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17.「そんな無茶して私のところにこなくとも!」
しおりを挟む次の日も、また次の日もシリルはユニのもとへやってきた。
そんな自由が利くような気ままな身分ではないだろうに、彼はやってくる。
「仕事はね、夜寝る前と早朝にしているんだ。本気を出せばすぐ終わるようなものばかりだからね。短時間に集中してやってもこなせるよ。昼間はできるだけユニの側にいたいから」
シリルの仕事事情を聞かされて、ユニは身が竦む思いになった。
彼にそこまでの負担を強いていたのだと分かり、申し訳なくなる。
「そんな無茶して私のところにこなくとも!」
「ユニ以上に大事な用事はないからね。無茶じゃないよ。当然のことだから。それに、俺は今ユニの使役獣だし」
一事が万事この調子だ。
ユニの使役獣だから側にいなくては。
ユニに使役されたい。
こちらが呼び出したり命令しない限りは、そのような制約はないはずなのに、どうやらシリルの中ではそうあるべきだという認識になっているらしい。
もしかしてこれも術式が変化した影響だろうか。
それとも、もともと人間にはこんな風に作用されるようにできていた?
どちらにせよ、ミリウスが帰ってくるまであと三日ある。
こちらでも何かしら調べておかなくては。
「ところで、これからどこに行くの?」
「城の中にある、図書保管室です。そこで使役魔法について調べようかと」
「このままでもいいって言っているのに……まだ諦めてなかったの?」
「諦められるわけないですよ! 早く元の状態に戻さないと!」
シリルの言葉に甘えて、はいそうですかというわけにはいかない。
できることはやってしかるべきだ。
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