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しおりを挟む「……も、もぅ、……やだぁ」
とうとう限界がきた私は、ミルくんから顔をそらし足を閉じて、そして隊長の腕に縋った。私の変化に驚いたのか、イグニスさんが指を秘所から引き抜く。
「カレンちゃん……?」
ミルくんも心配そうにこちらを窺い、戸惑っているようだった。
私、よがっている姿を皆の前で晒すことがこんなに恥ずかしいものだと思わなかった。
いつか恋人ができてベッドで睦み合う日がくるだろうとは思ってはいたけれど、まさか相手が一人じゃなくて三人で、しかも同時に愛撫されるなんて想像もしない。
六つの目で身体を隅々まで見られ、六つの手で余すことなく触られて。三つの口が私に言葉を投げかける。
このまま最後までされてしまったら、いったい私はどうなってしまうんだろう。
未知の体験への不安と、そして好奇心とがないまぜになる。
「ほらぁ、イグニスが変なこと言うからカレンちゃん泣いちゃったじゃん。ごめんね~カレンちゃん」
「別に俺は本当のことを言っただけで、変なことは言ってない。それに隊長も似たようなこと言ってただろう」
「お前のは言い方がエグいんだよ! Sか! Sなのか!」
「俺に嗜虐趣味はない」
私が泣き出したことによって慌てたミルくんはイグニスさんを責め、イグニスさんは訳が分からないという顔をしていた。それに対し、ミルくんがますますヒートアップして二人の応酬は盛り上がりを見せる。
私は目まぐるしくやってきていた快楽が一旦止んだことに脱力し、息を荒げながらその様子を見ていた。
すると、私の後ろにいた隊長がクスリと笑う。
「そんなに恥ずかしがることはねぇよ。めちゃくちゃ感じてるカレン、可愛かったぞ?」
「可愛い……って」
「まぁ、最初の慣れないうちはしょうがねぇか。こんな格好させられて恥ずかしがるなって方が無理あるもんな」
私の頭を撫でて労わってくれる隊長は、ついでとばかりに頬擦りもしてきた。顎の髭がじょりじょりとちょっと痛い。
「でも、まぁ……」
ところがされるがままに受け入れていたら、隊長のぽつりと零すような声が耳元で聞こえてきて、頬にキスをされる。
そして私の身体をグイっと上に引き上げてクルリと半回転させ、向かい合わせに膝の上に乗せてきた。
突然視界が回ってびっくりした私はおかげで涙が引っ込み、そしてイグニスさんとミルくんの喧騒も止む。
きょとんとしている私の顔を間近で見つめる隊長は、にんまりと笑う。つい先ほども見た、あの嫌な予感しか感じない爽やかで晴れやかな笑顔だ。
当然のごとく、私の頬も嫌な予感を感じ取って素直に震えた。
「慣れてもらうしかないんだけどな!」
ミルくん……違うよ。Sなのはイグニスさんじゃない。
本当のSは私の目の前にいるよ……。
ハハハ、とから笑いを浮かべた私の身体は、隊長によってふたたびベッドに沈み込んだ。
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