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第七四話 シャルロッタ 一五歳 暴力の悪魔 〇五
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——サウンドガーデン公爵領に「赤竜の息吹」の派遣が決定する少し前……領内の村や町の警備は非常に強化されていた。
「な、なんだありゃ……おい、村長に連絡しろ」
「あ、ああ……すぐ呼んでくる」
深夜、サウンドガーデン公爵領辺境に位置するクシモ村の衛兵エリオドアは村外れに立っている不気味な黒い塊に気がつくと、槍を持ち上げて盾を構え直す。
辺鄙な村の警護ということで、ゆっくり羽根を伸ばせると考えていたのに……内心舌打ちをしたくなる気分を抑えて、黒い影との距離を詰めていく。
僚友である衛兵ヴェスターはエリオドアの言葉に頷いてすぐに村長の家へと走り始める……異変に気がついたのかいくつかの家の灯がつくがそれを見てエリオドアは内心舌打ちをしながらも職務を遂行するべくゆっくりとその異様な外見をした影へと近づいていくが、あまりにそれは異様な外見だった。
「人……? いやこんなでかい人間なんか……」
二足歩行型の生物らしく不格好ながら地面に着きそうなほど長い腕と、それとは対照的に脚は短くアンバランスな印象を与えている。
黒い……まるで昆虫のような艶やかな外皮は甲虫のような印象を持っており、見るからに硬質なもののように見える。顔は……と思ってエリオドアがその怪物を見上げるが、そこで身の毛がよだつような恐ろしさを感じて思わず二、三歩後退してしまう。
怪物の顔は昆虫のような複眼と鋭い棘状の歯がついた二本の顎を持った明らかにこの世のものとは思えない外見だったからだ。
「な、なんだ……こりゃあ……」
「クオ……オオオオッ……」
エリオドアは手に持った槍で軽く怪物を突くが、それが合図のように怪物は呻き声のようなものをあげた後、巨大な複眼に光が灯る……赤、緑、青、黄色と瞬くように複雑な変化を見せながら、まるで魔導機関が起動するときのように全身をブルブルと震わせた。
震えが止まるとフォーン、フォーンという規則正しい音を立てながらその怪物はゆっくりと前へと進み始める。
まずい、と思ってエリオドアはその怪物から距離を取るべく槍を構えながらも後退するが、次の瞬間視界一杯に黒く四本の指で構成された怪物の手が広がり、一瞬頭に凄まじい圧力が加わったかと思った瞬間エリオドアは悲鳴を上げる間もなく絶命し、地面へと首を失った肉体が崩れ落ちる。
「……皆様に感謝と死を、私は暴力の悪魔ダルラン……皆様に恐怖と絶望を」
暴力の悪魔ダルランは無機質な声で呟きながら複雑な色合いで変化する複眼で周辺の生命体を確認する……悪魔の知覚に複数の人間が慌てて建物中から飛び出してくるのが見える。
その巨体に見合わぬ速度で建物から出てきた中年女性や男性に向かって腕を振るう……悲鳴と血飛沫が上がり、命が次々と失われていく……無差別な暴力そして殺戮、混沌神ワーボスの眷属である暴力の悪魔は視界に入る生命体を殲滅するために生み出された戦闘兵器である。
「ワーボス神は言いました、皆様のような人間は死ぬ以外に価値はありません」
「ば、化け物だ!」
「た、助けてえええええっ!」
「うぎゃああああっ!」
「人間は血と脳漿をブチ撒けることで許されます。神に感謝して死にましょう、血反吐を吐いて苦しみながら死にやがれください」
悲鳴と血飛沫そして吹き飛ぶ肉塊の中、無機質な悪魔の声がクシモ村の夜を賑やかしていく。
その後ろに彼から必死に逃げようとする人間達を確認するが、少し距離が遠い。
だがダルランは鋭い二本の顎を広げ、口のなかに強く発光する魔力を集約させていく……キュイイイイン! という甲高い音を立てた後、逃げ惑う人間に向かって横凪の光線が突き刺さる。
まるで鋭い刃物で切り裂かれたかのように逃げ惑う村人達、衛兵達の肉体が切り裂かれ地面へとドシャドシャッという音を立てて血の海を作っていく。
そこにあるのは絶対的な絶望と恐怖、そして無機質な暴力の悪魔の声だけが響いていく。
「人間の肉と血はワーボス神の祭壇へと捧げられます、神に感謝して死にましょう……」
「……ひどい……」
イングウェイ王国王都の冒険者組合より派遣されてきた「赤竜の息吹」の紅一点リリーナ・フォークアースの視界に広がる無差別な殺戮の跡を見て表情を歪める。
クシモ村……サウンドガーデン公爵領の外縁部にある小さな村で、王都から公爵領へと入る街道沿いに存在していたことで、旅人なども立ち寄る静かな景観が魅力だった、と聞いている。
周りを調べているデヴィットやエミリオもあまりの惨状に言葉がほとんどでない……掠れるような声でデヴィットは死体の側に座り傷跡などを調べているエルネットへと声をかける。
「何が暴れたんだ……?」
「巨大なオーガとか……? いやでもこの死体は鋭い刃物で切り裂かれたかのような傷跡だ……」
地面には逃げ惑う人の足跡だけでなく、かなりの重量がある怪物だろうか? 三本指の足跡が深く刻まれている。
オーガは人間とほぼ同じ本数の指を持っている、戦闘で欠損した個体もいるだろうが地面に残された足跡は明らかにオーガではない足跡のようにも思える。
そして何か凄まじく鋭いもので切り裂かれたかのような死体や、建物の跡を見る限りオーガには不可能な傷跡が多すぎる……だがレッサードラゴンやキマイラなどの魔獣によるものでもない。
あまりに不可解な殺戮の跡に「赤竜の息吹」のメンバーでも理解ができない何かが暴れていたのだとしか結論づけられないのだ。
「これは戦争とかでもないしな……一方的にしかも逃げる相手もお構いなしに後ろから……」
歴戦の戦士であり頼れるリーダー、エルネット・ファイアーハウスも苦悶の表情を浮かべているが、村人は一人残らず殺されておりまさに虐殺という言葉しか思い浮かばない凄惨な現場がそこには広がっている。
村人や村を警護していた衛兵達もほとんど抵抗らしい抵抗はできていない、恐怖と絶望の表情を浮かべたまま死んでいる人たちの目をそっと閉じてやると、エルネットは立ち上がると仲間へと振り返り、軽く首を振ってから悲しそうな表情を浮かべた。
「このままにはしておけない、死体は焼いてから埋めてやろう……」
「ねえエルネット、シャルロッタ様が私たちを送り出す際に少し気になることがあるって言ってたの」
「彼女はなんて?」
「もしかしたら悪魔が絡んでるかもって」
「悪魔か……」
エルネットの知識では悪魔は古くからこの世界へと干渉し、幾度となく事件を起こしていく恐るべき怪物だということ……先日の王立学園では肉欲の悪魔が出現し、ホワイトスネイク侯爵令嬢にとりつき騒乱を巻き起こした。
過去の記録を紐解けば悪魔は歴史の転換点でその姿を表し、世の中へと騒乱を撒き散らしていた。
そして歴史の中で悪魔は恐るべき能力と強さを持ち、一流の冒険者達が苦労して討伐するなど、普通の人間ではそう簡単に太刀打ちできるようなものではない、ということも。
「もし悪魔が現れたらどうすればいいと言ってた?」
「これを……」
リリーナは革鎧の隙間に手を入れると、首から下げていた小さな笛のようなものを取り出した。
木製で酷く歪な形状であり、本当に音が出るかどうかも怪しい外見をしていて、かろうじて口をつけて拭く部分と、おそらく音が出るのだろうが、いくつかの穴が空いているのがわかる。
リリーナより笛を受け取るとエルネットは指でつまんで持ち上げてみたり、太陽に透かしてみたりするがなんの変哲もない普通の笛のように見える。
「なんだこりゃ……シャルロッタ様も本当に訳のわからないもの渡す時があるな……」
「本当に危ない時だけ吹いてくれって、なんでもない時に吹かれると困る……だそうよ」
「……興味深いですな……不思議な感覚ですよ」
エルネットが手に持つその笛をみて、エミリオが村人の死体を焼くために集める手を休めて興味深そうな顔を浮かべる。
聖教の神官であるエミリオは神聖な力などを感知する能力が高い、その彼が小さな笛に何かを感じたのかエルネットの手から受け取るとしげしげと眺めている。
彼に代わって村人の死体を集め始めたエルネットはやれやれと言わんばかりの表情を浮かべるが、何気なく自分が持ち上げた死体がまだ年端もいかない少女のものであったことに気がつきハアッ! ともう一度大きくため息をついた。
「子供まで……酷すぎるよ……」
「殺すことが目的なんだろうな、殺戮のみとは……魔獣は楽しみなどで人は殺さない、だからドラゴンとかそういうのの類じゃないな」
デヴィットも若い男性の死体を持ち上げると、堆く積み上げられた死体の山へと放る、冒険者を続けているとこういう作業にも慣れてしまう。
……死ねば単なる肉の塊、とはいえそのまま放置できない、不死者へと変質することもあるし、焼かなければ埋めたところで腐肉を食らう魔獣などを呼び寄せてしまう可能性があるからだ。
焼いて埋葬する……残念ながらこの村には知己がいないため、誰がどの家の人間なのかわからない……だから集めて焼いて骨だけを埋葬する。
恨めしそうな表情を浮かべる死体の目をそっと優しく閉じると、エルネットは悔しそうな表情のまま死体の山へと少女を放った。
「……必ず僕たちが仇を取るよ、だからそんな顔をしないでおくれ……安らかに眠ってくれ」
「な、なんだありゃ……おい、村長に連絡しろ」
「あ、ああ……すぐ呼んでくる」
深夜、サウンドガーデン公爵領辺境に位置するクシモ村の衛兵エリオドアは村外れに立っている不気味な黒い塊に気がつくと、槍を持ち上げて盾を構え直す。
辺鄙な村の警護ということで、ゆっくり羽根を伸ばせると考えていたのに……内心舌打ちをしたくなる気分を抑えて、黒い影との距離を詰めていく。
僚友である衛兵ヴェスターはエリオドアの言葉に頷いてすぐに村長の家へと走り始める……異変に気がついたのかいくつかの家の灯がつくがそれを見てエリオドアは内心舌打ちをしながらも職務を遂行するべくゆっくりとその異様な外見をした影へと近づいていくが、あまりにそれは異様な外見だった。
「人……? いやこんなでかい人間なんか……」
二足歩行型の生物らしく不格好ながら地面に着きそうなほど長い腕と、それとは対照的に脚は短くアンバランスな印象を与えている。
黒い……まるで昆虫のような艶やかな外皮は甲虫のような印象を持っており、見るからに硬質なもののように見える。顔は……と思ってエリオドアがその怪物を見上げるが、そこで身の毛がよだつような恐ろしさを感じて思わず二、三歩後退してしまう。
怪物の顔は昆虫のような複眼と鋭い棘状の歯がついた二本の顎を持った明らかにこの世のものとは思えない外見だったからだ。
「な、なんだ……こりゃあ……」
「クオ……オオオオッ……」
エリオドアは手に持った槍で軽く怪物を突くが、それが合図のように怪物は呻き声のようなものをあげた後、巨大な複眼に光が灯る……赤、緑、青、黄色と瞬くように複雑な変化を見せながら、まるで魔導機関が起動するときのように全身をブルブルと震わせた。
震えが止まるとフォーン、フォーンという規則正しい音を立てながらその怪物はゆっくりと前へと進み始める。
まずい、と思ってエリオドアはその怪物から距離を取るべく槍を構えながらも後退するが、次の瞬間視界一杯に黒く四本の指で構成された怪物の手が広がり、一瞬頭に凄まじい圧力が加わったかと思った瞬間エリオドアは悲鳴を上げる間もなく絶命し、地面へと首を失った肉体が崩れ落ちる。
「……皆様に感謝と死を、私は暴力の悪魔ダルラン……皆様に恐怖と絶望を」
暴力の悪魔ダルランは無機質な声で呟きながら複雑な色合いで変化する複眼で周辺の生命体を確認する……悪魔の知覚に複数の人間が慌てて建物中から飛び出してくるのが見える。
その巨体に見合わぬ速度で建物から出てきた中年女性や男性に向かって腕を振るう……悲鳴と血飛沫が上がり、命が次々と失われていく……無差別な暴力そして殺戮、混沌神ワーボスの眷属である暴力の悪魔は視界に入る生命体を殲滅するために生み出された戦闘兵器である。
「ワーボス神は言いました、皆様のような人間は死ぬ以外に価値はありません」
「ば、化け物だ!」
「た、助けてえええええっ!」
「うぎゃああああっ!」
「人間は血と脳漿をブチ撒けることで許されます。神に感謝して死にましょう、血反吐を吐いて苦しみながら死にやがれください」
悲鳴と血飛沫そして吹き飛ぶ肉塊の中、無機質な悪魔の声がクシモ村の夜を賑やかしていく。
その後ろに彼から必死に逃げようとする人間達を確認するが、少し距離が遠い。
だがダルランは鋭い二本の顎を広げ、口のなかに強く発光する魔力を集約させていく……キュイイイイン! という甲高い音を立てた後、逃げ惑う人間に向かって横凪の光線が突き刺さる。
まるで鋭い刃物で切り裂かれたかのように逃げ惑う村人達、衛兵達の肉体が切り裂かれ地面へとドシャドシャッという音を立てて血の海を作っていく。
そこにあるのは絶対的な絶望と恐怖、そして無機質な暴力の悪魔の声だけが響いていく。
「人間の肉と血はワーボス神の祭壇へと捧げられます、神に感謝して死にましょう……」
「……ひどい……」
イングウェイ王国王都の冒険者組合より派遣されてきた「赤竜の息吹」の紅一点リリーナ・フォークアースの視界に広がる無差別な殺戮の跡を見て表情を歪める。
クシモ村……サウンドガーデン公爵領の外縁部にある小さな村で、王都から公爵領へと入る街道沿いに存在していたことで、旅人なども立ち寄る静かな景観が魅力だった、と聞いている。
周りを調べているデヴィットやエミリオもあまりの惨状に言葉がほとんどでない……掠れるような声でデヴィットは死体の側に座り傷跡などを調べているエルネットへと声をかける。
「何が暴れたんだ……?」
「巨大なオーガとか……? いやでもこの死体は鋭い刃物で切り裂かれたかのような傷跡だ……」
地面には逃げ惑う人の足跡だけでなく、かなりの重量がある怪物だろうか? 三本指の足跡が深く刻まれている。
オーガは人間とほぼ同じ本数の指を持っている、戦闘で欠損した個体もいるだろうが地面に残された足跡は明らかにオーガではない足跡のようにも思える。
そして何か凄まじく鋭いもので切り裂かれたかのような死体や、建物の跡を見る限りオーガには不可能な傷跡が多すぎる……だがレッサードラゴンやキマイラなどの魔獣によるものでもない。
あまりに不可解な殺戮の跡に「赤竜の息吹」のメンバーでも理解ができない何かが暴れていたのだとしか結論づけられないのだ。
「これは戦争とかでもないしな……一方的にしかも逃げる相手もお構いなしに後ろから……」
歴戦の戦士であり頼れるリーダー、エルネット・ファイアーハウスも苦悶の表情を浮かべているが、村人は一人残らず殺されておりまさに虐殺という言葉しか思い浮かばない凄惨な現場がそこには広がっている。
村人や村を警護していた衛兵達もほとんど抵抗らしい抵抗はできていない、恐怖と絶望の表情を浮かべたまま死んでいる人たちの目をそっと閉じてやると、エルネットは立ち上がると仲間へと振り返り、軽く首を振ってから悲しそうな表情を浮かべた。
「このままにはしておけない、死体は焼いてから埋めてやろう……」
「ねえエルネット、シャルロッタ様が私たちを送り出す際に少し気になることがあるって言ってたの」
「彼女はなんて?」
「もしかしたら悪魔が絡んでるかもって」
「悪魔か……」
エルネットの知識では悪魔は古くからこの世界へと干渉し、幾度となく事件を起こしていく恐るべき怪物だということ……先日の王立学園では肉欲の悪魔が出現し、ホワイトスネイク侯爵令嬢にとりつき騒乱を巻き起こした。
過去の記録を紐解けば悪魔は歴史の転換点でその姿を表し、世の中へと騒乱を撒き散らしていた。
そして歴史の中で悪魔は恐るべき能力と強さを持ち、一流の冒険者達が苦労して討伐するなど、普通の人間ではそう簡単に太刀打ちできるようなものではない、ということも。
「もし悪魔が現れたらどうすればいいと言ってた?」
「これを……」
リリーナは革鎧の隙間に手を入れると、首から下げていた小さな笛のようなものを取り出した。
木製で酷く歪な形状であり、本当に音が出るかどうかも怪しい外見をしていて、かろうじて口をつけて拭く部分と、おそらく音が出るのだろうが、いくつかの穴が空いているのがわかる。
リリーナより笛を受け取るとエルネットは指でつまんで持ち上げてみたり、太陽に透かしてみたりするがなんの変哲もない普通の笛のように見える。
「なんだこりゃ……シャルロッタ様も本当に訳のわからないもの渡す時があるな……」
「本当に危ない時だけ吹いてくれって、なんでもない時に吹かれると困る……だそうよ」
「……興味深いですな……不思議な感覚ですよ」
エルネットが手に持つその笛をみて、エミリオが村人の死体を焼くために集める手を休めて興味深そうな顔を浮かべる。
聖教の神官であるエミリオは神聖な力などを感知する能力が高い、その彼が小さな笛に何かを感じたのかエルネットの手から受け取るとしげしげと眺めている。
彼に代わって村人の死体を集め始めたエルネットはやれやれと言わんばかりの表情を浮かべるが、何気なく自分が持ち上げた死体がまだ年端もいかない少女のものであったことに気がつきハアッ! ともう一度大きくため息をついた。
「子供まで……酷すぎるよ……」
「殺すことが目的なんだろうな、殺戮のみとは……魔獣は楽しみなどで人は殺さない、だからドラゴンとかそういうのの類じゃないな」
デヴィットも若い男性の死体を持ち上げると、堆く積み上げられた死体の山へと放る、冒険者を続けているとこういう作業にも慣れてしまう。
……死ねば単なる肉の塊、とはいえそのまま放置できない、不死者へと変質することもあるし、焼かなければ埋めたところで腐肉を食らう魔獣などを呼び寄せてしまう可能性があるからだ。
焼いて埋葬する……残念ながらこの村には知己がいないため、誰がどの家の人間なのかわからない……だから集めて焼いて骨だけを埋葬する。
恨めしそうな表情を浮かべる死体の目をそっと優しく閉じると、エルネットは悔しそうな表情のまま死体の山へと少女を放った。
「……必ず僕たちが仇を取るよ、だからそんな顔をしないでおくれ……安らかに眠ってくれ」
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