五十の手習い

赤羽律紀

文字の大きさ
上 下
16 / 26

再び働き始める

しおりを挟む
 1992年の春、僕はあかね園を離れて印刷会社で働き始めた。とはいえ、僕の仕事はギフト箱をたたむ仕事。しかも半年前にあかね園に在籍のまま実習に入り、その後ここの会社で働きだしたのが本当のところだ。
 仕事が最も忙しくなるのがお歳暮のシーズンだった。この時期はかなりの量が多いためなのか、夕方5時台に終わることもザラだった。
 これが大変かつ重労働で、
「いつ終わるのか、いつ終わるのか」
 などと愚痴をこぼすこともあった。
 ただ、閑散期においては仕事がなく休みがあることも。これも仕事だと割り切ってやるしかなかった。仕事がアンバランスで、いろいろと大変だった。
 しかし、そのような日々にも終わりは突然やって来た。1995年の初夏、突然解雇を言い渡されたのだ。
「また厳しい日々が始まりそう…」
 仕事浪人に逆戻りした僕にとってはとほほな毎日を送る羽目になった。仕事がなくなった後に新潟に里帰りしたが、財布を度々落とすという失態を冒してしまったのだ。
 次のステージまで頑張ろうとそう心に決めたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

躁鬱の父さん

ハナギエイオウ
エッセイ・ノンフィクション
僕の父さんについて

日本各名山を旅して

naturalh1
エッセイ・ノンフィクション
筆者が旅をした、日本のあちこちに聳える名山のうち、筆者が記した旅エッセイ 「旅鉄からの手紙」 「さいはてに咲く~日本の端を旅をして~」 の下書きのみで、本稿に書かなかったレポートを集めたものである。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

天空からのメッセージ vol.7 ~魂の旅路~

天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある 天空からの情報を自我で歪めず 伝え続けます それがそのため

処理中です...