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愛人もOKだなんて聞いてません。
(11)
しおりを挟むお姫様抱っこなんてされて。
隊長と二人で二階に上がって。
隊長の部屋で二人きりになって。
いつもの大人の余裕なんてどっかに脱ぎ捨ててしまった隊長が、私の首筋にキスを落としながら性急にワンピースのボタンを外している。
凄くドキドキした。
さきほどのミルくんとのキスや、イグニスさんの言葉に胸をときめかせたのが尾を引いているのもあるんだと思う。
けど、ときどき顔を上げて私に見せる隊長の顔。それが本当に私の胸を高鳴らせて苦しい。
「…………カレン」
眉根を寄せて切羽詰まったように私の名前を呼ぶ隊長。
その顔も声もすべてが切なげで、色気があって、そして全身で私を求めてきているのが分かった。
こんな隊長、初めてだ。
隊長はこういう夜の営みのときも一人冷静で、暴走しがちなミルくんに制止をかけたり、ドSが行き過ぎてあやうく私が泣きそうになる前に制止をかけたりと、周りが見えなくなるというのはなかった。
でも、今日の隊長はすごく情熱的だ。
ワンピースの裾を捲りあげて入ってきた隊長の手も熱くて、触られたところが火傷しそう。
私の身体も息が上がるほどに熱くなって、ギュッと隊長の服を握り締めた。
「……なぁ、ミルの奴がカレンの唇は自分のものだって言っていつもは占領されちまうから、今日はいっぱいキスしていいか?」
「はい……んぁっ、……んン」
私が返事をするやいなや、隊長はその言葉ごと食べるかのように唇に噛み付いてきた。
にゅるりと入ってきた舌が口内を撫で回し、吸い付いてくる。
「ミルには内緒な」
キスとキスの合間に隊長が言う。
『カレンちゃんの唇は俺のものなのに!』と怒るミルくんの顔が頭の中に浮かんできた。
私と隊長の境目が分からなくなりそうなほどの深いキスをしながら服を脱がされ、ベッドに腰掛ける隊長の上に乗せられる。私を支えるために腰に手が回され、もう片方の手は露わになった胸に。
頂を指でクリクリと摘ままれ捻られると、身体が跳ね上がり大きな喘ぎ声が漏れた。
「随分と感じやすい身体になったな」
ちょっと胸を弄られただけで過敏に反応する私を見て、隊長がニヤリと笑う。
自分でも最初の頃に比べれば快感を拾いやすくなったとは思ってはいたけれど、改めて言われると恥ずかしくて仕方がない。
秘所も潤みを帯びてきて、下着がしっとりとし始めた。
隊長の手先一つで私の身体も心も乱される。あっという間にすべてが高揚して、頭の中がぽーっとしてきて理性の箍が少しずつ外れていくような感覚がしてきた。
隊長の節くれだった指が下着の中に入ってきて、秘所をなぞる。すると、ぬるりと滑る指が、私のそこがどれほど濡れているかを教えてきてくれた。
くちゅ、くちゅ、と卑猥な水音がだんだんと大きくなってきて、それに比例して私の顔も真っ赤に染まっていった。
「カレン……」
隊長が掠れた声で私の名を呼ぶ。
結構、こういう最中に名前を呼ばれるの好きだなぁ。
私という人間が求められて、私の求めにも相手が応えてくれているような気持ちになるから。
何だろう、心地良さみたいなものが私の中で広がっていくような、幸せを噛み締めているような感じがする。
「できればお前にも俺の、触ってほしい。挿れる前に、手伝ってくれねぇか?」
そう言われて導かれたその先。
隊長のズボンが大きく盛り上がっていて、ここを触ってほしいのだと手を持っていかれた。
隊長のソレを見たのは初夜の時だけだ。
けれども、あの時の衝撃は今でも覚えていて、怖いくらいに雄々しいものが隠れているのを知っていた。
ごくりと息を呑み、そっと手のひらで触れてみる。
驚くほどに硬くて熱い隊長のソレ。
これがこれから私の中に挿ってくるんだと思うと、破瓜の痛みを思い出して少し怖くなったけど、でもそれだけじゃなかった。
もちろん隊長のその『遅さ』についていけるかも不安だし、そもそもそこまで隊長を気持ちよくできるのかという私の技術不足への不安もある。
けど、最後まで隊長を受け入れたら、また何かが変わるのかもしれないという期待があった。
愛人だなんだと馬鹿みたいに不安になるのも、前よりは少なくなるんじゃないかなって、そう思えてくるのだ。
今の今まで恋愛らしい恋愛をしてこなくて、突然三人のお嫁さんになって。しかも夫は文化が違う人たち。
不安に思うなって言う方が難しい状況だ。
好きだから。離れたくないから。愛おしいから。家族でいたいから。
それでも、三人と一緒にいたい理由なんていっぱいあった。
でも、その理由の数だけ不安は付き纏う。
だから、一つずつ解決していくしかないんだ。
こうやってみんなと向き合って話して、お互いのことを知って、そして気持ちを確かめ合うのも大事だ。
ーーーーあとは、触れ合うことも。
私は、隊長のズボンの前を寛げて、恐る恐る下にずり下げた。
すると、勢いよくそそり勃ったものが飛び出してきて、驚いて一瞬手を引っ込めてしまった。
……なんか、この間見たときより凶悪になっているような気がする。
チラリと見て、少し尻込んだ。
「こ、これって、私が触る必要あります? もう十分なような……」
「あるよ。まだまだ足りねぇし、それに俺がカレンに触ってほしいんだ。……嫌か?」
嫌なわけがない。だから、素直に首を横に振って、再び隊長のものへと手を伸ばす。
「ちゃんとお前のことも気持ちよくしてやるからな。お互い気持ちよくなろうぜ」
私は、ゆっくりと頷いた。
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