から流れ出す湯が、徐々にバスタブの中を満たしてゆく。そこから湧き上がる湯けむりで、バスルームの中は徐々に霞みがかってきた。
「ま、待ってください……葵さまも、脱がないと……」
「ん……そうだな。でも、お前を先に」
「あっ……でも」
「綺麗な肌だ。……傷は、まだ痛むか?」
「だ、だいじょぶです……あの、そんなに見られると、俺」
シャツを抜かれ、黒いスラックスだけにされてしまった結糸の半裸を、葵が食い入るように見つめているのだ。結糸は真っ赤になりながら俯いて、震える右手で左手をさすってみた。葵はそんな結糸の行動を見つめながら優しく微笑むと、結糸の肌の上に指先を淡く滑らせて、結糸の首筋に唇を触れた。
「ぁっ……!」
「下も脱いで。自分で」
「えっ!? そ、そんな……ぁッ……」
「ほら……苦しそうだ。早く」
そう言って股座を撫で上げられ、結糸はたまらず声を漏らした。葵の言うように、結糸のそれはすっかりと嵩を増し、細身のスラックスの中で悲鳴をあげている。結糸は震える指でジッパーを下ろし、腰をもぞつかせてスラックスをずらしていく。
その間も、葵は戯れのように結糸の首筋にキスをしては、二の腕のあたりを柔らかく撫で摩る。そこは性感帯でもなんでもないはずなのに、葵に触れられるだけでぞくぞくと快楽が全身を駆け巡り、結糸はそのたび肌を震わせていた。
淡いグレーのボクサーブリーフだけになってしまうと、葵はまた少し身体を離して結糸の全身を見つめている。物珍しいのは分かるのだが、こんなにも明るい場所で、下着一枚という格好を観察されることに抵抗を感じずにはいられない。が、同時に葵の熱を孕んだ目つきに身体の奥が疼き出すのもまた事実で、結糸は盛り上がってしまった股座を恥じ入るように太ももをもぞつかせた。
「……あの、もう、これ以上は無理です……!!」
「どうして? 一度セックスした仲じゃないか」
「あ、あ、あん時は葵さま、見えてなかったじゃないですか!!」
「だからこそ、よく見たいんだ」
葵はそう言って唇に笑みを浮かべると、怒張を覆う結糸の下着をほんの少し引き下げた。勢いよく露わになる結糸の性器を目にした葵の表情が、ほんのりと興奮の色を帯びてゆく。
「あ、な、何するんですか……!!」
「結糸は本当に感じやすいんだな。俺、まだキスくらいしかしてないだろ」
「そ、そ、そんなことないです!! エロい手つきで俺の身体、撫で回したりとか……!!」
「エロい?」
「あっ! すみません、あの、変な意味じゃなくて、あのっ」
「エロいって思ってくれてるんだ。……嬉しいよ」
高貴な葵の口から『エロい』という俗な単語が零れ落ちるだけで、妙な快感がぞくぞくと結糸を高めていく。葵は目を細めて結糸の耳たぶを甘噛みしながら、下腹にくっつきそうな勢いで勃ち上がっている結糸の性器を手の中に包み込んだ。
「あっ……ア、だ、だめです……!! あのっ……ンっ……ふぅっ……ん」
「何がダメなんだ」
「ふ、ふくがよごれっ……あおいさまのふくがっ……」
「あぁ……そうだな。じゃあこうするか」
葵はすっとその場に跪き、何のためらいもなく結糸の性器を口に含んだ。結糸は仰天した。
「だ、だめです……!! まだ、きたな……っ、まだァっ……しゃわーも、あびてっ……ンっ……はぁっ……」
ふと葵が小首を傾げつつ、上目遣いに結糸を見た。腰をよじって抵抗していた結糸は、紺碧色の瞳に射すくめられ、ピタリと動くのをやめる。
葵はどことなく挑発的な目つきで結糸を見上げながら、口に含んでいたペニスをゆっくりと引き抜く。ちらりと覗く赤い舌と、結糸の鈴口とが透明な糸で繋がっているのを見て、結糸は興奮のあまり身震いをした。葵は溢れ出す結糸の体液を舌先で舐めくすぐりながら、根元を手で扱き、艶かしい目つきで結糸をさらに追い詰めていく。
「……はぁっ……はぁ……っ……あおい、さま……」
「どんどん溢れてくるな。イキたかったら、いつでもイっていいから」
「だ、だめ、だめです……!! そんなの、あぁ……ァん……んんっ……!」
「かわいい、結糸。こんなに喜んでくれるなんて」
葵はそう言って微笑むと、結糸の怒張をくっぽりと咥え込んだ。狭まった頬の粘膜のあたたかさや、淫靡な舌の動き、時折切っ先を喉の奥で締めてくるという巧みさ、そして尚も根元を可愛がられ……。結糸は甘ったるい悲鳴をあげそうになる口を両手で塞ぎ、膝を震わせながら葵の口淫に酔った。
「ぅんっ……、う、あん、やぁっ……っ、だめ、だめです、も、おれっ……」
「ん……?」
「あぁっ……うぁ、あっ……いっちゃいそで……っ……はなして、はなしてくださ……っ」
結糸のその台詞で、葵の動きがさらに激しさを増す。葵の肩を力なく突き放そうとするが、そんな抵抗はまるで意味をなさない。「だめ、ぁ、あンっ……あおいさま、きたないから、やめて、やめて……!」と呂律の回らない舌で訴えているうちに我慢ができなくなり、結糸はあっけなく葵の口の中で放ってしまった。
「んんっ……んぅっ……!!」
ぶるぶると震えながら吐精する結糸の腰を抱き寄せて、葵はゆっくりと唇を引いた。そして先端を口に含んだまま最後の一滴まで吸い上げつつ、へろへろになっている結糸を見上げてくるのである。結糸は思わずその場にへたり込みそうになり、慌てて壁に手をついて耐えた。
「の、飲んじゃったんですか……?」
「ああ、当然だろ」
「う、うそ……は、吐いてくださいよ……っ」
「結糸の精液は本当に、甘い。不思議だな」
葵は唾液で濡れた唇を親指で拭いながら、ゆっくりと立ち上がった。そして、結糸の目の前でゆっくりとシャツを脱ぎ、ベルトを外し、仕立てのいい黒いスラックスを脱ぎ去った。
完璧なまでに美しい、葵の裸体が目の前にある。抜けるように白い肌であるというのに、均整のとれた筋肉質な身体は見事なものだ。
そして同時に目の当たりにするのは、雄々しく立ち上がった葵の雄芯だ。結糸に口淫によって硬く硬く張り詰めたそれを見た瞬間、結糸の最奥がずきんと疼く。
「はぁ……葵さま……」
「そこに手をついて、後ろを向いてくれないか」
「……へ? え?」
「大丈夫、挿れないよ。でも……俺も、我慢できそうにないんだ。一回出したい」
「そ、それなら俺、口で……!」
「それはまた今度。ちょっと、加減できそうにないから」
葵はそう言って結糸の肩を抱き寄せると、ちゅっと結糸の唇にキスをした。壁に手をつかされながら、またやわやわと首筋を甘く食まれる。
一体何をされるのだろうと、射精後の余韻でぼんやりしながらされるままになっていると、葵は背後から結糸を包み込み、うなじや背中にもたくさんのキスを落とした。須能に噛まれて傷ついた場所を労わるような柔らかなキスだが、そうされるだけで、結糸はあっさりと声をあげ、腰をしならせて身悶えてしまう。
そうしながら、葵は結糸の腰を掴んで、ぐっと背後に突き出させた。結糸が不安げに後ろを振り返ると、葵は結糸の唇にキスをしながら、自らの怒張を結糸の太ももの隙間に擦りよせ始めた。
「あ……あおいさま、ぁ……ん」
「脚を閉じて。そう、それでいい」
「……え、これ……ぁ、あ、ぁん……」
「本当は挿れたいよ。でも……きちんと許しを得るまでは、これで我慢だ」
「ぁ、あん、んっ……ぁ……っ」
葵はしっかりと結糸の腰を包み込み、ゆっくりとピストンを始めた。葵の熱い屹立が、結糸の股座を擦り上げながら前後する。
葵のそれは、すでに先走りでとろみを帯びており、結糸の内腿を淫らに濡らす。挿入こそされてはいないが、硬く反り返る葵の性器が内腿を擦る感触があまりにもいやらしく、結糸はまるで挿入を許しているような気分にすらなっていた。
「あぁ……あん、ん、あおいさま……これ、ぁ……っ」
「どうしてそんな、いやらしい声を出すんだ?」
「だって……きもち、いぃ……っン、んっ……」
「そんな声出されたら、俺の身がもたないよ。今だって、必死で自制してるのに」
「あっ……あ!!」
きゅう……っと後ろから乳首をつねられ、結糸はたまらず声をあげた。結糸の興奮に煽られてか、葵の抽送が性急になり、肌と肌がぶつかる音がバスルームの中に弾けはじめる。
「あ、あっ……あおいさま、っ……ンっ……あぁ……っ」
「腰……細いな。結糸の背中、ものすごく、エロい……」
「あぅ、っ……ンっ……ちくび、や……やめ……っ……」
「やめてほしいなんて思ってないだろ? そんな可愛い声で俺を誘っておいて」
「あ、あ、ぁぁ、ん……っ!」
結糸の尻と葵の腰がぶつかり合う音が、激しさを増す。同時に結糸の耳を刺激するのは、葵が腰を振るごとに聞こえてくる淫らな水音だ。興奮のあまり、結糸の鈴口からもとろとろと体液が溢れ出し、竿を伝って葵のそれと絡み合う。葵は背後からぴったりと結糸に覆いかぶさり、唇ではうなじを甘噛みし、利き手では結糸の敏感な尖りを玩びながら、激しい動作で腰を振るのだ。
「あ! あぁ、あんっ……あおいさまぁ……きもちいい……はぁっ……あ……っ」
「結糸、好きだよ。早く噛みたい……ここを噛んで、何もかも俺のものにしたい……」
「ひぁ、ああんっ、ん、ァっ……!」
「かわいい……。もっと、もっと声を聞かせてくれ」
「あ、ああっ! や、イくっ……!! やだ、ぁ、イっちゃう、おれ、……ぁ、あっ、んん、ん——っ……!!」
葵の甘い声と、切羽詰まった熱い吐息が、結糸の耳をも攻め立てる。さっきも達したばかりだというのに、結糸は葵よりも先に二度目の絶頂を迎え、壁についていた手を拳にして、全身を震わせた。
「あ……ごめんなさ……また、俺ばっか……」
「いいよ、何度でも。本当にかわいいな、結糸は」
「んぁ……耳元で囁くの、やめてくださ……っ」
「やめてと言われると、余計にいじめたくなるな。……今度はどこを、触ってほしい?」
「ふぇ、っ……ま、まってくださ……!!」
待ってと言っても葵は待ってはくれなかった。
葵の麗しい唇で囁かれる卑猥な言葉で、耳からも甘く犯される。
濃密な、ひとときの戯れだった。
葵の口づけは夢見心地になるほどに気持ちがよく、結糸は恥ずかしいだの何だのと文句を言いたい気持ちをすっかり忘れて、葵のされるがままになっていた。
うっすらと朱色を帯びた大理石でできた洗面台、ガラスで囲われたシャワーブース、そしてその横には広々としたバスタブ。金色の蛇口から流れ出す湯が、徐々にバスタブの中を満たしてゆく。そこから湧き上がる湯けむりで、バスルームの中は徐々に霞みがかってきた。
「ま、待ってください……葵さまも、脱がないと……」
「ん……そうだな。でも、お前を先に」
「あっ……でも」
「綺麗な肌だ。……傷は、まだ痛むか?」
「だ、だいじょぶです……あの、そんなに見られると、俺」
シャツを抜かれ、黒いスラックスだけにされてしまった結糸の半裸を、葵が食い入るように見つめているのだ。結糸は真っ赤になりながら俯いて、震える右手で左手をさすってみた。葵はそんな結糸の行動を見つめながら優しく微笑むと、結糸の肌の上に指先を淡く滑らせて、結糸の首筋に唇を触れた。
「ぁっ……!」
「下も脱いで。自分で」
「えっ!? そ、そんな……ぁッ……」
「ほら……苦しそうだ。早く」
そう言って股座を撫で上げられ、結糸はたまらず声を漏らした。葵の言うように、結糸のそれはすっかりと嵩を増し、細身のスラックスの中で悲鳴をあげている。結糸は震える指でジッパーを下ろし、腰をもぞつかせてスラックスをずらしていく。
その間も、葵は戯れのように結糸の首筋にキスをしては、二の腕のあたりを柔らかく撫で摩る。そこは性感帯でもなんでもないはずなのに、葵に触れられるだけでぞくぞくと快楽が全身を駆け巡り、結糸はそのたび肌を震わせていた。
淡いグレーのボクサーブリーフだけになってしまうと、葵はまた少し身体を離して結糸の全身を見つめている。物珍しいのは分かるのだが、こんなにも明るい場所で、下着一枚という格好を観察されることに抵抗を感じずにはいられない。が、同時に葵の熱を孕んだ目つきに身体の奥が疼き出すのもまた事実で、結糸は盛り上がってしまった股座を恥じ入るように太ももをもぞつかせた。
「……あの、もう、これ以上は無理です……!!」
「どうして? 一度セックスした仲じゃないか」
「あ、あ、あん時は葵さま、見えてなかったじゃないですか!!」
「だからこそ、よく見たいんだ」
葵はそう言って唇に笑みを浮かべると、怒張を覆う結糸の下着をほんの少し引き下げた。勢いよく露わになる結糸の性器を目にした葵の表情が、ほんのりと興奮の色を帯びてゆく。
「あ、な、何するんですか……!!」
「結糸は本当に感じやすいんだな。俺、まだキスくらいしかしてないだろ」
「そ、そ、そんなことないです!! エロい手つきで俺の身体、撫で回したりとか……!!」
「エロい?」
「あっ! すみません、あの、変な意味じゃなくて、あのっ」
「エロいって思ってくれてるんだ。……嬉しいよ」
高貴な葵の口から『エロい』という俗な単語が零れ落ちるだけで、妙な快感がぞくぞくと結糸を高めていく。葵は目を細めて結糸の耳たぶを甘噛みしながら、下腹にくっつきそうな勢いで勃ち上がっている結糸の性器を手の中に包み込んだ。
「あっ……ア、だ、だめです……!! あのっ……ンっ……ふぅっ……ん」
「何がダメなんだ」
「ふ、ふくがよごれっ……あおいさまのふくがっ……」
「あぁ……そうだな。じゃあこうするか」
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「だ、だめです……!! まだ、きたな……っ、まだァっ……しゃわーも、あびてっ……ンっ……はぁっ……」
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「……はぁっ……はぁ……っ……あおい、さま……」
「どんどん溢れてくるな。イキたかったら、いつでもイっていいから」
「だ、だめ、だめです……!! そんなの、あぁ……ァん……んんっ……!」
「かわいい、結糸。こんなに喜んでくれるなんて」
葵はそう言って微笑むと、結糸の怒張をくっぽりと咥え込んだ。狭まった頬の粘膜のあたたかさや、淫靡な舌の動き、時折切っ先を喉の奥で締めてくるという巧みさ、そして尚も根元を可愛がられ……。結糸は甘ったるい悲鳴をあげそうになる口を両手で塞ぎ、膝を震わせながら葵の口淫に酔った。
「ぅんっ……、う、あん、やぁっ……っ、だめ、だめです、も、おれっ……」
「ん……?」
「あぁっ……うぁ、あっ……いっちゃいそで……っ……はなして、はなしてくださ……っ」
結糸のその台詞で、葵の動きがさらに激しさを増す。葵の肩を力なく突き放そうとするが、そんな抵抗はまるで意味をなさない。「だめ、ぁ、あンっ……あおいさま、きたないから、やめて、やめて……!」と呂律の回らない舌で訴えているうちに我慢ができなくなり、結糸はあっけなく葵の口の中で放ってしまった。
「んんっ……んぅっ……!!」
ぶるぶると震えながら吐精する結糸の腰を抱き寄せて、葵はゆっくりと唇を引いた。そして先端を口に含んだまま最後の一滴まで吸い上げつつ、へろへろになっている結糸を見上げてくるのである。結糸は思わずその場にへたり込みそうになり、慌てて壁に手をついて耐えた。
「の、飲んじゃったんですか……?」
「ああ、当然だろ」
「う、うそ……は、吐いてくださいよ……っ」
「結糸の精液は本当に、甘い。不思議だな」
葵は唾液で濡れた唇を親指で拭いながら、ゆっくりと立ち上がった。そして、結糸の目の前でゆっくりとシャツを脱ぎ、ベルトを外し、仕立てのいい黒いスラックスを脱ぎ去った。
完璧なまでに美しい、葵の裸体が目の前にある。抜けるように白い肌であるというのに、均整のとれた筋肉質な身体は見事なものだ。
そして同時に目の当たりにするのは、雄々しく立ち上がった葵の雄芯だ。結糸に口淫によって硬く硬く張り詰めたそれを見た瞬間、結糸の最奥がずきんと疼く。
「はぁ……葵さま……」
「そこに手をついて、後ろを向いてくれないか」
「……へ? え?」
「大丈夫、挿れないよ。でも……俺も、我慢できそうにないんだ。一回出したい」
「そ、それなら俺、口で……!」
「それはまた今度。ちょっと、加減できそうにないから」
葵はそう言って結糸の肩を抱き寄せると、ちゅっと結糸の唇にキスをした。壁に手をつかされながら、またやわやわと首筋を甘く食まれる。
一体何をされるのだろうと、射精後の余韻でぼんやりしながらされるままになっていると、葵は背後から結糸を包み込み、うなじや背中にもたくさんのキスを落とした。須能に噛まれて傷ついた場所を労わるような柔らかなキスだが、そうされるだけで、結糸はあっさりと声をあげ、腰をしならせて身悶えてしまう。
そうしながら、葵は結糸の腰を掴んで、ぐっと背後に突き出させた。結糸が不安げに後ろを振り返ると、葵は結糸の唇にキスをしながら、自らの怒張を結糸の太ももの隙間に擦りよせ始めた。
「あ……あおいさま、ぁ……ん」
「脚を閉じて。そう、それでいい」
「……え、これ……ぁ、あ、ぁん……」
「本当は挿れたいよ。でも……きちんと許しを得るまでは、これで我慢だ」
「ぁ、あん、んっ……ぁ……っ」
葵はしっかりと結糸の腰を包み込み、ゆっくりとピストンを始めた。葵の熱い屹立が、結糸の股座を擦り上げながら前後する。
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「あぁ……あん、ん、あおいさま……これ、ぁ……っ」
「どうしてそんな、いやらしい声を出すんだ?」
「だって……きもち、いぃ……っン、んっ……」
「そんな声出されたら、俺の身がもたないよ。今だって、必死で自制してるのに」
「あっ……あ!!」
きゅう……っと後ろから乳首をつねられ、結糸はたまらず声をあげた。結糸の興奮に煽られてか、葵の抽送が性急になり、肌と肌がぶつかる音がバスルームの中に弾けはじめる。
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「腰……細いな。結糸の背中、ものすごく、エロい……」
「あぅ、っ……ンっ……ちくび、や……やめ……っ……」
「やめてほしいなんて思ってないだろ? そんな可愛い声で俺を誘っておいて」
「あ、あ、ぁぁ、ん……っ!」
結糸の尻と葵の腰がぶつかり合う音が、激しさを増す。同時に結糸の耳を刺激するのは、葵が腰を振るごとに聞こえてくる淫らな水音だ。興奮のあまり、結糸の鈴口からもとろとろと体液が溢れ出し、竿を伝って葵のそれと絡み合う。葵は背後からぴったりと結糸に覆いかぶさり、唇ではうなじを甘噛みし、利き手では結糸の敏感な尖りを玩びながら、激しい動作で腰を振るのだ。
「あ! あぁ、あんっ……あおいさまぁ……きもちいい……はぁっ……あ……っ」
「結糸、好きだよ。早く噛みたい……ここを噛んで、何もかも俺のものにしたい……」
「ひぁ、ああんっ、ん、ァっ……!」
「かわいい……。もっと、もっと声を聞かせてくれ」
「あ、ああっ! や、イくっ……!! やだ、ぁ、イっちゃう、おれ、……ぁ、あっ、んん、ん——っ……!!」
葵の甘い声と、切羽詰まった熱い吐息が、結糸の耳をも攻め立てる。さっきも達したばかりだというのに、結糸は葵よりも先に二度目の絶頂を迎え、壁についていた手を拳にして、全身を震わせた。
「あ……ごめんなさ……また、俺ばっか……」
「いいよ、何度でも。本当にかわいいな、結糸は」
「んぁ……耳元で囁くの、やめてくださ……っ」
「やめてと言われると、余計にいじめたくなるな。……今度はどこを、触ってほしい?」
「ふぇ、っ……ま、まってくださ……!!」
待ってと言っても葵は待ってはくれなかった。
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