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第72話 スパリゾート共和国が出来るまで⑫
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「陛下御無事で安心しました」
「2度も死にかけたけどな。アスカの自動結界の指輪で命拾いした」
「ミカ様もご無事で何よりです」
「領民を大勢失い、私の管理の甘さが全ての原因かと思うと、領民の方々に合わせる顔もありません……」
「それは、敵を殲滅してから考えましょう」
「俺達が生き延びる事が出来たのは、相手の射手の能力が低かったから偶然生き延びただけだな。普通の射手が搭乗してたら、俺達もミカもとっくにあの世だった」
「それなんですが、相手はパイロットはアダムスさんで間違いないようですが、射手はマリアンヌがやっていたようですね。今は帝都の結界の破壊をするだけの威力のある攻撃をしているので、恐らくダニエル将軍の筈です」
「ああ、マリアンヌがフリオニールに念話をして来た頃から意識が戻ったから、大体の状況は解る」
「どうですか? フリオニール様は? ちゃんとやれそうですか?」
「ああ、あいつに冒険者生活をさせた事が、役に立ったようだ。良い仲間が居る」
「カトリーヌさんと、キャサリンさんですか?」
「ああ。キャサリンはカレンの一番下の妹だし、信用できる」
「えぇ? そうだったんですか? 全然見た目解らないですね」
「認識阻害を掛けてたからな」
「そうだったんですね。陛下はどうなされるのが良いと思いますか?」
「理由はともかく、俺の国の住民が帝国の軍に1万人以上殺されて、我慢する選択は無い。ダニエルとマリアンヌそれに帝国の現政権は殲滅しか答えは無い。それを成し遂げた後で、他の事は決める」
「解りました。今アレキサンダー様が、ギルノアに攻め込んで来た軍の将軍を迎えに行っていますので、戻って来たら、ブリック元帥の指揮で動いて頂けますか?」
「ああ、解った。ライトニングアローはフリオニールとアスカの艦じゃ無いと無理だが、それ以外なら何とかしてやる」
「アスカよ、王都はどう纏めているのだ?」
「宰相様、リナちゃんとセーバーさんとイスメラルダがオリオン公爵に協力して、対処しております。それと現在西側諸国に、各王子が帝国との開戦を伝え、ギルノアとの関係性を確認して、敵と味方のあぶり出しを行っております」
「アスカ、それは結果次第では、今回の争いが収まれば、この大陸の勢力図が大きく書き換わるな」
「そうですね。陛下には大陸全体を纏めるお仕事でもして頂かないといけませんね」
「おい、俺達はせっかく死んだんだから、気楽に冒険者稼業するつもりだったんだが?」
「何言ってるんですか? 私が逃がしたりしませんよ? 宰相と大陸全体の基本的な倫理観を統一した憲法だけは制定して頂いて、奴隷制度の禁止などを盛り込んだ新しい大陸政府を作って貰いますからね?」
「アスカがやりゃぁいいじゃねぇかよ」
「そんなのは、陛下くらいの年齢があったほうが良いんです。この大陸には貴族制度のある国も多いし、そんなのは私には扱えないですから。それにゆっくり冒険者生活を楽しみたいのは私ですし、スパリゾート領はミカ様にでも面倒見て頂きたいと思ってるんですけど?」
「アスカ様、まさかいなくなったりしないですよね?」
「私は、錬金小屋と温泉さえあれば後はちゃんと政治をしてくれる人に任せた方が良いですから」
「考えが自由すぎますよそれ……」
◇◆◇◆
そんな話をしていると、アレキサンダー様の引き連れた3隻の飛空船が戻って来て、スパロー号に接近して来た。
『アスカ様、ガーゴル将軍をお連れしました』
『ありがとうございます。艦を横付けするのでアレキサンダー様も一緒に、こちらの艦に来ていただけますか?』
『了解です』
「父上! よくぞご無事で、ミカ姉様も一体どういう状況なんでしょうか?」
「まぁそれは、後回しだ。ガーゴル将軍。よくぞ呼び出しに応えてくれたな。ダニエル将軍が好き勝手に暴れて、帝都の結界まで破壊してやがるぞ? 一体どうなってるんだ?」
「何と…… 皇帝はご無事なんでしょうか?」
「帝国が、正式に開戦を言ってきた事実が残って無いから、ギルノアからはまだ攻撃をしていないが、ダニエルの犯行がはっきりした以上、俺はやられた分をきっちりとやり返す。俺が狙われて、皇帝が無事なんて事は在ってはならぬからな。ガーゴル将軍。今はお前をどうこうはしねぇ。帝都に送り届けてやる。敵対するのも協力するのも、好きに決めろ。だが、敵対すればこの飛空船部隊が200万が500万でも殲滅して見せる。覚悟を決めてきやがれ」
「解りました。私は帝国の将軍です。皇帝の御心によって以外の命令は、受けませんがより良き結果につながる様に、ご注進は出来ます。それでは皇帝の下に向かわせて頂きます」
「軍人って大変だな……」
「ブリック元帥あなたに言われても……」
「俺は、もう少し自由だ。ペルセウスに命令されても気に入らなきゃ断るからな」
「それでは行かせて頂きます」
「次は戦場で会おう」
◇◆◇◆
「フリルちゃん? それでどうするの?」
「カトリーヌ姉様、私は決めました。この場所が帝都であろうと関係ありません。罪のない一般市民を巻き込む攻撃を行っている、ダニエルとマリアンヌを許せません。キャサリン姉様攻撃は任せます。ブルック、艦をライトニングアローの正面に廻して、上空に誘い出してくれ、出来るか?」
「やるしか無いですね。ゲイルは後部の魔導砲で帝国の魔導士団の攻撃を警戒してくれ」
「解ったわ」
ブリックの操船するエレガントフリルは、帝都の結界内部に突入して、無差別攻撃を繰り広げる、ライトニングアローに対して攻撃を始めた。
「ちっ、ダニエル様、上空に退避します」
「解った。このまま逃げ切ればまだ皇帝たちには俺が攻撃した事はバレて無いから、ギルノアとの開戦を指示するはずだ。一気に上昇して逃げ切れ」
「了解」
「おい、ブルック、あいつら全速で逃げ始めたぞ追いかけろ」
「了解です」
◇◆◇◆
「皇帝、飛空船同士が争っていますが、どう言う事でしょうか?」
「理由は解らんが、飛空船による攻撃を受けた事実は明白だ、我が帝国は全力を持って、ギルノア王国を叩き潰し、代償を払わせる。通商国の傭兵部隊もビスティアの攻撃をさせ、援軍が出せぬようにしろ。念話で大陸西部の友好国家にもギルノアへの挙兵を要請しろ。一気に叩き潰す」
「了解です」
大陸全土を巻き込む、世界大戦は勃発した。
「2度も死にかけたけどな。アスカの自動結界の指輪で命拾いした」
「ミカ様もご無事で何よりです」
「領民を大勢失い、私の管理の甘さが全ての原因かと思うと、領民の方々に合わせる顔もありません……」
「それは、敵を殲滅してから考えましょう」
「俺達が生き延びる事が出来たのは、相手の射手の能力が低かったから偶然生き延びただけだな。普通の射手が搭乗してたら、俺達もミカもとっくにあの世だった」
「それなんですが、相手はパイロットはアダムスさんで間違いないようですが、射手はマリアンヌがやっていたようですね。今は帝都の結界の破壊をするだけの威力のある攻撃をしているので、恐らくダニエル将軍の筈です」
「ああ、マリアンヌがフリオニールに念話をして来た頃から意識が戻ったから、大体の状況は解る」
「どうですか? フリオニール様は? ちゃんとやれそうですか?」
「ああ、あいつに冒険者生活をさせた事が、役に立ったようだ。良い仲間が居る」
「カトリーヌさんと、キャサリンさんですか?」
「ああ。キャサリンはカレンの一番下の妹だし、信用できる」
「えぇ? そうだったんですか? 全然見た目解らないですね」
「認識阻害を掛けてたからな」
「そうだったんですね。陛下はどうなされるのが良いと思いますか?」
「理由はともかく、俺の国の住民が帝国の軍に1万人以上殺されて、我慢する選択は無い。ダニエルとマリアンヌそれに帝国の現政権は殲滅しか答えは無い。それを成し遂げた後で、他の事は決める」
「解りました。今アレキサンダー様が、ギルノアに攻め込んで来た軍の将軍を迎えに行っていますので、戻って来たら、ブリック元帥の指揮で動いて頂けますか?」
「ああ、解った。ライトニングアローはフリオニールとアスカの艦じゃ無いと無理だが、それ以外なら何とかしてやる」
「アスカよ、王都はどう纏めているのだ?」
「宰相様、リナちゃんとセーバーさんとイスメラルダがオリオン公爵に協力して、対処しております。それと現在西側諸国に、各王子が帝国との開戦を伝え、ギルノアとの関係性を確認して、敵と味方のあぶり出しを行っております」
「アスカ、それは結果次第では、今回の争いが収まれば、この大陸の勢力図が大きく書き換わるな」
「そうですね。陛下には大陸全体を纏めるお仕事でもして頂かないといけませんね」
「おい、俺達はせっかく死んだんだから、気楽に冒険者稼業するつもりだったんだが?」
「何言ってるんですか? 私が逃がしたりしませんよ? 宰相と大陸全体の基本的な倫理観を統一した憲法だけは制定して頂いて、奴隷制度の禁止などを盛り込んだ新しい大陸政府を作って貰いますからね?」
「アスカがやりゃぁいいじゃねぇかよ」
「そんなのは、陛下くらいの年齢があったほうが良いんです。この大陸には貴族制度のある国も多いし、そんなのは私には扱えないですから。それにゆっくり冒険者生活を楽しみたいのは私ですし、スパリゾート領はミカ様にでも面倒見て頂きたいと思ってるんですけど?」
「アスカ様、まさかいなくなったりしないですよね?」
「私は、錬金小屋と温泉さえあれば後はちゃんと政治をしてくれる人に任せた方が良いですから」
「考えが自由すぎますよそれ……」
◇◆◇◆
そんな話をしていると、アレキサンダー様の引き連れた3隻の飛空船が戻って来て、スパロー号に接近して来た。
『アスカ様、ガーゴル将軍をお連れしました』
『ありがとうございます。艦を横付けするのでアレキサンダー様も一緒に、こちらの艦に来ていただけますか?』
『了解です』
「父上! よくぞご無事で、ミカ姉様も一体どういう状況なんでしょうか?」
「まぁそれは、後回しだ。ガーゴル将軍。よくぞ呼び出しに応えてくれたな。ダニエル将軍が好き勝手に暴れて、帝都の結界まで破壊してやがるぞ? 一体どうなってるんだ?」
「何と…… 皇帝はご無事なんでしょうか?」
「帝国が、正式に開戦を言ってきた事実が残って無いから、ギルノアからはまだ攻撃をしていないが、ダニエルの犯行がはっきりした以上、俺はやられた分をきっちりとやり返す。俺が狙われて、皇帝が無事なんて事は在ってはならぬからな。ガーゴル将軍。今はお前をどうこうはしねぇ。帝都に送り届けてやる。敵対するのも協力するのも、好きに決めろ。だが、敵対すればこの飛空船部隊が200万が500万でも殲滅して見せる。覚悟を決めてきやがれ」
「解りました。私は帝国の将軍です。皇帝の御心によって以外の命令は、受けませんがより良き結果につながる様に、ご注進は出来ます。それでは皇帝の下に向かわせて頂きます」
「軍人って大変だな……」
「ブリック元帥あなたに言われても……」
「俺は、もう少し自由だ。ペルセウスに命令されても気に入らなきゃ断るからな」
「それでは行かせて頂きます」
「次は戦場で会おう」
◇◆◇◆
「フリルちゃん? それでどうするの?」
「カトリーヌ姉様、私は決めました。この場所が帝都であろうと関係ありません。罪のない一般市民を巻き込む攻撃を行っている、ダニエルとマリアンヌを許せません。キャサリン姉様攻撃は任せます。ブルック、艦をライトニングアローの正面に廻して、上空に誘い出してくれ、出来るか?」
「やるしか無いですね。ゲイルは後部の魔導砲で帝国の魔導士団の攻撃を警戒してくれ」
「解ったわ」
ブリックの操船するエレガントフリルは、帝都の結界内部に突入して、無差別攻撃を繰り広げる、ライトニングアローに対して攻撃を始めた。
「ちっ、ダニエル様、上空に退避します」
「解った。このまま逃げ切ればまだ皇帝たちには俺が攻撃した事はバレて無いから、ギルノアとの開戦を指示するはずだ。一気に上昇して逃げ切れ」
「了解」
「おい、ブルック、あいつら全速で逃げ始めたぞ追いかけろ」
「了解です」
◇◆◇◆
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「理由は解らんが、飛空船による攻撃を受けた事実は明白だ、我が帝国は全力を持って、ギルノア王国を叩き潰し、代償を払わせる。通商国の傭兵部隊もビスティアの攻撃をさせ、援軍が出せぬようにしろ。念話で大陸西部の友好国家にもギルノアへの挙兵を要請しろ。一気に叩き潰す」
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