下っ端くんたちのあれこれ

18

　雅也の身体を弄ぶことにある程度の満足を得たレナは、次の標的を定めた。



「よし、じゃあ雅也はこんなものね。次は……達也、ね」



　達也は顔をいじっていた手を止めて、肩を揺らした。

　何を言われるのか、彼が一番分かっているのだろう。



　達也はスタイルも顔もそこそこ良い男だ。

　ただ一つ、その顔によくニキビが出来てしまうことだけを除けば。



「……お、俺は何をすればいいんだ……？」



　恐々と尋ねる達也に、レナは喜々と語り出した。



「そうね、まず一番に出来たニキビをいじらないことね。雑菌だらけの手でいじるなんて、ニキビが酷くなるだけで良いことなんて一つもないんだから。運動とお菓子の禁止は雅也と一緒にやってもらうから良いとして……」



「お、おう」



「お風呂に入るときの身体の順番を気にすること。頭、身体、顔の順番で洗うと良いわ。それから、充分にすすぎ残しに気をつけること。シャンプーやボディーソープの類って、思っているよりも刺激的で肌に悪いものだから」



「ま、まぁ、それくらいなら」



　ほっと安堵した様子の達也。

　そして、それを恨めしそうに見ている雅也。



　まぁ、確かに早朝のランニングや好きなものを制限されるよりは随分と簡単ではあるな。



　ただ、達也がほっとしたのはその時だけであり、続いて紡がれたレナの言葉に、彼は泣き出しそうな顔になるのであった。