五十の手習い

赤羽律紀

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再就職までの長い道のり

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 1988年、僕は障がい者施設で訓練という形で働き始めた。就職につまずき、再び仕事を学ぶという意味合いでの職業訓練だった。
 捨てる神あれば拾う神ありとはこのことで、母がここの施設を紹介してくれたことに感謝しつつも僕は託された仕事を頑張ろうと心に決めた。
 だが、ここでもトラブルを起こしまくった。まずは他の園生との諍い。当時はだれかれ構わず怒りまくった人もおり、
その怒りを諌めるはずがかえって傷が深まって大喧嘩をしたこともあった。
 そして、若い指導の先生ともかち合った。時に取っ組み合いの喧嘩をしたこともあったが、それでも仕事や人を思いやる気持ちも教えてくださった。仕事の厳しさを教えられた現場だったが、秋の行事のバザーに手伝いとして駆り出されたりとたくさんの仕事をこなしていった。
 その間も昭和から平成へと代わり、時代の変化を感じた。そして、1991年の12月に二十歳を迎えた。そして、僕は新しい職場で働く機会を得ることになったのだ。しかし、それもまた厳しい第一歩になろうとはその時の僕は知る由もなかった。
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