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最終章
20話 世界が終わる前にピクニック~♪
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「あぁ~♪こういうの、一回やってみたかったんよな~。お菓子無制限で持っていける遠足!ポテチにチョコにグミ~。あーそや、グミ全種類持って行こ~っと。後はなんやろ。そうや!ゲームやな、携帯型の奴は持ったし、もうこの際やから家庭用のやつも持っていくかー!そうすると画面いるな~テレビテレビー!って痛ったぁ何すんねんおっちゃん!」
「お前あほか!誰が車にテレビ詰め込んで遠出する奴がいるんだよ!」
俺は友梨の頭を小突いた。こんな状況だからと多少は大目に見てやっていたが、流石に行き過ぎである。それに資源が少ない中でバッテリーは出来る限り節約すべき高級品だ。
「なんや、ちょっとくらいええやんかぁ~。おっちゃんにもやらせてあげるから~♡なあ、ええやろ~?」
「俺は運転役だ!ゲームやってる暇なんてねぇんだよ!」
俺は友梨を叱責した。里奈は少し離れた場所で微笑んでいる。
「さぁ、ぐずぐずしてねぇで、そろそろ行くぜ。」
「はぁ~い!遠足遠足ぅ~♪」
里奈に同行するかを聞いたが、何かあったときに足手まといになるという事で控えるという事だった。ここに一人残すことも危険な気もしたが、今や世界が終ろうとしている。自分の命の責任は自分で負うという事を理解していた。もし俺たちがいない間に何かあってもそれは里奈自身の責任であって他人が介入すべき事ではない。それは俺たち自身にも当てはまる。死ぬときは死ぬ。そしてその事にお互い必要以上に介在しない暗黙の了解が生まれていた。
俺は友梨とリープを出発した。道中で茜のしでかした街の惨状が明らかになる。数々の建物は倒壊している。おそらくあの漆黒のレーザーが触れた個所は何一つ残らない。地表は赤土が露呈し、火星のそれを連想させる。まるでその箇所だけが太古に巻き戻ったかのようにさえ見える。ある個所では大きな商業施設がちょうど中央で真っ二つになり、文明と古とを対比させる巨大な芸術作品となっているようだった。
俺たちは道なき道を探り探り進みながら、かろうじて残っている道路標識を頼りに目的地へと向かった。今回の目的地は今までに比べるとまだ近場だ。東京の西に位置する秩父にその施設はある。友梨も昔はそこに住んでいたが、まだ小さかったせいもありよく覚えてないらしい。
出発してそう時間が経っていない頃合いに、俺たちはセントラルスカイタワーを遠方に臨める道路を走っていた。そこにある球体は見ない。心の中では友梨も俺も感じるところはある。だがあえて日常的にそれがそこに鎮座している事を装う事で平静を保とうとしているのだ。複雑な感情が相まり、俺たちはそれを直視しないという選択をした。
程なくして、高速道路が綺麗に残されている所を見つけた。目視できる範囲では特に崩れている様子は無かった。俺たちはそこから高速へと入る。ETCゲートが閉まっているが気にせず車体ごと体当たりして破壊して進む。それなりの衝撃はあったが怯む事はなかった。
幸い八王子まで高速道路は健在だった。ジャンクションで下道へと下り、目的地の施設へ向かう。時刻は昼過ぎになっていた。
程なくして俺たちは秩父の渓流沿いにある施設へと到着する。ここに茜や友梨のルーツがあるのだろうか。ここで能力者達がおそらくはひどい仕打ちをされていたのだろう。そしてその成れの果てが今の茜だという事になる。その事実に憤りを感じずにはいられ無かった。
入口の鉄扉は鎖でぐるぐると固く施錠されていた。錆もひどく、球体が発生する以前から使われていない様子だった。ふとその鉄扉の横に施設名の書かれた看板が目についた。古びて所々文字が欠け落ちてはいるが十分読める。
『秩父サナトリウム』
孤児院だとばかり思っていたが、表向きは療養所の体裁をとっていたらしい。
俺たちは鉄扉を飛び越えて中にはいる。田舎だというだけあってここまで球体の影響は訪れていないらしい。午後の日差しが庭園に差し込み暖かい。鳥のさえずりは一時俺たちに世界の惨状を忘れさせてくれた。
「うち、ここに住んでた頃ってまだ小っちゃかったから建物自体の記憶はうっすらやったけど、来てみたらだんだん思い出してきたわ。せや、あっちの裏手に言ったらブランコがあんねん。茜ちゃんによう遊んでもらったんや。行ってみようや~。なぁ~ええやろ~。」
「あぁ、わかったよ。好きにしろよ。」
束の間のピクニック気分も悪くない。それに俺自身もほんの少しだけこの世界に起きている事を忘れることが出来た。俺は友梨の提案を受け入れる。
「あぁ、あったあった~!そうそうこうやってうちがこのブランコに座って、茜ちゃんが手すりもって漕いでくれたりしたんや~。懐かしいわ~。ちょっとやってぇな。」
「え、まじで言ってんのか。」
「あたり前やろ~。もうええからはよ~、やってぇや。」
「あぁ、こうか?」
「あかんあかん。ゆるいゆるい!もっと上のほう持って勢いつけてやってぇや!」
「こんな感じか?」
「おぉ~、こんなんやったこんなんやた!子供の遊具のくせに案外今でもおもろいなぁ。そうそう、これ位のスピードと高さがあったと思うわ~。」
「お前も子供だろうが・・・。」
そう言いながら俺は違和感を感じていた。数年前の茜の背丈でここまで上部のチェーンを持って、勢いをつけてブランコを漕げるものだろうか。俺は友梨の子供の時の記憶だから曖昧なだけだろうと片づけた。
ふいに男の声がした。
「あぁ、やっぱり。乃蒼君だね?」
俺はとっさに内ポケットの銃に手をかけた。立ち位置から逆光でその男が誰かすぐには解らなかったが、徐々にその面立ちがはっきりとしてくる。
「や、山田さん?」
「やぁもしかしたらと思ったけど。当たりだったみたいだね。世界がこんな風になって、柏木さんから聞いた日付にここにきて見て良かったよ。まさか、君が来るとは思わなかったけどね。」
「誰や?あのおっちゃん。」
「あぁ、俺が昔行きつけていたバー ダンテのマスターさ。」
そう言いながらも俺は内ポケットの銃身をにぎりしめたままだ。こんな場所で会っている時点で例え顔なじみだとしても警戒すべき相手だろう。
「どうして山田さんがここにいるんだ。あんたが能力者とでもいうのか?」
「・・・。」
山田さんは答えなかった。
「答えろ!?」
俺はついに銃口を山田さんへと向けて叫んだ。
「・・・無理もないね。能力者かどうかという質問へ明確に答えることは出来ないが、他人への治癒能力は僕にはない。僕にあるのは、自分自身を治す力だけだ。いいから物騒なものをしまってくれないか。」
「なるほどな。あながち八百屋の人間ってわけではないらしいが、何か証拠があるのか?」
「証拠か。わかったよ。いったん中に入らないかい?多分君たちは大きな勘違いをしているようだね。ここの施設の目的や能力のことも。もっとも、僕自身も今日ここにきて初めて知った事実もあったが・・。」
そう言って山田さんは両手を上げている。
「わかった。とりあえず案内してもらえるか?」
俺は両手で銃身をしっかりと握ったまま、顎で建物の中へ入るように指示を出した。山田さんは手を頭の後ろに回し、裏口の扉を足で開いた。
中は数年は使われていないようだった。長野の洋館で嗅いだものと同じようにかび臭ささを感じる。一階の廊下をゆっくりとした足取りで山田さんは歩いている。そして廊下の突き当りの部屋の前で止まった。
「ここへ入ってもいいかい?」
「あぁ。」
すでに山田さんからは敵意は微塵も感じられないが念のため俺は警戒を怠らなかった。部屋はこじんまりとしている。山田さんはそこにある椅子にずでんと腰かけた。
「はぁ~、腕が痛い。年寄りにこんな事させるんじゃないよもう。」
「それで証拠はどれだ。」
再度山田さんは大きくをため息をついて俯いた。
「・・・これさ。これを読めば大体のことは解る。足りない部分は後から僕が補足するよ。」
山田さんは俺に一冊のカルテを差し出した。俺はそのカルテを右手で取ろうとするが、山田さんがいったん自分のほうへと引き寄せて俺の手をかわしたため、受け取れなかった。
「いいかい?君に大きく関わることが書かれているけど、取り乱さないと約束できるかな?銃を下してくれたらすぐに渡せるけど。どうする?」
俺は山田さんの目を見た。この世界で人を信頼する事がどれ程意味のある事なのかはわからない。だが、最後位は信じてみる事も悪くないような気がした。
俺は銃を机に置いてカルテを受け取った。
「お前あほか!誰が車にテレビ詰め込んで遠出する奴がいるんだよ!」
俺は友梨の頭を小突いた。こんな状況だからと多少は大目に見てやっていたが、流石に行き過ぎである。それに資源が少ない中でバッテリーは出来る限り節約すべき高級品だ。
「なんや、ちょっとくらいええやんかぁ~。おっちゃんにもやらせてあげるから~♡なあ、ええやろ~?」
「俺は運転役だ!ゲームやってる暇なんてねぇんだよ!」
俺は友梨を叱責した。里奈は少し離れた場所で微笑んでいる。
「さぁ、ぐずぐずしてねぇで、そろそろ行くぜ。」
「はぁ~い!遠足遠足ぅ~♪」
里奈に同行するかを聞いたが、何かあったときに足手まといになるという事で控えるという事だった。ここに一人残すことも危険な気もしたが、今や世界が終ろうとしている。自分の命の責任は自分で負うという事を理解していた。もし俺たちがいない間に何かあってもそれは里奈自身の責任であって他人が介入すべき事ではない。それは俺たち自身にも当てはまる。死ぬときは死ぬ。そしてその事にお互い必要以上に介在しない暗黙の了解が生まれていた。
俺は友梨とリープを出発した。道中で茜のしでかした街の惨状が明らかになる。数々の建物は倒壊している。おそらくあの漆黒のレーザーが触れた個所は何一つ残らない。地表は赤土が露呈し、火星のそれを連想させる。まるでその箇所だけが太古に巻き戻ったかのようにさえ見える。ある個所では大きな商業施設がちょうど中央で真っ二つになり、文明と古とを対比させる巨大な芸術作品となっているようだった。
俺たちは道なき道を探り探り進みながら、かろうじて残っている道路標識を頼りに目的地へと向かった。今回の目的地は今までに比べるとまだ近場だ。東京の西に位置する秩父にその施設はある。友梨も昔はそこに住んでいたが、まだ小さかったせいもありよく覚えてないらしい。
出発してそう時間が経っていない頃合いに、俺たちはセントラルスカイタワーを遠方に臨める道路を走っていた。そこにある球体は見ない。心の中では友梨も俺も感じるところはある。だがあえて日常的にそれがそこに鎮座している事を装う事で平静を保とうとしているのだ。複雑な感情が相まり、俺たちはそれを直視しないという選択をした。
程なくして、高速道路が綺麗に残されている所を見つけた。目視できる範囲では特に崩れている様子は無かった。俺たちはそこから高速へと入る。ETCゲートが閉まっているが気にせず車体ごと体当たりして破壊して進む。それなりの衝撃はあったが怯む事はなかった。
幸い八王子まで高速道路は健在だった。ジャンクションで下道へと下り、目的地の施設へ向かう。時刻は昼過ぎになっていた。
程なくして俺たちは秩父の渓流沿いにある施設へと到着する。ここに茜や友梨のルーツがあるのだろうか。ここで能力者達がおそらくはひどい仕打ちをされていたのだろう。そしてその成れの果てが今の茜だという事になる。その事実に憤りを感じずにはいられ無かった。
入口の鉄扉は鎖でぐるぐると固く施錠されていた。錆もひどく、球体が発生する以前から使われていない様子だった。ふとその鉄扉の横に施設名の書かれた看板が目についた。古びて所々文字が欠け落ちてはいるが十分読める。
『秩父サナトリウム』
孤児院だとばかり思っていたが、表向きは療養所の体裁をとっていたらしい。
俺たちは鉄扉を飛び越えて中にはいる。田舎だというだけあってここまで球体の影響は訪れていないらしい。午後の日差しが庭園に差し込み暖かい。鳥のさえずりは一時俺たちに世界の惨状を忘れさせてくれた。
「うち、ここに住んでた頃ってまだ小っちゃかったから建物自体の記憶はうっすらやったけど、来てみたらだんだん思い出してきたわ。せや、あっちの裏手に言ったらブランコがあんねん。茜ちゃんによう遊んでもらったんや。行ってみようや~。なぁ~ええやろ~。」
「あぁ、わかったよ。好きにしろよ。」
束の間のピクニック気分も悪くない。それに俺自身もほんの少しだけこの世界に起きている事を忘れることが出来た。俺は友梨の提案を受け入れる。
「あぁ、あったあった~!そうそうこうやってうちがこのブランコに座って、茜ちゃんが手すりもって漕いでくれたりしたんや~。懐かしいわ~。ちょっとやってぇな。」
「え、まじで言ってんのか。」
「あたり前やろ~。もうええからはよ~、やってぇや。」
「あぁ、こうか?」
「あかんあかん。ゆるいゆるい!もっと上のほう持って勢いつけてやってぇや!」
「こんな感じか?」
「おぉ~、こんなんやったこんなんやた!子供の遊具のくせに案外今でもおもろいなぁ。そうそう、これ位のスピードと高さがあったと思うわ~。」
「お前も子供だろうが・・・。」
そう言いながら俺は違和感を感じていた。数年前の茜の背丈でここまで上部のチェーンを持って、勢いをつけてブランコを漕げるものだろうか。俺は友梨の子供の時の記憶だから曖昧なだけだろうと片づけた。
ふいに男の声がした。
「あぁ、やっぱり。乃蒼君だね?」
俺はとっさに内ポケットの銃に手をかけた。立ち位置から逆光でその男が誰かすぐには解らなかったが、徐々にその面立ちがはっきりとしてくる。
「や、山田さん?」
「やぁもしかしたらと思ったけど。当たりだったみたいだね。世界がこんな風になって、柏木さんから聞いた日付にここにきて見て良かったよ。まさか、君が来るとは思わなかったけどね。」
「誰や?あのおっちゃん。」
「あぁ、俺が昔行きつけていたバー ダンテのマスターさ。」
そう言いながらも俺は内ポケットの銃身をにぎりしめたままだ。こんな場所で会っている時点で例え顔なじみだとしても警戒すべき相手だろう。
「どうして山田さんがここにいるんだ。あんたが能力者とでもいうのか?」
「・・・。」
山田さんは答えなかった。
「答えろ!?」
俺はついに銃口を山田さんへと向けて叫んだ。
「・・・無理もないね。能力者かどうかという質問へ明確に答えることは出来ないが、他人への治癒能力は僕にはない。僕にあるのは、自分自身を治す力だけだ。いいから物騒なものをしまってくれないか。」
「なるほどな。あながち八百屋の人間ってわけではないらしいが、何か証拠があるのか?」
「証拠か。わかったよ。いったん中に入らないかい?多分君たちは大きな勘違いをしているようだね。ここの施設の目的や能力のことも。もっとも、僕自身も今日ここにきて初めて知った事実もあったが・・。」
そう言って山田さんは両手を上げている。
「わかった。とりあえず案内してもらえるか?」
俺は両手で銃身をしっかりと握ったまま、顎で建物の中へ入るように指示を出した。山田さんは手を頭の後ろに回し、裏口の扉を足で開いた。
中は数年は使われていないようだった。長野の洋館で嗅いだものと同じようにかび臭ささを感じる。一階の廊下をゆっくりとした足取りで山田さんは歩いている。そして廊下の突き当りの部屋の前で止まった。
「ここへ入ってもいいかい?」
「あぁ。」
すでに山田さんからは敵意は微塵も感じられないが念のため俺は警戒を怠らなかった。部屋はこじんまりとしている。山田さんはそこにある椅子にずでんと腰かけた。
「はぁ~、腕が痛い。年寄りにこんな事させるんじゃないよもう。」
「それで証拠はどれだ。」
再度山田さんは大きくをため息をついて俯いた。
「・・・これさ。これを読めば大体のことは解る。足りない部分は後から僕が補足するよ。」
山田さんは俺に一冊のカルテを差し出した。俺はそのカルテを右手で取ろうとするが、山田さんがいったん自分のほうへと引き寄せて俺の手をかわしたため、受け取れなかった。
「いいかい?君に大きく関わることが書かれているけど、取り乱さないと約束できるかな?銃を下してくれたらすぐに渡せるけど。どうする?」
俺は山田さんの目を見た。この世界で人を信頼する事がどれ程意味のある事なのかはわからない。だが、最後位は信じてみる事も悪くないような気がした。
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